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3分で読めるレイルロオドのお話「汽子は甘味を知ってみたい」&WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第32話「客車登場、お供はすずしろ!」シーン2 ネーム&字コンテ
わたくし「3分で読めるレイルロオドのお話」は1時間あれば余裕で書けるのですが、
note記事のこの部分――まえがき部分には、下手すると数時間かかってしまうことも珍しくありません。
それが何故かを考えると――
1:誰に向けて書いてるかが明確ではない
→誰がこれ喜んでくれてるの??? というのが実感としてまったくわからない。
全員にスキップされてるような気さえする
2:ので、何を書けばいいのかがなかなか見えてこない
→それであれば「自分のために書けばいい」とも思うのだけれど、
そもそもわたくしが読むの好きなのは物語かノンフィクションかなので、エッセイに対する興味が薄い
3:結果として「書きたいこと」が浮かんでこない
→赤ちゃんの成長日記とかならまぁまぁ書きたい気もするのだけれども、
それはこのnoteにふさわしいテーマとも思えない
――というような構図になっているような気がしました。
ので、メンバーシップ掲示板に
『noteのまえがき部分で読んでみたいこと/進行豹に書いてほしいことがあれば教えてください』
という記事を作ってみました
もしよろしければお気軽にリクエストいただけましたら、もう大変に助かります。
よろしくお願いいたします!
ということで、ようやく本題に入れます。
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネームと字コンテは
先日公開の第32話「客車登場、お供はすずしろ!」のシーン1
に続きましての、シーン2となります
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日々姫のすずしろへの質問。
それがどのように「新観光列車」へとつながっていくものか――
どうぞご期待たまわれますと幸いです。
ということで、本日の短いお話は『質問と回答』をテーマに書いてみたいかと思います。
こないだりいこ・いよコンビで書いてご好評いただいたので、
今回は「紅・汽子」か「ラン・しろがね」で書いてみたいと思います。
どっちにするか――と悩ましいとこなのですが、多分紅汽子の方が数書いてない気がするので、そちらで。
タイトルは『汽子は甘味を知ってみたい』でございます。
どなたにも無償でお楽しみいただけるお話となりますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
■汽子■
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那古野鉄路ホジ6005形ホジ6016専用レイルロオド。
レトロモダンをこよなく愛するお嬢様レイルロオド。
紅とは大親友。
■紅■
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肥颯みかん鉄道キハ100形キハ101専用レイルロオド。
苦難の歴史の中で「調理」というレイルロオドには稀有なスキルを取得している。
汽子の大親友。
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『汽子は甘味を知ってみたい』
「で」
汽子っち、近い。
よーっぽどその『お願い』っていうの、切羽詰まってるんだろうなぁ。
「何をどう手伝ってあげればいいのさ」
「味覚、です」
「味覚」
「紅嬢は人間と同じ味覚を持っていると聞いていますわ。
それがはたしてどんなものかを、汽子に教えてほしいのです」
「あー」
結構、なかなかむつかしいかも。
味覚センサとか一応実装してるけど――
「味、そこまで明瞭にわかってるわけじゃないんだ、多分」
「そうですの!?」
「うん、多分人間の味覚の、何百分の一とかそういうレベルでしか、いわゆる辛酸甘苦渋ってわかってないと思うんだ」
「しんさんかんくじゅう?」
「辛い、酸っぱい、甘い、苦い、渋い――いわゆる五味、味の基本の五種類っていわれてるもの。
汽子っちがいってる『味覚』は、それプラス『旨味』を感じ取る能力のことだよね」
「……そこまで深くわかっているなら――! と、いいますか、紅嬢のお料理は人間の皆さんにも大好評だったそうですはないですか。
それなのに味覚が劣っているということは」
「劣ってるの。ボクだけじゃ味、本当にぼんやりとしかわからなくって――
だからいっつも、相棒に試食してもらってさ、めちゃくちゃ練習して試行錯誤して、味つくったの」
「ああ……」
あちゃー、汽子っちみるからにがっくり――
としかけた頭がグインってもっかい持ち上がった。
このメンタル、汽子っちだよなぁ! 大好き!
「でもでも、汽子よりは――いえ、レイルロオドの中で一番味がわかっているのはやはり紅嬢ですわよね」
「まぁ、それはそうなのかもだけど」
「なら、汽子に味覚を――せめて『甘さ』がどんなものだけなのかだけでも、ぜひとも教えてくださいまし」
「甘さ……」
味覚センサがないレイルロオドに味を教えるっていうのは、
視覚センサがないレイルロオドに色を教えるのと変わらない。
ほとんど無理! って感じに思えちゃうんだけど――
「なんでしりたいのさ、甘さ」
「マスターが大好きなのですわ、甘味を」
「へぇえ、ちょっと意外」
……どっちかっていうと辛党――というかむしろお酒大好きみたいな感じに見えるけど。
「上等とされる甘味を召し上がったとき、ね? マスター、あまりにしあわせそうなものですから。
汽子もほんのわずかでも、その気持ちを理解したいなと感じておりますの」
「そっかー、なるほど、そういうことならー」
教えてあげたい。”甘い”の感触。っていうか、幸せ。
「甘いっていうのは、温度でいったら『あったかい』に近い感じなんだ」
「甘いは、温か」
「で、感触でいったらやわらか。匂いでいったらいい匂いで、見ためでいったら、トゲトゲとかイガイガとかとは正反対の――
んーっと、すべすべとかつるつるとかそんな感じかな」
「温かで、やわらかで、いい匂いで、すべすべ」
「そ」
ってか、オウム返しにされたの聞くと、甘いって汽子っちそのものみたい――あ!
「ちょっと待って、汽子っち」
「え?」
「(はむっ)」
「えええええっ!?」
あー、やっぱり。汽子っちのほっぺ、食感、かーなーり”甘い”に近い。
ってことは紅のほっぺも、汽子っちほどじゃないかもだけど――
「これ、かなり甘いに近いからさ、汽子っちもほっぺ、 紅のちょっとはむってしてみてよ」
「あうっ――ええと、その……です、ね」
「?」
汽子っち、真っ赤。
どうしてか、目をあわせてくれない。
「汽子、わかったような気がいたしますの」
「わかったって、なにが?」
「その、紅嬢にほっぺをはむってされたとき……」
ふうっ、って、なんだかしめっぽい息。
汽子っち、やっと紅のこと、上目遣いでだけど見てくれる。
「甘さ、感じた気がしますの」
;おしまい
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いかがでしょうか?
ちゃあんと甘いお話に書けていればいいのですが!
そんなこんななWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』の過去話。
どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで
それ以降のまとめはメンバーシップ特典で
それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
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また『レイルロオド・マニアックス』の掲載時には、紹介されているレイルロオドの設定画や三面図などの資料で存在するものを公開していきたく思っております。
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【製品版 WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』のご案内】
本noteでネーム連載をしております『レヱル・ロマネスク0』の完成品は、
WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』として順次リリースされております。
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