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チーム水樹の粋な心意気――水樹奈々『SCARLET KNIGHT』を例に

こんにちは。かみなりひめです。

早速ですが、

水樹奈々さん
歌手デビュー20周年
おめでとうございます!

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(懐かしのLIVE FLIGHT

水樹奈々さんとの出会いが、
たくさんの素敵な人たちとの
巡り合わせに繋がっていました。

ライブのときにいつも集まって、
楽しみを分かち合える友人たち

そして、お奈々さんのサポートバンド
チェリーボーイズの皆さんとの出会いも
大切なものです。

そんな水樹奈々ファン人生を振り返り、
チーム水樹の心意気に涙した出来事について
備忘録的に記してまいります。

そんな今回の話題の中心たる曲は、

SCARLET KNIGHT

01. そもそもどんな曲?

「SCARLET KNIGHT」(スカーレット・ナイト)は、水樹奈々の23枚目のシングル。2011年4月13日にキングレコードから発売された。

水樹奈々さんもリコッタ・エルマール役で
出演されたアニメ『DOG DAYS』のOPという
タイアップもついた楽曲です。

DOG DAYS』は続く2期・3期もお奈々さんがOPを
担当しています。

それぞれ『FEARLESS HERO』と『No Limit』という
夏のライブではそれ相応のセットリスト位置を
与えられた曲たちになっています。

LIVE ISLAND 2018のアンコール前ラストが
FEARLESS HERO』でした。

また、東京ドームでのLIVE GALAXY 2016
映像が(違法に)Twitterにアップロードされた際、
東京ドームの端から端まで、歌いながら駆け抜ける
お奈々さんの姿
に称賛の声がありました。
この時に歌っていたのも『FEARLESS HERO』。

また、『No Limit』は続くLIVE EXPRESS 2019
アンコール後の最初の曲であったり、
LIVE ADVENTURE 2015幕開けを飾りました。

これら二曲と比べると、『SCARLET KNIGHT』は
同じアニメのOPでありながら、
『DOG DAYS』の曲、というイメージは
希薄
なのではないでしょうか。

今回は、そのことについて触れてみます。

02. 渡辺格さん、そして菅井えりさん

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(キーパーソン・渡辺格さん)

ここまで、『SCARLET KNIGHT』という
曲について紹介してきました。

ここからは、この『SCARLET KNIGHT』に
まつわるキーパーソンとして、
お奈々さんのサポートバンド・チェリーボーイズ
ギタリスト・渡辺格(わたなべいたる)さんを
取り上げてみたいと思います。

実は私がチェリーボーイズの皆さんが開催している
ライブに参加するきっかけとなった方の一人

たまたま、このライブの告知を発見したのです。

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このライブを契機にして、
少しずつチェリーボーイズ
ライブへの参戦回数は増えていき、
"格さんの奥様" として菅井えりさんのことを
認識しておりました。

そして、水樹奈々ワークで言えば、
この『SCARLET KNIGHT』のコーラス
担当されているお人であるとも
把握していたのです。

そして、あのライブを迎えます。

NANA MIZUKI
LIVE THEATER 2015
-ACOUSTIC-

余談ですが、このライブから
中島オバヲさんが参加されたときには
それはそれはとても驚きました。

あ! Eritalライブで見たことある!」と。

このライブでは、人間の声すらも
アコースティック楽器のひとつであるとして、
コーラス隊が組まれ、アレンジもなされる
ことになりました。

その、コーラス隊・コーラスアレンジ
リーダーを務めたのが、菅井えりさんでした。

先程のオバヲさんの件ではないですが、
あんなに至近距離でお目にかかった人たちが
ステージで素敵なサウンドを届けている

そんな夢のような光景に、
ただただ恍惚の思いに浸っていました。

この後に起こっていくことなんて
つゆほどにも予測できなかったのです。

03. 格さんの不在、そして。

時は流れて、2016年
この年は、水樹奈々さんにとっては
チャレンジの連続でした。

まず、東京ドーム2days開催となった
LIVE GALAXY 2016の存在。

そして、このステージで発表された
水樹奈々初の甲子園球場でのライブである
LIVE PARK 2016の存在。

阪神ファンであるお奈々さんにとって
まさに夢の舞台である甲子園ライブ。

巨人の本拠地と阪神の本拠地
二つの大きな会場で行われた二つのライブ。

両方とも、格さんは
完全参加とはならなかったのです。

ギタリストについては、
LIVE GALAXYでは、北島健二さんに加え
中村修司さんと市川祥治さんという
初代チェリーボーイズを交えての布陣。

さんは途中からの参加となりました。
GENESISでは『still in the groove』、
FRONTIERでは『DISCOTHEQUE』からでした。

LIVE PARKでは北島さんと修司さん体制。
さんは観客席からの応援でした。

お奈々さんには人一倍思いが強いのが
イタルビッチこと渡辺格さん。

この裏では、えりさんの病気が発覚し、
着実に進行していたのでした。

今回はやや急浮上の公演により、当初オファーされた段階では初日スケジュールがNGの状況でした。しかし年が明けてそれが大丈夫になり(よくあることではあります)、さらに同時にえりさんの病気が発覚したことも重なり、自分の出演自体大丈夫か、という懸念が生じました。しかしバンド、チェリーボーイズの事を取りまとめる、矢吹氏と奈々さんら首脳陣の愛ある計いの元、とてもスペシャルな形にて参加する事が出来ました。

2017年の冬ツアーである
LIVE ZIPANGU 2017さんの参加が
見送られること
も発表されたなか、
11月、とあるお知らせが届きます。

さんとえりさんのユニット・Erital
夏は高円寺Showboatで、
冬は三軒茶屋GRAPEFRUIT MOON
ライブをするのが恒例でした。

えりさんの病状が危ぶまれるなか、
ご本人たっての希望で開催の運びであると。

そして当日。

えりさんご本人はステージには
立てなかったものの、えりさんの歌声に
さんとベース・岡沢茂さんが合わせて
演奏を届けてくださいました。

ライブの終盤には、
えりさんからのビデオメッセージが。

ファンへの感謝とともに
えりさんの口から出た言葉
今でも忘れられません。

生まれ変わっても格くんと一緒がいい

これほどまでに渾身の愛の言葉
他にあるのでしょうか。

周囲からも聞こえてくる啜り泣きの声。
私も例に漏れず、涙が頬を伝いました。

そして、2016年12月21日。
菅井えりさんは旅立たれたのでした。

この訃報に際し、水樹奈々さんは
ブログにてコメントを発表。

常にお互いを思い合い、2人で病に立ち向かう姿に、
愛の奇跡を何度も感じていました。

その「愛の奇跡」のほんの一部だけですが
お二人の軌跡を見ていた者として、
とても共感することができるコメントでした。

04. 「私と一緒に歌ってください!」

そして、格さん不在のままに
始まったLIVE ZIPANGU 2017

あっという間に千秋楽公演、
さいたまスーパーアリーナへと
チーム水樹はたどり着きます。

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さて、ライブツアーというものは、
千秋楽に従ってセットリストも段々と
完成していくモノです。

千秋楽公演ともあれば、基本的には
これまで歌ってきたセットリストの中でも
円熟した曲たち、あるいは映像化に耐えうる
曲たち
を選んでくるはずです。

そこに突然、今までのライブツアーで
歌っていなかった曲
が出現したら、
皆さんはどう思いますか?

なぜ急にこの曲?
と、疑問を抱くに違いないでしょう。

実際、さいたまスーパーアリーナ初日
私も同じ感想を抱きました。

ライブ終盤に差し掛かり、
会場は『ヒメムラサキ』や『悦楽カメリア』と
いった和テイストの曲に彩られます。

ヒメムラサキ』からは、
ギタリスト・市川祥治さんも参加され、
会場はさらにヒートアップしていきます。

この和テイストコーナーが終わると、
Don't be long』や『ミュステリオン』、
UNLIMITED BEAT』などのよりアツい曲が
待ち構えているコーナーに突入するはずでした。

ところが、そこで始まった曲こそが、
SCARLET KNIGHT』でした。

ですが、この時はまだ「?」ではなく
むしろ「!」だったのです。

なぜならステージには、
渡辺格さんの姿があったからです。

格さんの復帰だ!
私の心は、いやファンの心は
沸き立ったのです。

そして冷静になって考えるのです。

え? なんでここでスカナイ?

脈絡がなかったのです。
ここまでのZIPANGUツアーにない曲であり、
あまりに唐突に聞こえたのです。

真紅のサイリウムを振る手を止め、
考えてみたのです。

・渡辺格さんの復帰
・ここはさいたまスーパーアリーナ
・曲は『SCARLET KNIGHT』

すべてを理解したとき、
自然と涙が溢れ出してきたのでした。

前回、このさいたまスーパーアリーナ
SCARLET KNIGHT』を演奏したとき。
それは、LIVE THEATER 2015でした。
その時のコーラスリーダーは?

他でもない、菅井えりさんへの
想いを込めた『SCARLET KNIGHT』でした。

一日目は二年前のLIVE THEATER公演で、えりさんがアレンジ&コーラスリーダーを務めた「SCARLET KNIGHT」をセトリに加えて頂き。奈々さん&チーム水樹の心遣いに本当に感じ入りました。連日えりさんも楽屋入り。ありがとうございました。

ライブで披露するためには、それなりの
リハーサルをして挑むのが当たり前。

それなのに、突発の復活に対応し、
格さんを迎え入れてくれたチーム水樹

さすがだなぁ、と感じ入りました。

しかし、さらなる感動はここからです。

この『SCARLET KNIGHT』の前奏にて
お奈々さんはこう叫ぶのです。

みんな、私と一緒に歌ってください!
いくぜ!『SCARLET KNIGHT』!

以前、『深愛』を対象にして、
お奈々さんにはシャーマンの才覚がある
述べたことがあります。

この記事でも引用した、チェリーボーイズ
ベース担当・坂本竜太さんのコメントには、

お奈々さんは言わば、現代のシャーマンですね。たくさんの人達と気のやりとりをしてひとつにできる人です。

とあります。

前掲したさんのブログに、
えりさんのご遺影を持参されたことが
書かれていたことを踏まえると、

お奈々さんが「歌ってください!」と
呼びかけた相手は、他でもなく
菅井えりさんだったのではないか?

私は、そう思わずにはいられないのです。

アニメ『DOG DAYS』のOPとしてではなく、
お奈々さんと格さん・えりさんの絆を示す曲に
SCARLET KNIGHT』は昇華されたのです。

05. おわりに

ここまで、『SCARLET KNIGHT』が
水樹奈々さんと渡辺格さん・菅井えりさんとの
絆が魅せる物語という別の姿をまとったことを
述べてきました。

これからも、『SCARLET KNIGHT』を聴けば
私はえりさんと格さんのことを思い出すのです。

そんなお二人が最後に出したアルバム

ぜひお手に取ってみてください。

そして、これからも
ファンを、サポートメンバーを、
スタッフを、そして家族を
大切にする水樹奈々であってください。

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