スクスタを送る文(ふみ)
こんにちは。かみなりひめです。
もう7月なんですね……。半年終わった……。
さて、6 月も終わりを迎えてしまい、
夏がギアを入れ始めた今日この頃。
一方で、6月末で終わってしまったモノもあり。
ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル
ALL STARS(スクスタ)
約 3 年半の間、お疲れ様でした!
μ’s、Aqours、虹ヶ咲の 3 ユニットによる
リズムアクション RPGとしてリリースされた
新アプリゲームが、このスクスタでした。
過去、私もさまざまな観点から、
スクスタに関する記事を書いてまいりました。
今回は、「スクスタを送る文(ふみ)」と称して、
その功罪両面を改めて見てゆきます。
1. スクスタの功績
「ラブライブ!」シリーズのアプリゲームには、
音ゲーの始祖のひとつである「スクフェス」が
ありました。
また、「ラブライブ!」版ツムツムといえる
「ぷちぐるラブライブ!」もありましたね。
これらに次ぐ、3 つ目のアプリゲームとして
「リズムアクションRPG」というカテゴリで
リリースされたのが「スクスタ」でした。
もちろん、「ラブライブ!」シリーズの楽曲を
プレイするという要素はありつつも、
主人公たる「あなた」が主に虹ヶ咲の面々と
関わりながら物語が進んでいくという流れが
その中心にありました。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会にとっての
主な活動拠点となったスクスタは、
虹ヶ咲のアニメ化に際し、「あなた」ちゃんに
名前を附すこととしたわけです。
その「あなたちゃん」こそ、
今日の高咲侑であることは周知の事実です。
スクスタがなければ、高咲侑というキャラにも、
そして中の人の矢野妃菜喜さんにも、出会う
ことはなかったわけです。
さらに、虹ヶ咲当初の9人から、
R3BIRTHの3人が追加されたのも、
このスクスタ発の出来事でした。
これによって、従来の
ラブライブ!=9人という固定観念を
取っ払うことにもなりました。
そして、スクフェスと比較した際の、
ゲーム性の向上もたいへん画期的でした。
ノーツをただタップするだけではなく、
それによってSpゲージを溜め、Sp特技を
発動すると大きくボルテージを稼げたり、
ノーツタップで減っていく体力を、回復や盾で
うまくセーブしないといけなかったり……。
また、各キャラの属性はスクフェス時代から
倍になって全部で6属性となり、
タイプも合計で4つになりました。
それぞれのキャラには「個性」とならんで
「ひらめきスキル」を付けることもでき、
戦略の幅が大きく広がりました。
それと呼応するように、プレイできる楽曲に
ついても、様々な特性を持つようになりました。
ノーツダメージがとても大きい楽曲、
短い間を縫ってアピールチャンスが連続して
やってくるような楽曲などなど……。
クリアするためには、その楽曲の特性に応じた
チーム編成が求められるようになりました。
後には、
「スクールアイドルチャンネル」などの
新機能も続々と実装されてゆき、 スクフェスとは異なる遊び方のゲームとしての地位を築きました。
2. スクスタの問題点
スクフェスと比した時のゲーム性向上、
虹ヶ咲への新規メンバー加入といった
功績をもたらしたスクスタ。
ですが、同時にスクスタは、
数々の批判にさらされ続けてもいました。
その最たるものは、
鐘嵐珠が加入するまでのシナリオでしょう。
三船栞子が加入した10人の虹ヶ咲。
その内部を分断するかのようなかたちで、
強権的に「同好会」の活動を妨害する嵐珠。
「練習ができるなら」「高みを目指したいから」
と嵐珠の作った「部」へと移ったメンバーは、
登場キャラからもファンからも裏切者という
烙印を押されることになりました。
そして、挙句の果てに、
嵐珠がそのような行動に至った原因を
「友達になりたかったの」という言葉に
帰結させてしまいました。
なかば強引に、嵐珠に同情をさせるような
シナリオへと舵を切ってしまい、
結果的に嵐珠は「同好会」へと加入することに。
また、嵐珠にヘイトが向かう一方で、
嵐珠の楽曲制作を担っていたミア・テイラーは
その背景が掘り下げられることもあまりなく、
天王寺璃奈とのカップリングだけを作って加入
ということになりました。
当初の三船栞子加入シナリオよりも、
「同好会」に対して明確な“NO”を突き付けた
そのシナリオは、当然非難の嵐でした。
このようなシナリオは、ある意味で
画期的な試みだったのかもしれません。
ただ、今まで「9人で1つのユニットである」
という意識で「ラブライブ!」を応援していた
ファンからは、メンバー内部の分断や対立を
煽っていくシナリオは到底受け容れられるもの
ではありませんでした。
また、ゲーム性の向上についても、
そのあまりに急激な変化に戸惑うユーザーも
多かったのではないでしょうか。
ただ単純にノーツをタップしていればいいだけの
ゲームではなくなり、同時に画面内の複数の
要素に気を配らなくてはならない点。
また、同じ Spタイプのキャラであっても、
「Spゲージを獲得する」特技のキャラや、
「次のSp特技で得られるVoを増加させる」
特技のキャラなどがいて、使い分けに困る点。
これら挙げられるような、ゲーム性の変化に伴う
追加要素の多さに対して「難しい」などと
捉えられてしまったのです。
また、プレイ環境が大きく変動し続けたのも、
ある意味では「一強」を作らずに済んでおり、
有益であったという側面を持ってはいるものの、
その激動ぶりに困惑の声もありました。
Vo値が高いキャラクターでスコアを稼ぐ、
Spゲージを溜めまくってSp特技を連発する、
クリティカル率を上げたり、1回のタップで
得られるスコアの上限を引き上げたり‥‥。
そして、たとえ同じ楽曲であったとしても、
「上級+」「チャレンジ」など楽曲難易度によって
戦略や属性が異なることもしばしばでした。
これら戦術の幅が、およそ 1 年経たないうちに
急激に変化をし続けていた結果として、
環境対応していたはずの編成が次第に頭打ちに
なり、勝てなくなってしまいました。
となると、ガチャを引いていくなかで、
現環境トップで強いキャラを引いたところで
汎用的に強いということはない場合が多いのです。
こういった点から、
スクスタは次第に「人を選ぶ」ゲームへと
なっていったという感があります。
私も、メインシナリオへの興味は全くなくなり、
惰性でデイリーの課題を毎日こなしつつ、
そこそこに各種イベントを頑張っていくという
プレイスタイルでおりました。
3. おわりに
上記のどれを眺めてみても思うのは、
スクスタはどれも「尖っていた」のです。
その鋭さが増せば増すほど、
どこかしらから批判を受けることは免れません。
この「尖っていた」ということが、
スクスタの長所にして短所だったのではないか
と思う今日この頃でした。
そして、ここからは自戒を込めて書き綴ります。
昨日の「スクスタ運営だより」にもある通り、
今後「ラブライブ!」シリーズのアプリゲームは
スクフェス2へと集約されます。
だからといって、
「じゃあスクフェス2を楽しもう!」とは
残念ながら感じることができないでおります。
ガチ勢ほどではないにせよ、
スクスタを数年間プレイしていた身としては、
スクフェス2ではやはり単調に感じてしまうのです。
もちろん、無印スクフェス時代と比較すれば
様々な要素に進化を感じることができます。
しかし、
スクスタよりも戦略の幅も限られており、
衣装の着せ替えができないなどの制約もあり、
楽曲解禁の喜びすらも味わうことができず、
排出率の低さからガチャを引くモチベもなく……。
そもそも、音ゲーとリズムアクションRPGでは
ゲーム性が異なるのでどうにもなりませんが、
どうもスクフェス2に気が向かないのです。
……と、ここまでひとしきり考えを巡らせたとき、
ついに思い至ってしまったわけです。
「単調なら単調だと文句を言い、
複雑だと複雑だと不満を募らせるなんて
なんと身勝手なことだろうか」
もちろん、批判されるべき点には
声を上げて然るべきであろうと思います。
ただ、適度に単純明快なシステムを引きながら、
ユーザーを飽きさせない複雑を持たせるというのは
コレほどまでに難しいのだな、、、と。
いずれにせよ、スクスタが唯一無二のゲームで
あった事実は揺るぎなくそこにあります。
ありがとう!スクスタ!