恋愛ものにおいて効果的な、エピソード群の組み合わせ方(前編)
みなさまこんばんわ。
レヱル・ロマネスクシリーズの原案、シリーズ構成を勤めます、進行豹です。
私用のため更新の間があいてしまいましたことを、まずはお詫び申し上げます。
その分も今回はガッツリした記事にしていければと思います。
で、今回は『レヱル・ロマネスク0』
ではなく。
前回案外好評いただきました『作劇HOW TO』
(第一回は、「恋愛ものにおける日常エピソードのつくりかた」)
の新規記事を書いてみたく思います。
いただきましたご質問はこちら。
【エピソード群を組み合わせてストーリーを構築する方法のコツを教えてください】
です。
早速回答してまいります。
まず、エピソードそのものの作り方については上記の前回記事を御確認ください。
「恋愛ものにおいて最優先なのは『ヒロイン(ヒーロー)の魅力」なので「自分の日常の中から、そのヒロインの魅力を引き立てることができそうなエピソードを思い出してみる」
ことをベースにエピソードを組み立ててみましょう――というのが、前回記事の概要でした。
その前提の上で、今回は、そうして組み立てるエピソード群を、どのように組み合わせてストーリーラインを構築するのが効果的か?
ということについてを考えていくこととなります。
まず「どのようなストーリーラインを構築したいのか」という欲求を、より細かく分析します。
これから書いていくものが読者さんに読まれる物語であるのなら「どのような」は「どのようにしてより読者に楽しんでいただける」と同じ意味となります。
それはつまり「展開しているジャンル上で喜んでいただけるような構成を作りたい」という意味となりますので、「受ける要素の分析」が、まず必要となりましょう。
ざっと思いつく感じですと
■ 関係性の変化
■ 心理的葛藤
■ 周囲による関係性の認知
あたりで、共感というか好感をもっていただける展開ができると、まずもってこれは受けるのではないかと思われます。
好き嫌いがでてきてしまうかもしれませんが、受けそうな展開だと
☆ すれ違い
☆ 三角/多角関係
☆ よろめき(心変わりへの誘惑)
――あたりとなってまいりましょうか。
このあたりの要素が「受ける展開」だとして。
恋愛ものの基本ユニットは、なんどでも繰り返しますが「ヒロインの魅力を見せるエピソード」となります。
そして、絶対的な受ける要素――
というか、恋愛物において描くことが必須であろう要素は、上記の筆頭
「主人公とヒロイン(ヒーロー)の関係性の変化」となるかと思われます。
ヒロインの魅力を見せるだけでは関係性は変化しませんので、
魅力を見せると同時に、具体的行動(デートや連絡や一人で相手を思う時間や周囲による刺激等)を伴うエピソードにおいて、受ける要素を満たす展開――
・相手に対しての感情が大きく動く
・主人公/ヒロインの自身の心理的葛藤(もっと仲良くなりたいが、いまの関係性が壊れるのが怖い、等)が発生する
・ふたりの関係性が他者に認められていく
――等を発生させなければなりません。
まとめますと
「ヒロインの魅力が発揮されるエピソード」
「ヒロインと主人公との間に具体的ななにごとが起こるエピソード」
「ヒロインor主人公orふたりと、その周辺との間に具体的ななにごとかが起こるエピソード」
を組み合わせ
『受ける要素を満たす展開』
を構築できれば、それは恋愛物において魅力的なストーリーラインとして成立するでしょう。
あたりまえの結論ではありますが、このようなことを一度分析しておくと、
「そうしたストーリーラインをどうやって構築していくか」の説明が、とても容易となるはずです。
わたくしの代表作『まいてつ』において、主人公・双鉄と、メインヒロイン三人との、物語序盤における関係性は以下です
「ハチロク」 誤解により、印象最悪の出会い方をする
「日々姫」 義理の妹で、物語開始以前の積み重ねにより極めて好感度高い
「ポーレット」 主人公の目的達成のための、いわば事務的要素での出会いを果たすが、過去に共通の思い出を持つ
――この中で、恋愛ものと見た場合、やはりいちばん面白くなりそうなのは「ハチロク」との関係性の変化ですので、
明日、9日更新予定の次回記事では、主人公・双鉄、ヒロイン・ハチロクでのいくつかの具体的エピソードをつくり。
「それらをどう組み合わせれば、より効果的なストーリーラインとなるか」を考えてまいります。
どうぞご期待いただけますと幸いです。
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『レヱル・ロマネスクゼロ』のネーム掲載時には、そのネーム制作の下敷きになる字コンテや、推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などを公開していきたく思っております。
ネームとあわせて、どうぞご笑覧いただけますと幸いです。
本日のショートストーリーは以下となります
『日々姫とポーレットの敗因分析』
(あらすじ)
ハチロクを選んだ双鉄。
結果、はっきりと失恋してしまった日々姫と、
「わたしはそこまで?」と主張するポーレットは、よしなしごとを語ります。