前景化する坂本竜太――水樹奈々「Don't be long」
こんにちは。かみなりひめです。
今回のヘッダーはもちろん坂本竜太さん。
羽田空港LDH kitchenのときのお写真です。
さて、まずはこちらをご覧ください。
シングル『PHANTOM MINDS』に収録された『魔法少女リリカルなのは THE MOVIE 1st』挿入歌。
それがこの「Don't be long」です。
作詞・作曲は矢吹俊郎プロデューサー。さすが。
ところが、です。
この映像の「Don't be long」
個人的にはあまり刺さりませんでした
先に申し上げておきますが、
私は「Don't be long」が大好きです。
当然、LIVE CASTLE 2011が嫌いなわけでもなく。
では、なぜ刺さらないのか?
まずはこの点に言及していきます。
「Don't be long」の魅力とは何か? を考えます。
着地点は「NEXT ARCADIA」の時のnoteと同じ。
水樹奈々のライブにおける
バックバンド・チェリーボーイズの
扱いの変化について
この二点について触れていきます。
さて、「Don't be long」はタイアップのある楽曲ですから、タイアップと歌詞とのマッチが魅力です。
劇場で聴いたときからずっと涙が止まらなくなるほどには、『リリカルなのは』の世界に合っていました。
しかし、当然それだけではなく。
坂本竜太さんのベースソロ
これが大きな魅力のひとつです。
数ある竜太ソロ曲のなかでも断トツで好きです。
例を挙げてみましょう。
「POP MASTER」あたりは特に有名でしょう。
近年の曲だと「君よ叫べ」もそうですね。
これらの曲とは明確な違いが
「Don't be long」にはあるのです。
普段は楽曲の縁の下の力持ちである
ベースとドラムが前面に出てくる
「Don't be long」のソロは、ドラムス・渡辺豊さんからのベース・坂本竜太さんと続いていきます。
一方、「POP MASTER」では、ギター・渡辺格さんからの北島健二さんときて、サックス・藤陵雅裕さん(あるいは、ヴァイオリン・門脇大輔さん)を挟んで坂本竜太さんに回ってきます。
「君よ叫べ」では、一番サビの後に坂本竜太さんソロが入り、間奏では門脇大輔さんがヘッドバンキングしながらの演奏を披露します。
つまり、
「Don't be long」以外は、メインのサウンドを創っていくメンバー達と竜太さんはソロをしていくのです。
縁の下の力持ちが前面に出てくるとき、どのような演奏になるのか――そういう期待を背負ってのソロになっているのです。
では、改めて映像を観てください。
特に、間奏の2:55辺りにご注目ください。
ソロになっているように
見えないのです。
これより以前に「Don't be long」が演奏されたLIVE ACADEMY 2010では、ハッキリとソロ演奏で目立つことが明らかになっていたのに、LIVE CASTLE 2011ではそれがなかったのです。
なぜソロ演奏だと分かるか?
それはいたって簡単な話です。
チェリボの誰かが目立つとき
水樹奈々さんはそのメンバーの
名前を呼んでいるのです
この「Don't be long」であれば、
「ゆたぽん!」「りゅーたん!」と呼ぶはず。
そんなシーン、ありましたか?
とはいえ、水樹奈々さんも人間です。
忘れちゃうことだってあるのは事実です。
たとえば、いつもソロをやっているメンバーとは違う人がその部分の演奏を行うとき。
(近年は、渡辺格さん→中村修司さんのパターンが多いような気がする)
ときどき、「しゅーちゃん!」と呼んでいないシーンを見かけることがあります。
しかし、「Don't be long」は通常メンバーです。
呼び忘れることがあるのでしょうか……?
しかし、これだけではありません。
しつこいようですが、もう一度映像を。
竜太さんのベースソロの
サウンドはどうでしたか?
個人的には、物足りません。
あの方は、もっとやかましい(褒め言葉)プレイができる方です。褒めてますよ。
ということで、
これ以降の「Don't be long」を確認しましょう。
まず、LIVE FLIGHT 2014。
このときの竜太さんは、花道のセンターステージでソロ演奏を行うことになります。ベースに接写するカメラも、前回述べたような意識に基づくものでしょう。
そんなベースはAtelier ZのBetaと思しい一本。
Atelier Zのベースは、以下のように語られます。
まず特筆したいのは”弾きやすさ”。どのモデルもベーシックな部分として高いプレイヤビリティを備えています。例えば、フレットには太くて高さのあるものを採用し、また出荷時の弦高も他メーカーに比べて低めに設定されることが弾きやすさにつながっています。
また、もう1つ挙げたいのが立ち上がりが速くかつ音圧感のあるシャープなサウンド。プレイヤビリティの高さと共に扱いやすく高品位なサウンドがあるからこそ、あらゆるミュージシャンにとって使いやすいベースとして高い完成度に仕上がっています。
LIVE FLIGHT 2014の「Don't be long」における竜太さんソロは、確乎たるボトムと乗りまくるスラップが突き抜けるように刺さってくるものになっています。
圧倒的に一番好きです。
続いて、LIVE ZIPANGU 2017。
入れ替わり枠だったので、千秋楽で拾えて一安心し覚えがあります。
終盤も終盤での「Don't be long」。
会場内もすっかり暗くなってからということもあり、ソロ演奏を担当した竜太さんと豊さんにはしっかりとスポットライトが当たっていました。
ベースは竜太さんが「五弦にしては軽くて使いやすいんだよね」と称していたベースなのですが……メーカーどこだっけ?
ただ、「軽い」のはサウンドも然り。
FLIGHTの時よりも重厚感が薄れたような気も。
さて、「Don't be long」を概観してきました。
FLIGHTもZIPANGUも実際に観ていただければ分かるかと思いますが、少なくともCASTLEの時よりは竜太さんと豊さんが「ソロ演奏」をして目立っているのが視認できるかと思います。
また、ソロ演奏の時のサウンドもより際立つようになっています。
これも
チーム水樹の映像編集方針の変更と
言えるのではないでしょうか?
ここでチェリーボーイズのスーパープレイを際立たせることが、それぞれのミュージシャンのライブへとファンを向かわせ、水樹奈々さんのライブでの新たな楽しみ方として「チェリーボーイズの演奏」をファンに与えているのではないでしょうか。
私自身、大学生時代から坂本竜太さんをメインにして、チェリーボーイズのメンバーそれぞれの音楽を楽しんできました。
もちろん、彼らそれぞれの人生で流れてきた(演ってきた)音楽たちも沢山吸収してきました。
その結果、思うことはひとつです。
チェリーボーイズって凄いな。
そんなチェリボを従える水樹さんも
やっぱり凄いんだな。
彼らの演奏をライブで観て、
さらに映像でもその凄さを思い知って、
ますます「チーム水樹」にハマる。
そして、バックバンドが前景となるとき、
また深みに誘われるのです。
この循環を創り出すきっかけになったのが、
私は「Don't be long」でした。
竜太さんの参加していたとあるライブ。
2ndステージ幕開けすぐに竜太さんが「Don't be long」の前奏を弾いていたことがありました。
伺うと、竜太さんも「Don't be long」はお気に入り。
「ドンビロいいよね!」と語っておられました。
そんなことも相俟って、「Don't be long」にはうるさい水樹奈々ファンになってしまいました。笑
皆さんもぜひ
「チェリボの前景化」という観点から
お気に入りの楽曲だけでも
歴代ライブ演奏を聴いてみては?
(このお三方のライブによく行きます)
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