重ね着

言いたいこと言って勝手に泣いて
出せるもの全部出して ちょっとマシになる
わがままでごめんね 私だって
こうしたくてこうしてる 訳じゃない

だから笑ってよ いいよって笑ってよ
嘘を重ね着してた私の前でのあなたみたいに

ずっと前から気持ちはどこか
あなたは上の空だった
ヘビーな恋はお手のもんだと言っていたのに
ふとした愛情 優しい口調
仄かにも感じなくなった
あなたの好きな子猫にでもなれば
少しは愛でてくれるかな

「強がっていないで なんでも言って」
あなたがそう言ったから そうしてみた
「涙我慢しないで 僕が拭うから」
あなたがそう言ったから 泣くようになった

だから笑ってよ いいよって笑ってよ
心が丸裸の私を 優しく包み込んで欲しい

遥か前なら 気持ちはここに
いつだって抱きしめてくれた
今じゃこの手も ろくに触れない
途切れ途切れ
ほんとの自分 出しただけなの
それがダメなのだとしたら
あなたの好きな重ね着に戻ろうかな
少しは前を思い出すかな

カップアイスの蓋を開けてくれたり
腕枕をしてくれたり 可愛いねって褒めてくれたり
恥ずかしがる私を撮ってくれたり
それを見せてくれたりした
あの日のあなたが好き

五月雨の空 私は見てた
ただ雨が落ちるのを見てた
あなた次第と思い込んでた
戻れるのかな 出会った頃の
愛溢れる 2人のように  

全部謝る 謝るからさ
そっぽ向いてないで キスをして
こっちを向いて ちゃんと笑って
最後だから

色落ちの恋 歪んだ扉  
繰り返しの寂しさも終わり
あなたの好きな重ね着をした人に
私のことボロクソに言っていいから
忘れないでいて 全部は

さよなら


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