OP-XYが出た・・・
出ましたOP-XY
出ましたねOP-XY
いきなりネガティブから入りますけど僕の第一声は「た、たけぇ」でした。
元々TeenageEngineering(以下TE)のフラグシップ機、ある程度高いだろうと予想はしてたものの、正直予想の2倍高かった。
2.299ドルが日本円にして税込み398,000円だそうで。ほぼ40万円。40万円・・!
価格に見合う製品なのか
デザイン
まずはデザインね。これはもう100点だなと僕は思います。40万のうちデザインで5万~10万出してもよいと思えるくらい美しいデザインだと思います。
色。ここに来ての黒。TEの製品て明るい色使いが多かったですからね。満を持してのブラックカラーですね。
そしてボタン類の整然とした並び。元からここはグリッドデザインですからある程度予想はできていたけどギリギリまで詰め込みましたね。こんだけ詰まってると若干操作面で心配もあるけど。
僕はElektronのデザインも好きなんだけど、基本こういうグリッドデザインに弱いです。
あと当然このコンパクトさ。ハード設計という意味でのデザインでも16時間持つらしいバッテリーとか含めてよく入れ込んだなと。
ハードウェア
ハード的なスペック、はもうてんこ盛り。
内蔵スピーカー
ジャイロスコープ
ブルートゥースMIDI
USB-C充電式バッテリー – 16時間連続使用
デュアルCPU
8 GBのストレージ
512 MB の RAM
感圧式ベンドバー
CV、MIDI、AUDIO、シンクのマルチアウト(排他式?)
オーディオイン
USB-C AUDIO/MIDI HOSTデバイス
寸法: 288 x 102 x 30 mm
重量: 0.9 kg
挙げだしたらキリがない。
本体のみで曲完成まで持っていけそうなスペックですが、外部音源とかのコントロールも見越した設計になってそうなのが気になります。
人によってはそれは使わんわって機能もあるかもだけど、割と入れられそうなのはガンガン入れてる感じで。まあこの辺のハードウェアスペックだけで10万円くらいあるかなあ。
ソフトウェア
64 ステップ シーケンサー – 16 x 4 ページ
24音ポリフォニー
複数のユニークなシンセエンジン
ドラム&シンセマルチサンプラー
6種類のFXとマスターFX数種
フィルターなど
細かいルーティングとか制限は調べてないけどまあたっぷり余裕あるなって感じですね。
マルチサンプラーもあったりして豪華。エフェクトはTEっぽくクセはありそうなんでここは好みはあるのかもだけど。
それとこの機種の最大の特徴だと思われるシーケンス部分がだいぶキテるので、まあどっかの記事に書いてたけどTEの色んな良いとこ取りをした最強マシンみたいな、貫禄すら感じます。
個人的にTEはチップチューンっぽさというか、グリッチでチリチリさせたループで遊ぶのが楽しそうって印象が強いんで、「複数のユニークなシンセエンジン」についてはちょっと慎重になってしまうところ。でもマルチサンプラーやWaveテーブルもあるのでまあ音作りは幅広くできるんじゃないでしょうか。
ソフト部分は不明点も多いので難しいとこですが、シーケンス部だけでもオンリーワンな可能性あるんで、10万、ひょっとしたら15万くらいの価値を見いだせるかも。
結論
まずデザイン面で10万ね。んでハードとしてのスペックで10万。
そしてソフト面で10万~15万。全部足したら35万円。
あれ?適正価格では?
円安も考慮して2,299ドルって考えたらむしろ安く抑えてません?
いやあ驚いたなあこれは買うしかないよね。
・・・とはなりませんけどね。
40万の価値があるかどうか、自分の結論としては今のところ「無い」です。
いやいやさんざん褒めておいて無しなんかいって話だけど、これはもう自分の予算感の問題なので仕方ない。
僕自身のステータスとしては今は音楽制作はベッドルームで密かに自分のために楽しむくらいなので、音楽制作のみに使う機材としては出せても10~15万くらいという感覚です。
あるいは、昔みたいに自分でも外に向けて音楽活動なにかしてたら、予算感は変わってると思う。んーまあそれでも20万くらいかなあってイメージ。
でまあ、価格の問題は置いとくとしてオンリーワンな機材かもってのは思ってるのでその辺はもう少し書いておきたいです。
OP-XYとOP-Z
そのオンリーワン感に絡めて書いておきたいのが、やっぱり話として外せないOP-Zの存在ですね。
尖ったTE製品の中でも特に尖った変わり種のOP-Zですけど、OP-XYはこのOP-Zの遺伝子を強く引き継いでる機種とも言えます。
OP-1的な要素ももちろん入ってるんだけど、より色濃くDNAを感じるのがOP-Z。
名前もOP-XYとOP-Z これってXYZの3軸を連想しますよね。
OP-Zのステップコンポーネントについて
OP-Zの最大の特徴だったのがステップコンポーネントと呼ばれるシーケンス機能です。
僕もOP-Zが出た時、価格が安かったのもあってかなり買うか迷ったんですが、欲しかった理由も、買わなかった理由も、そのどちらもこのステップコンポーネントにありました。
どういうことかというと、ステップコンポーネントというのは面白そうと思ったと同時に、けっこう複雑な仕組みなんで、液晶のないOP-Zで使うにはストレスありそうだなって感じたんです。
一応言っておくとOP-ZはiPadやiPhoneと連動して、色んな情報をそっちで表示させるという機能がありました。小さな液晶なんかよりずっと情報量も多いし、ステップコンポーネントがどういう繋がりでなにが追加されてるかも一目瞭然になる。
じゃあそれでいいじゃんとなるかというと、自分はそこにもちょっと疑問を感じてしまって。せっかく本体が小さくコンパクトなのにiPadやiPhoneとセットで使うのってちょっと違うんだよなって感じてしまいました。
かといって一番使ってみたいステップコンポーネントを本体のみで使うのはなかなかにストレスになりそう。
そんな訳でどっちつかずになって結局買うのはやめてしまったんです。
OP-XYでのステップコンポーネント
そんなOP-Zだったわけですが、そのステップコンポーネント機能がパワーアップして搭載されてるのがOP-XYというわけです。
まずなんといってもXYには精細な液晶画面がありますから、もうそれだけでステップコンポーネントの使い勝手もだいぶ違ってくるんじゃないかと。実際にどれくらいシーケンス部の情報が液晶側に表示されるのかは確認できてないんですけど、たぶん、表示されるんじゃないかなあと・・
パラメーターロックもあるし、ステップコンポーネントもあるしで、スペックだけで見るとシーケンサー部分ちょっとダメなとこ探すのが難しいくらいなんで、後は実際の使い勝手次第ってとこですかね。
シーケンサーが使いやすそう
あとステップコンポーネントだけじゃなくてシーケンサーとキー構成が使いやすそうに思ってて。
僕はDigitaktとても気に入ってるけど、鍵盤として使いたい場合STEPキーと切り替えて使うことになるんで、これはちょっと混乱しやすいなとも感じてます。
OP-XYは16STEPのキーと、それとは別に鍵盤として使えるキーが下段にあるんですよね。
これどういうことかっていうと、16STEPの中でトリガーしたいキーを押しながら、下段の鍵盤キーで音階を押さえてSTEPレコードできるわけです。
STEPレコードで和音を鳴らしたい場合も考えるとこれは大事なポイント、わかってるなーって感じです。
OP-XYは素晴らしいと思う
価格無視すれば現時点で全ての、シンセとか含めて音楽機材の中で一番欲しいかも。
そして40万という価格を考えた場合、僕の場合対抗馬になるのはMacMiniとかそれくらいかもしんないです。
40万あったらDigitakt2+Digitone2が買えちゃうやん、とも思ったんですが、正直そのコンボよりOP-XY一台のほうが欲しいかもしれない。
まあまだまだ不明なとこが多いので思わぬ落とし穴がないとは言い切れないですけど。今んとこそんくらい良さそうって印象ですね。
TeenageEngineeringというブランド
ところですっかりお高いイメージが定着したTEですけど、面白いメーカーだなあって改めて思う。
OP-1が出た時からデザインとかコンセプトがすごいハッキリしてて、
ブランディングがブレることなくここまでずっと続いてる。
変な製品も出してて大丈夫なのか?と思ったりすることもあるんだけど、OP-1FieldとかOP-XYみたいなの出せるってことは儲かってるんですかね?
Elektronも人気はあるほうだとは思うし、Digitakt、Digitone、Syntakt3兄弟はグルボ人気の流れに乗って成功したほうだと思うけど、TEって周辺機器とかオーディオ製品もがんがん展開しててちょっとクレイジーですよね。
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