12月9日(土)冬戦争10日目

 カッリオ大統領は、世界中全ての国家の元首に手紙を送ることを考えていることを明らかにした。これはフィンランドの窮境を訴え、同情を得ようとするものであった。しかし、タンネル外相は、この日の政府外務委員会の会合でこの件を取り上げ、この計画は非現実的であるとして繰り延べることを求めた。これに対してカッリオ大統領は、スウェーデン王にのみ手紙を書くことを提案した。これはスウェーデン王を通じてヒトラーに影響を及ぼし、その助けによってソ連との交渉に結び付けようと意図したものだった。

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