日本語学の輩、楠木ともりを探る
こんにちは。かみなりひめです。
ヘッダーは楠木さんの新ラジオ番組のTwitterから。
本渡楓さんとの番組がなくなってしまったので、
「文●放送はともりを見切ったのか……?」なんて
思っていたらまさかの1時間番組。さすがである。
さて、この番組
「楠木ともり The Music Reverie」の
公式サイトを見てみましょう。
声優・楠木ともりさんが、普段のお仕事やプライベートで感じたことはもちろん、大好きな音楽についてもたっぷり話していくTALK&MUSICプログラムです。
Twitterでは、その日のプレイリストや
スタジオ生ライブの動画までもをアップ。
意気揚々と動画を見るワタクシ。
しかし、
首をかしげる結果になりました。
この「僕の見る世界、君の見る世界」については以前もnoteに記したことがあるのですが、
決定的に不自然な部分があるのです。
1:03~に注目ください。
車窓から覗く君が 眩しい
この楠木ともりというお方は、
「車窓」を「シャソー」ではなく
「シャソウ」と発音するのです。
かなりハッキリと「う」音を出しています。
スタジオ生ライブではどうなんだろう?と思って
動画を見てみたところ、こちらも同じ。
「シャソー」ではなく「シャソウ」でした。
ここに、日本語学の輩としての
血が騒ぎました。
実はこの「う」は、「う」と表記しながらも
「う」とは発音しないものだからです。
この「う」の音は「長音化」したもので、
前の母音の音を伸ばす役割を持っています。
カタカナとともに書かれるときは「-」(伸ばす記号)で書き表しますが、ひらがなの場合は、前の母音の行によって書かれ方が変化するのが特徴です。
日本語教師向けの書籍にも、同じ記述があります。
つまり、発音としては
「シャソウ」ではなく
「シャソー」が自然な日本語
であるといえます。
ちょっと専門ぶって表記しますと、
[∫asou] ではなく [∫aso:]が正しいのです。
とはいえ、
楠木さんの日本語がおかしい!
なんてことを主張したいわけではありません。
これを聞いた私は、あることを思い出します。
こういう不自然な発音は、
駅の自動放送にとても多いのです。
およそ、機械が文字を読み取っているので、
「う」が長音化したものなのか否かという判別が
正確にはできていないのでは、と推測されます。
「もしかして……?」と思った私は、
当たれる限りの楠木さんの音楽的来歴を辿りました。
そして、見つけたのです。
―音楽の経験はあったんですか?
楠木 3歳からピアノを習っていて、演奏することは好きでした。それで中学校の時は吹奏楽部に入って、高校では軽音楽部でした。
―軽音楽部では何を?
楠木 ボーカルです。アニソンやボカロを歌っていました。ここで人前で歌うことの楽しさを知って。
機械的日本語音声を若者が聴く機会。
ボーカロイドが影響しているのではないか?と。
ただ、ボカロも入力方法によっては
長音や二重母音なども上手く歌わせることが
できる、という記事を見たことがあります。
どのぐらいの楽曲を聴いていたのかは不明ですが、
彼女の音楽遍歴がボーカルとしての歌い方に影響した
というのは可能性としてゼロではないはず。
ましてや、文化庁の国語審議会の報告を見ると、
長音として発音するかは半々であるようです。
ですが。ですがですよ、
こんな些細なひとつの発音から
その人の音楽遍歴を辿れれば
意外と面白くないですか?
そんな楠木ともりさんの音楽遍歴が垣間見える
「楠木ともり The Music Reverie」は、
毎週金曜日25時~26時に文化放送でオンエアです。
(Twitter:@tomori_tmr)
「楠木ともりって天才だよな……」と思っている人、
「楠木ともりって何がすごいの?」と感じている人、
ぜひ、聴いてみてください。
radikoのタイムフリー機能でも聴けますよ。
【追伸(補遺)】
楠木ともりさんの
「元気を出したい時に聴きたい曲」。
まさかのEarth, Wind & Fire『September』。
思わず感嘆してしまいました。
坂本竜太さんを通して知ったEWF。
「まさか、ともりからEWFが出るとは……!」と。
やはり楠木ともり、天才です。
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