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ゲームの大会は「出る得」な話

1か月かけておこなうストリートファイター5のリーグ戦、あおもリーグに参加してみて、格闘ゲーマーとして色んな気づきがあったので「大会に出てみたいけど」「10先やってみたいけど」「最近ちょっと格ゲーに飽きてきた」と思ってる方むけに記しておきます。

あおもリーグとは

スト5をやる格闘ゲーマーにとってあおもリーグとは、とんでもない上級者が参加してしのぎを削るハイレベルリーグ戦で、1ヵ月間に5先(上位リーグだと10先)をリーグ内でおこないます。参加LP制限はないものの参加者は上級者が多く、ゴールド帯でうろうろしていた自分は「出場してもすごく格上の人とリーグ戦やって全敗するだけだからなー、消化試合にしかならないだろうなー」と思って参加できずにいました。

そんなあおもリーグが2020年8月期をもって終了することが発表され、下位ランク帯にも出場者が殺到しました。これなら出場できるかも、と思って出場を決意します。

ゲームはスト5のみの日々

それまではスト5は週末に計2時間遊ぶ程度で、それ以外の日に戦略や改善点を考えて週末のランクマで「うまくいった、いかなかった」を繰り返すのが自分の楽しみ方でした。出場を決めた日から毎日スト5のみをプレイ。対戦相手のキャラはほぼ確定しているので、キャラ対策をする日々が始まります。休日は一日中トレーニングモードで調べものと反復練習という感じ。休日の早朝に練習不足の不安から起きて練習する、なんてこともありました。

正直言って最初の頃は「あー、出場するんじゃなかった。他のゲームもやりたいなあ」と思いつつも、確実にやってくる対戦日を考えるとスト5の練習をするしかない状況に追い込まれていました。

思い返すと、スト5をここまで本気でやりこんだ経験がありませんでした。自分はゲームに「楽しさ」を重視するプレイヤーで、自分が楽しめる「ゲームとの距離感」を維持したいタイプです。実生活を犠牲にするほど本気になったら、楽しさよりも苦痛が上回るのではないか。趣味の範囲を脱しないように、今の生活に適した距離感でゲームと付き合っていこう、と本気になるのを恐れていたのかもしれません。

楽しめる距離感というのは個人差があるので、何が正解とかはないのですが、キャラ対策や状況検証とか全然やってこなかったライトプレイヤーの自分にとって、リーグ戦参加はスト5との距離が近すぎたか…?と思い始めます。

リーグ戦が始まって

5人で始まった自分のリーグ。結果から言うと、1勝3敗で最下位でした。リーグ開催中にVトリガーを2から1に変更したり、基本連係を組みなおしたりと色んな挑戦がありましたが、ちょっとだけ練習成果が出せたかも?結果はふるいませんでしたが「出場するんじゃなかったなー」という気持ちはすっかりなくなり、すごく楽しいリーグ戦でした。

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なんとか勝ちたいと思って練習してきた日々でしたが、終わってみると結果よりも自分なりに真剣に相手とスト5に向き合った時間が大切だったなーと。なぜ真剣になれたか?というと、それは相手も真剣に挑んでくるからです。

本気には本気で

リーグ戦は相手も本気でくるから本気で返さなくてはならない。きっとこの本気のぶつかり合いがあるからこそ、色んなプロスポーツやeスポーツでも見る人やプレイヤーを熱くさせるんだと思います。自分はそういうものには無縁で「週末ちょっとだけ格ゲーできればいいや、楽しいし」と思っていましたが、いざその本気がぶつかり合うリーグ戦に飛び込んでみて、すごく濃い時間をすごさせてもらいました。
確かに他のゲームはできませんでしたが、ずっとスト5のことを考え続けて試行錯誤し、練習する上で色んなことを身につけていくわけです。ゲームに限らず知らなかったことを知った、できなかったことができるようになったという上達の実感はすごく嬉しいし楽しい。本気で取り組んだ結果、スト5を今まで以上に楽しみながらプレイするようになっていました。

深さごとに楽しさは変わる

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スト5に限らず、あらゆる物事や趣味は熟練度ごとに楽しみ方があります。野球だったら、公園の壁に向かってボールを投げているだけで楽しい人もいるでしょう。チームを組んで大会で活躍することを楽しさと思う人もいます。どの楽しみ方もありですし、どれが正しいとかもありません。
ただ、本気で打ち込まないと到達できない楽しさがあるのは事実です。
昔の自分のように、週末ちょっとだけスト5をやる楽しさでも良かったのですが、本気で打ち込んでみた末に感じた楽しさは、以前のプレイスタイルではとても到達できる世界ではありませんでした。

本気の自分を知ってあげよう

プロでもない一般プレイヤーがずっと本気で頑張るのはつらい人もいるでしょうから、開催日に余裕のある大会へ出場を決めてみるのをおすすめします。準備期間中にできる限りの手を尽くしてみる。この準備期間でちょっとだけ本気の自分を知って欲しいです。
本気で打ち込む良いところは、結果が悪くても前進する力になりますし、結果が良ければやってきたことへの自信になります。真剣に大会に向き合った場合は挑戦する得なのです。
「もうちょっと上達したら挑戦しようかな…」と言っていたら永久に挑戦できません。挑戦すれば、結果に関係なく今より上達します。もし上達したい気持ちがあるなら、選択肢は「挑戦する」一択なのです。

楽しさとは自分の変化を知ること

リーグ戦に挑戦することで、今まで知らなかったスト5に触れました。ゲーム自体は何も変わっていません。それに取り組む自分が変わることで、ゲームは面白くもつまらなくもなります。ゲームに飽きるというのは、ゲームの劣化が原因なことはほとんどなくて自分自身の変化を感じなくなった時に飽きがきます。こういう密度で練習したら、こんなに自分の変化を実感できるんだなーと知ってしまったので、以前のような週に2時間スト5をプレイするスタイルに戻すのを悩んでいて。今後はちょっとだけスト5の比率を上げて楽しんでいこうかと思っています。

最後に

あおもリーグ主催の でお(@deosan00)さん、A21リーグで戦ってくれた方々に感謝です。スト5の楽しさはこれで十分、と思っていた自分をより深い楽しさに触れさせてくれた今回のリーグ戦は、自分の格ゲー人生において大きな分岐点でした。あおもリーグは終わってしまいますが、他の大会にも率先して挑戦していこうかな、と考えています。

これを読んでくれたあなたも、大会に限らず何かに挑戦することで真剣に取り組んだときの楽しさにちょっとでも触れてもらえたら嬉しいです。

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