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Digitaktのキーキャップ問題(その1)


Digitaktのキーキャップは少しやっかい

音楽機材にはキーやノブが付き物ですけど、ラバーコーティングされてる物けっこうありますよね。
で、これが長く使ってると恐らく加水分解を起こしてベタつくようになってくる。
Digitaktもそのパターンで、キーキャップのベタつきは国内に限らず海外でも「ベタついてきたんだが!」みたいな話をちらほら見かけるし、他機材と比べても割と起こりやすそうな印象あります。

キーキャップにベタつきが出てほこりがくっついている例

Digitaktのキーキャップは塗装膜がある

さらにElektron製品の場合やっかいなのが、キーキャップは

  • 半透明のベース

  • その上に黒の塗装(数字や枠部分だけ黒の塗装がないので光る)

  • その上にラバーコート

という作りになっています。
なので強引な事をすると黒の塗装まで剥がしてしまうことになりかねないのです(後で実例を載せます)

僕が購入した中古のDigitaktの場合、2022年製だったかな?傷もほとんどなく良品だったんですが、キーキャップのベタつきは若干感じるかな?という感じでした。
色々情報を見て回ってると、2~3年くらいでちょっとベタつきが出始めるというパターンが多そうです(管理方法とか使う頻度、気候によっても変わると思います)

Digitaktはとにかくキーを押しまくることになるので、ベタつきが出るのはできれば避けたい。なので対策のためにあれこれ実際やってみた記録になります。

キー、交換しちゃえばいいじゃない

いきなり身も蓋もないですが、ベタついたならキーを交換してしまえというパワープレイです。パワープレイっていうかまあこれが正攻法かな。
それは根本的な解決じゃないだろ!と言われてもその通りでございます。まあ今回はまずはそういう手段も取れるよということで、交換じゃない加水分解対策については次の回で書きます。

購入と届くまで

Elektron製品は部品の購入もできるらしいというのは海外の掲示板で見てたので早速購入してみることにしました。
ちなみに自分は最初本家から取り寄せようとしたけど、在庫がなかったので日本支店で購入しました。
ElektronDistributionGroupというところになります。

基本的には本体を送ってキーキャップの交換修理として依頼する形みたいです。ただ相談したところ有償での購入もしてもらえました。
ほんとはおまかせで交換してもらうのがいいかなとも思ったんですが、今回は交換自体の検証もしておきたかったのでキーキャップだけ購入しました。
手配もとても迅速ですぐ届きました。丁寧な対応をしてもらえて好感度高かったです。(本家のほうはけっこう放置は長かったです笑 海外あるあるだけど)

Digitaktのキーキャップセット(39点)

お値段ですが定価ってのはないと思うんですが自分は6千円くらいでした。

さて、届いたらさっそく交換してみることに。中古のDigitaktのキーキャップと比べるとサラサラしていてやはり購入したものは少しベタつきが出始めているなというのはハッキリ感じました。

Elektron製品の場合キーキャップ自体はオリジナルな形状なので汎用性はないですけどノブの部分なんかはたぶん既製品でも置き換え可能かなと思います。音楽系機材の多くは回しやすいようにツマミだけラバーコートされてるのが多いし、そういうのは自分で交換とかもけっこうできるかと思います。

交換作業の方針

  1. 元のキーキャップは既に少しだけベタつきも出てきてるので、もう多少表面に傷などついても良しとする。

  2. 小さいボタンなどは全然ベタつきもないんだがいったん39個のキーキャップは全部交換する。

古いキーキャップを取るには薄いプラや金属のヘラ的なものがあればそれを差し込んでテコを入れる感じですぐ取れます。
ただ力を入れすぎると受け軸側が歪んだり、キーキャップの側面を傷つける可能性はあるので神経質な方はやらないほうがよいかもしれません。

自分は引き抜くキーキャップはコーティング剥がしの検証にも使うつもりだったので、多少傷がついちゃってもいいかなくらいで自分でやってしまいました。 実際いくつかのボタンは側面を少し削ってしまったけど、操作上引っかかりさえなければ許容できるかなくらいだったのであまり気にしてません。

心配な場合は本体のケース自体を外して、キーボード用の引き抜き工具を買ってそれで抜くと一番安全だとは思います。実は一番怖いのはキーキャップそのものへの傷より、キースイッチの受け軸が傾いてしまうことです。(キーを押したあとの戻りが悪くなったり、最悪キーが戻らなくなったりする)

交換自体は15~20分くらいで問題なく39個全部交換できました。歪みが出てボタンの戻りが悪くなるなども今のところ起こってないし、ボタンも新品なのでスベスベで気持ちいいです。

キーキャップを取るとこんな感じです。中のキースイッチはKeilh製なのが分かります。キーボード用のキースイッチで有名なとこですが、MX互換ではなくきっとカスタムなのかなと思います。

交換は変な角度で押し込まないように慎重にできるだけ垂直にカチっとハメていきます。
全て交換しても20分もかからなかったかな。

というわけで無事キーは全て新品に交換できました。触り心地もサラサラしてるし動作も問題なくまずはこれで一安心。

無事交換はできたが・・

どこかスッキリしない。
キーキャップを交換すれば確かにベタつきはなくなるけど、使ってるうちにまたベタつきは発生してしまうはず。
せっかくキーキャップが2セットある状態なので、キーキャップのコート剥がしについても自分でやってみて検証してみようと思いました。(次回に続く)


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