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3分で読めるレイルロオドのお話「りいこの虫は知らせてくれる?」&メンバ-シップ特典記事『C95出展記念ボイスドラマ台本 ハチロク編&日々姫編&ポーレット編』

南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」が発表されたのが今月8日の19:45のことでした。

https://www.jma.go.jp/jma/press/2408/08e/NT_202408081945sv.pdf

それから約一週間が経過し、本日、15日に「呼びかけが終了」となりました。

しかしながら、大雨とか雷とかの警報とは異なり。
「呼びかけが終了となる」ことは、南海トラフ地震の発生確率が低減されたということを意味しない――南海トラフ地震地震発生の危険は、むしろ時間を追うごとに高まっていくこととなるようです。

この辺、ちゃんと理解しておきたいと考えましたので、いまさらながら「南海トラフ地震is何?」ということを調べてみました。

もっとも簡潔に、わかりやすくまとまっていると思えたのは、気象庁のページでした。

まず前提として「トラフ」とは『海底を走る長くやや幅の広い溝のうち、最大水深が6000mを超えないもの』のことをいうそうです。

>駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域を「南海トラフ」といいます。

――なのだそうです。

ちなみにプレートは「海洋地底を作っている岩盤」を意味します。

で、南海トラフにおいては、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに下に、一年あたり数センチの速度で沈みこんでいっている。

この沈みこみの際、ユーラシアプレートは沈み込んでいくフィリピン海プレートに引きずられ、どんどん地底方向へのひずみをためていく。

そのひずみが限界に達すると元の位置に戻るための跳ね上がりが発生し、これが大きな地震を引き起こす――

というのは、南海トラフ地震発生の機序なのだそうです。

このプロセスは何度でも繰り返されてしまうため、南海トラフ地震も何度でも発生するそうで――

その間隔は「概ね100年~150年周期」の範囲内なのですが、最短「中2ヶ月」で発生したこともあるそうです。

で、前回の南海トラフ地震(1944年および1946年)から70年が経過した現在は、「南海トラフ地震発生の切迫性が高まったている」時期といえるそうです。

ので、『南海トラフ地震の発生は不可避』であり、その発生確率は日を追うごとに高まっていく――ということになるのだなぁ、と、わたくし理解できました。

不可避であるなら備えるしかなく。

先日のnoteで調べた防災対策

わたくしもできることから順番に備え始めております。

時間が経過するにつれ、防災意識はやはり薄れてしまいそうではありますが――

「南海トラフ地震は不可避」
「ゆえ、備える他ない」

ことを忘れることがないように、今後とも定期的に備えを見直していければ、とも思います。

みなさまもどうぞ、ご安全に。

さて。
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネームの方は、
前回で第39話「増発! 増発! 増発!」の4シーンを一括公開いたしましたので

今回は更新、おやすみになります。

かわりのメンバーシップ特典記事といたしましては、リクエストいただきました
「C95 出展記念ボイスドラマ台本」の、ハチロク編、日々姫編、ポーレット編の一挙公開とさせていただきました。

もしよろしければご笑覧いただけますと幸いです。

でもって短いお話は「地震予知」をテーマに書いてみたいと思います。

登場するレイルロオドは、いよとりいこ。

タイトルは「りいこの虫は知らせてくれる?」となります。

どなたにも無償でお読みいただけるお話となりますので、もしよろしければご笑覧いただけますと幸いです。

■いよ■


いよかん鉄道甲1形1号蒸気機関車専用レイルロオド。
楠海トラフ地震での四國の被害予想を目にして、
地震に対しての警戒心が著しくたまかってきている。

■りいこ■


頭部鉄路5号機関車専用レイルロオド。
楠海トラフ地震の注意に関する呼びかけにふれても、
(群魔は海なし県だし、大丈夫そう)とのんびり構えている。

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『りいこの虫は知らせてくれる?』

「……楠海トラフ地震、怖いぞなもし!!!!」

「あー、なんかTVでやってたやつ」

「めちゃくちゃ他人事ぞね!?」

「だってりいこは群魔……海なし県のレイルロオドだもん」

「海なし県! 普段はどーとも思うちょらんかったけど、こげなことになると羨ましいぞね!」

「ん?」

ちょっと不思議。だっていよのいよかん鉄道は、待山――恵媛県を走ってるのに。

「楠海トラフって太平洋にあるんでしょ? 背戸内海にまで津波とか」

「予想図じゃと来よるんよ! 津波!」

「ええっ!?」

「いよ鉄の沿線じゃと、梅神事駅とか高濱駅とか、50cm高の津波の被害を受ける範囲にはいってしまうん」

「わ」

他人事みたいに聞いてた楠海トラフ地震の話が、急におっかなくなってきちゃった。
津波、50cmでもめちゃくちゃ怖いってTVでみたし、もしもいよが乗務中とかに襲われちゃったら……

「避難とかしてくる? こっちに」

「できんでしょー。地震で交通がワヤになったら、鉄道が避難の足の唯一の支えになるかもしれんきに」

「……いよ、えらい」

「えらいことないでしょお。レイルロオドはそういう役目のもんやき。
ゆーてまぁ、地震が今日明日起こるゆー話じゃったらちくとはグラつくかもしれんけんど……実際のとこ、いつ来るかもわからん話やし」

くすって、声。受話器の向こうでりいこが苦笑したのがわかる。

「虫の知らせやら言葉ではゆーても、地震、知らせてもらえんでしょお、いくらりいこが虫博士でも」

「虫は……確かに無理かも。そういう事例、聞いたことない」

「って、虫以外ならわかりよるん?」

「有名どこだとナマズがあるよね」

「あー。暴れるゆー」

「けど、これって地震の直前っていうケースが多いみたいだから、実際はあまり役に立たないかも。
ネズミが逃げ出すとか犬猫が急に騒ぐっていうのも、おんなじくらいのタイミングみたい」

「……それってナマズやらネズミやらが、人間とかレイルロオドより早ぉに揺れを感じてるだけなよーな気がしちゃうぞね」

「多分、そんな感じじゃないかとりいこも思う。だから、もっと早く感知できる可能性があるとしたら――」

「あるとしたら!?」

「ミミズ」

「ミミズ?!」

ミミズによる地震予知。あんまり有名じゃなかったんだ。
けど、りいこ、直接的な実例を知ってる。

「ミミズがうわっと一斉に地上に出てきて、なにごと!? って思ったら数分後に地震がおきた――って話、
ケラの研究してる人から聞いたことある」

「ケラ?」

「水陸両方で活動できて、地中にも潜れる昆虫。オケラとも言う」

「あー! オケラ、って、そか! 地面の下におる分地震感じるのが早いぞね!? ミミズって」

「その可能性はあると思う。だからいよも普段から地面を見る癖つけるようにしたら、ちょっとは早く地震を感知できるかも」

「……乗務中に地面はよー見られんけんど……」

受話器の向こう、いよが真剣に考え込んでる。
だからりいこも遅れて気がつく。

ほんの数分、ううん、一分、数十秒――それだけでも早く地震を検知できるなら、列車を安全な場所に止めて地震を待ち受けられる。
トンネルの中とか橋梁の上とかを避けられるだけで、きっと被害は、かなり大幅に軽減できる。

「……予備勤務のレイルロオドに地面をなるたけ眺めてみるよーにお願いして。で、もしもミミズが大量にワっと出てきたら」

「共感で伝えればいい! すごい、いよ、いい考え! それ、頭部鉄路でも試してみる」

だけじゃなく、ランとかに話してみたら、興味をもってもらえたら、一気にいろんなレイルロオドに話が伝わるかもしてない。

そうなったら、広い区域を共感ネットワークでカバーできるようになるかもしれないから……

「試して、もしも成功したら――」

ああ、よかった。
いよの声。もう不安そうじゃない。

「レイルロオドの共感が。防災やら減災やらの、お役にたつかもしれんぞね!」

;おしまい

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いかがでしょうか?

例えば地震を予知できたとして、備えがなければせっかくの余裕もいかしきれなくなってしまうかもしれませんので――
備え、本当に大切だなぁと思います。

そんなこんななWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』。の過去話。

どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで

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それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。

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WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』として順次リリースされております。

https://x.gd/rNyIT

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