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編集者に選ばれるイラストレーターとは?【Vol.2】デッサンの重要性

こんにちは、響野ライカです!
前回の記事ではたくさんの反響ありがとうございました✨

今回の記事は前回シリーズの第二弾です。
ぜひ参考にしてみてくださいね!


なぜデッサンが大切なの?

さて、前回の記事では「自分がどんなイラストレーターになりたいのか」を漠然とではなく戦略的に考えてみましょう、というお話でした。
ある程度の方向性が定まったら、次は実践です。
絵の上達法などはプロのイラストレーターさんが様々な媒体で詳しく発信しているのでここでは省きますが、編集者から見てイラストレーターを目指すのならば、しっかり勉強した方が良いと思うのが「デッサン」です。

なぜデッサン?と意外に思われる方もいるかもしれませんが、これがなかなか侮れないのです。
なぜなら、デッサンは「絵の基礎」ともいわれるべきもので、これがしっかりできている人は圧倒的に編集者の目に止まりやすいからです。

また、編集者目線で「絵が上手いなあ」と感じる人の特徴の一つとして、「身体の描き方が上手な人」が挙げられます。
身体の描き方が上手いと言うことは、身体の構造をしっかりと理解して描いている。つまり、「デッサンを勉強している」ことがイラストから伝わってくるのです。
絵の基礎がしっかりしているイラストは、基礎ができていないイラストと比べると絵の説得力が格段に違いますし、作家に対する信用度というものも変わってきます。

自己流でイラストを描いていませんか?

私はイラスト技法書をよく担当していたのですが、イラスト系の専門学校で講師をされている方とお仕事をする機会が多々ありました。
その際に、「デッサンを疎かにして、自己流で絵を描いてしまっている人が多い」というお話をお聞きする機会がありました。
この自己流というのはとても厄介で、自分で自分の癖に気付けない場合が多いです。
例えば、顔や上半身は上手く描けていても、全身になるとどこかポーズが不自然になってしまうなど、これもやはり、身体の作りを理解できていない=デッサンの基礎ができていないパターンで、人に指摘されない限り自分では気づけない盲点なのだと思います。

実は、過去に前述したようなパターンに陥ってしまった方とお仕事をしたことが何度かありました。
自分のイラストのどこがおかしいのかご本人が全く分かっていないので、何回も何回もリテイクを繰り返し、挙げ句の果てには禁じ手である「ここのデッサンが間違っているのでこう描いてください」とイラスト自体に赤字を入れる展開になってしまったことがあります……。
通常だったら、編集者がイラストレーターのプライドを傷つけるような赤字を入れることは滅多にありません。
自分のイラストに「ここの腕の位置、おかしいよ」って赤字を入れられるのって、普通だったら嫌ですよね……。
でも、それを「指摘をされないと分からない」というのが問題なんです。
取引先に指摘されるのは恥ずかしいことだと思わない限り、プロとして活躍するのは難しいと思いますし、今後のお仕事にも信頼度という点において影響が出てしまいかねません。
また、何回もリテイクを繰り返すことで自分自身の首を絞めることにもなってしまい、精神的にも追い込まれてイラストを描くこと自体が辛くなってしまうという負のサイクルにはまってしまう可能性もあります。

こういったことが起こらないように、まずは絵の基礎(デッサン)を学んで自分の描きたい表現が思い通りに描けるようになってから、今度は自分なりのアレンジ=自己流を追求していく、という流れで練習してみると良いのではないでしょうか。

イラストの上達に近道はない

様々な媒体でご活躍されているイラストレーターさん達と本作りの合間に雑談した記憶を思い返してみると、みなさん口を揃えて「イラストの上達に近道はない」とおっしゃっていたことがとても印象に残っています。
そして、「こんな絵を描いてみたい!」と誰もがうっとりするようなイラストを描かれていても「自分の絵はまだまだ下手で、もっと上手くなりたい」と向上心に溢れている方達ばかりでした。

そのために一体どんな努力をしているのか。
作家さんとの雑談の中で覚えているコメントを挙げてみると、

・仕事の合間を見つけてデッサンを習慣づけている
・イラスト技法書や人体解剖学の本を取り寄せて模写している
・取材を兼ねて動物や植物などを撮影して模写している
・自分の描きたいポーズをした自分自身を撮影して模写している
・デッサンドールを活用している

これだけでも、プロの方でさえもデッサンをとても重要視されているということがよくわかりますよね。

また、雑談の中で「絵の上達のために意識すると良いことってありますか?」と聞いた事がありました。
その時になるほど!と思った習慣も一部、シェアさせていただきますね。

・「⚫︎分だけ集中して描く」と時間を決めて習慣化する
・とにかく模写(デッサン)をして観察する力を養う
・上手い人のどこが上手いのかを考え、自分の絵と比較検討する
・インプットとアウトプットを同時に行う
・1日1枚は絵を描くことをスケジュールの中に組み込み、継続化する

「イラストを描くには忍耐力と継続力がとにかく大事なんですよ」と力説していたのも、とても印象に残っています。

そういえば、私が学生時代の時に、ゼミの指導教官から似たようなアドバイスをもらったなあと、今回の記事を書いていてふと思い出しました。

「絵というものはね、コツコツと描いていけば少しずつどこかが成長していくし、その繰り返しの中でできることが増えて、逆にこれまで見えなかった課題がわかるようになって、自分の不甲斐なさに打ちのめされるっていうサイクルを繰り返すんだよね。
でもそれを乗り越えていくうちに自分の描きたいことが自然と描けるようになって、表現することががどんどん楽しくなってくる。それが上達するってことなんじゃないかなあ」

学生の時はふ〜んと聞き流していたけど、今思えば先生はすごく為になることを伝えてくれていたなあと思います笑
やっぱり、「継続は力なり」という言葉はどの世界でも共通しているんですね……。

終わりに

さて、今回の記事はいかがだったでしょうか?
昔に比べると、今はお手本となる本も素材もたくさんありますし、絵を学ぶにはとても充実した環境が整えられていると思います。
頭ひとつ分飛び抜けたイラストを目指す前に、まずは基礎に立ち返ってみる。
それが絵の上達の近道であり、編集者の目に止まるきっかけになるかもしれません。

第三弾はポートフォリオのことについて触れていきたいなと思っています!


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響野ライカ
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