「昇・昇咲×(カケル)」の関係性
令和四年二月五日土曜日午後七時から、東京渋谷のユーロスペースで開催された「昇・昇咲×(カケル)」に足を運びました。
本タイトルの落語会は今回が第一回。
タイトルから分かる通り昔昔亭昇さんと春風亭昇咲さんがメインでゲストをふた方お迎えするスタイルのよう。
そして今回のゲストは柳亭小痴楽師匠と今話題の桂宮治師匠。たいへんに豪華なゲストでした。
そして面白いのが出番の順。
昇・昇咲両名が登場して立ったままご挨拶。改めて前座の柳亭楽ぼうさんから。
落語会では縁起物の泥棒もの。第一回の落語会に相応しい。
ついで登場するのが何と話題の桂宮治師匠。この出番の順は二つ目と言ってまさに真打に至らない「二つ目」という階級の人が務める出番。真打の宮治さんを贅沢に使う二つ目である主催者の2人。
そんな中、宮治さんは絶好調。アドリブに継ぐアドリブ。枕でも本編でも小痴楽兄さん、昇さん、昇咲さんを褒めたり貶したりしながら笑いを取る。自由奔放な「親子酒」。
その後は一番若手の昇咲さん。新作落語「噺家撲滅法案」の果敢な挑戦。新作らしい自由度の作品の中でも、特に自由度の高い「死神」の呪文のようなパートがある。噺家の写真による踏み絵。今回はゲストへのリスペクトで小痴楽兄さん。
お世話になっていると言いつつ、怖いはずの兄さんの写真(実際は手ぬぐい)を何度も何度も踏みつける。そして、この新作落語の今後の展開に期待したくなる引き際。
仲入り(休憩)を挟んでの登場は柳亭小痴楽師匠。枕の範囲を超えてただのフリートークのような枕をたっぷり聴かせてからの、あくび指南。オーソドックスな展開ながら独特の演技やくすぐりで笑いを攫う。途中、マイクが倒れるハプニングもあったが、主催の後輩たちを「雑」と一喝。これが笑いに繋がるのが小痴楽さんのキャラクターの味。
そしてトリは、昔昔亭昇さん。
いつもの通り、大汗をかきながらの熱演。そしてとにかく声が大きい。
諸先輩への舌戦のお返しと絶妙かつ完成された枕で始まり、本題は「江戸の喧嘩風景」こと「大工調べ」の半ば。
大工調べを得意とする柳亭小痴楽師匠の前でのあの「啖呵」見事にやり切って拍手喝采でした。
この演目については、私が配信しているポッドキャストにゲスト出演してくださった時にもたっぷりと話してくれました。
そのため私個人としてはとても感慨深いものがありました。
そして帰り際、昇さん、昇咲さんに混じって、ふたりが参加するユニット「ルート9」の「ルート9fes」の前売りチケットを小痴楽さんが売っていました。なんなら一番声が出ていた。
宮治さんは最近の多忙で先に帰っていらしたけれど、Twitterや高座でも後輩たちを援護射撃。
本当に仲の良い先輩後輩だなぁと強く感じたので久しぶりで、記事を書いてみた次第です。