蓮ノ空から学ぶ文字・表記➂
こんにちは。かみなりひめです。
本日のヘッダー写真はこちらから拝借。
せーの! \くるすりんさんだー!/
???「もういいよ!くるすりんさんで!」
‥‥茶番はここまでにして。
これいつの生放送でしたっけね?
さて、今回の記事はそんな(?)来栖りんさんの、
3rdライブでのご発言に端を発するモノです。
その発言というのは以下の通りです。
そうだよなーうんうん‥‥って思いながら
聞いていた私の耳に残る少しのざらつき。
その正体は、紛れもなく
「幕間」という漢字の訓みにありました。
「え? それって ”まくあい” じゃない?」
という違和感が、その正体でした。
1. 辞書を引いてみよう
まずは、この「幕間」という語を
国語辞書などさまざまな辞書を引きながら
調べてみたいと思います。
辞書によって記載はまちまちですが、
本来的に「まくあい」の訓が正しいことは
すべての記述で共通しています。
デジタル大辞泉は「誤用」とするのに対し、
日本国語大辞典は「俗用」程度にとどめています。
そして歌舞伎事典は「まくあい」の項は存在せず。
ここで私が申し上げたいのは、
「わー来栖りんさんの日本語は間違ってる!」
ということではありません。
なぜそのような「誤用(俗用)」が起きたのか?
という背景にもう少し焦点を当ててみましょう。
2. 常用漢字表と表外読み
さて、この日本という国においては、
日常生活のなかで使用する漢字の目安として
「常用漢字表」なるモノが存在しています。
小学校や中学校で習う漢字は、基本的にこの
「常用漢字表」の中に存在しています。
いっぽうで、常用漢字表にある漢字だけで
日常生活で使うあらゆる語をカヴァーできるか
というと、実はそんなことありません。
ニュースや新聞などにおいても
「破綻」を「破たん」、「改竄」を「改ざん」と
表記しているのを見たことがあるでしょう。
これは、「綻」字・「竄」字ともに
常用漢字表に掲載されていないがゆえに生まれた
表記の形態であるといえます。
また、常用漢字表に載っている漢字でも、
ある特定の読み方だけは常用漢字表に不掲載、
という場合もあるのです。
(こういった読みを「表外読み」といいます)
今回の問題である「幕間」に関して言えば、
「間」という字は常用漢字表によると、
「あいだ」「ま」の訓が認められています。
つまり、常用漢字表の範囲において
「幕間」の文字列を訓もうとすると、
「まくあい」ではなく「まくま」になってしまう
というのが真相のようです。
常用漢字表に慣れ親しんだ民たちが、
「幕間」を「まくま」と訓んでしまうのは
無理ではない話ということになりますね。
ちなみに、
「間」字を「あい」と訓む他の語句には、
我々がライブなどで入れているあの行為の名称も。
それこそ、「あいのて」。
「合いの手」が一般的ではありますが、
「間(の)手」とも書くことができます。
大槻文彦による明治期の国語辞書『大言海』は、
語源を「間手事(あいのてごと)の略」と説明します。
やはり、舞台や演劇の世界で用いられはしても、
一般生活的には慣れない訓みなのでしょうね。
3. おわりに
NHKが全部まとめてくれていました!
こういう「ことば」に関する疑問の返答は
さすがはNHK‥‥!という感じです。
アクセント辞典なども良いモノですしね。
よ!というわけで!
このまま過去記事もどうぞ!
思い返せば、どっちもあにょじ絡みでしたね‥‥。
そしてこの記事もある意味あにょじ絡み。
ということは、
あにょじ(くるすりんさん)は日本語について
考えるきっかけを我々オタクに与えてくれている
‥‥のかもしれない(天才) 【Q.E.D.】