世界の武勲艦 5 軽巡洋艦「ホノルル」ソロモンを戦い抜く

◆軽巡洋艦「ホノルル」
 1935年12月9日、軽巡洋艦「ホノルル」は、ニュージャージー州カムデンのニューヨーク造船所で起工され、進水は1978年8月26日、1938年6月15日に就役した。1930年のロンドン海軍軍縮条約の枠内で建造された、基準排水量1万トン、6.1インチ以下という制限の下建造された、いわゆる条約型軽巡洋艦の「ブルックリン」級の1艦である。同級は1933年度計画で4隻、34年度計画で3隻、35年度計画で2隻(若干設計が変更されたためこれを「セント・ルイス」級とする場合もある)が建造されたが、「ホノルル」はその7番艦となる。
 「ブルックリン」級建造にあたって、米海軍は当初は5インチ砲3連装砲塔4基12門を装備するいっぽうで、重巡にも対抗できる重防御とすることM考えた。しかし、日本の31年度計画で建造された最上型軽巡洋艦の情報により、主砲を同様に5基15門を搭載することに計画変更された。条約の10000tの枠と対152mm砲防御を満足させるため、重量の軽減には苦労したと言われる。
 船体形は、航洋性に優れた高い乾舷を持つ平甲板型で、主砲配置は日本の「妙高」型と同じく前部に3基ピラミッド型に、そして後部に2基背負い式に配置した。魚雷兵装は装備されず、航空兵装は艦尾にまとめられ、船体内に格納庫が設けられていた。カタパルトは2基、艦尾に揚収用クレーンがある。搭載機は4機である。
 高角砲は上構左右に、127mm単装砲8門を装備していた。機関配置は「ニュー・オーリンズ」級以来の、全長短縮のためシフト配置が断念されたままだった。実際全長185.4mというのは、日本の同クラスよりずいぶん短い。速力は初期の計画では35ノットが予定されたが、計画変更により32.5ノットに留まり、これは日本の条約型より遅かった。

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