UX JAM 30 - UX MILK 4th Anniv. & Goodbye Milkman -に参加しました!
こんにちは、スペースマーケットデザイナーの新井です。
先日UXについて学ぼうと、初めて勉強会(交流会)に参加してきました。
せっかくの機会なのでレポートを書いてみます。
つい遊びすぎてしまうリンクスリングスの特徴って?
株式会社サムザップ リードUIデザイナー 今村 優太さん
リンクスリングスというゲームのUI・UXのお話でした。直感的操作が重視されますし、世界観もさまざまで非常に興味深いです。任天堂の「娯楽のUI」も以前話題になりましたね。
ゲームのUIってそもそもどんなものなのか?
とにかく酷使される、超インタラクティブなものとのこと。ユーザーは直感的操作を求めており、認知に関してはかなりシビアです。
ヒューマンファクター研究の話題も。研究では、負荷の大きさは次のようにまとめられているそうです。
認知>資格>行動
UIのパターンが増えれば増えるほど新しく覚えなおすことが増え、ユーザーの認知の負担が大きくなるとのこと。そこで、使い慣れた=すでに信頼されたUIに絞って使い回すことでユーザーの負担を軽減したそうです。
また、「続けてバトルボタン」が非常に良い結果を生み、魔性のUIと呼ばれているそうです。Twitterでも話題になっているとか。
銀行におけるマイナスからのUX
株式会社三井住友銀行 デザイナー 金子 直樹さん
実は私は前職が銀行の営業だったので、個人的にこのLTをかなり楽しみにしていました。ネットバンキングやアプリなど最近は使いやすいUIになっている銀行もある印象ですが、「マイナスから」というワードに共感する部分、確かにあります...。
まず、どのような課題があったか。次のようなテキストリンクの例が挙げられていました。
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簡潔ではないテキストで、改善を提案したところ「他もこうなってるから合わせて!」という意見を受けたそうです。
それでも「合わせたら改善の意味がないです!」と根気よく説明され、改善に踏み切ることができたとか。
また、「店舗ATMを探す」画面なのに駅一覧がデフォルト表示されているというUIの改善や、広告(プッシュ通知)が大量に送られるといった問題についてもお話がありました。
後者については特に訴求の目的があってのことなので、他の係との話し合いも必要ですよね。
ビジネス目線ではもちろん数字が重要ですが、目先の成果を追うだけの施策ばかりにならないよう、ユーザー体験とのバランスを今まさに提案しているとのことでした。
表面上のデザインだけをしているのではない、ということを分かってもらうと、企画段階から相談してもらえる
と仰っていたのが非常に印象に残っています。
クライアントワークから事業会社への転職で分かったUXの違い
楽天株式会社 ラクマ事業部 UI/UXデザイナー 名越 慎さん
これまでは、要件を的確に絵として作ることが仕事だったとのこと。
「事業会社って、ボタンの色変えたりするだけでしょ?」と思っていたこともあったそうです。
デザイナーの目で課題を見るということの重要性をお話しされていました。ビジネスがつい数字で見てしまいがちな部分も、デザイナーは終始ユーザーがどう思うかに寄り添うことが重要とのことでした。
楽天のような大きな組織では連携が仕事の軸になるそうです。どの組織も連携は要ですよね...!
コトバの壁を越える
株式会社Payke デザイン室リーダー 神谷 郁さん
インバウンド対策アプリのPaykeについてのお話です。
商品のバーコードをスキャン→その人の母国語で説明が見られるようにするサービスだそうです。
業務は日々仮説・検証の繰り返しで行われているそうで、検証の末新しい課題が見つかることが多いとのことでした。具体的には
マップでオロナインが売ってる店舗が分かるようにした!
→そもそもナビがないとたどり着けなかった
アプリDLしてもらえてないなら店頭にタブレットおけば良いのでは?
→使い方が分かってもらえず、単に置くだけでは触ってもらえない
などの例が挙げられていました。
サービスの性質上自らターゲットユーザーにはなれないので、より常に仮説を立てながらアプローチを続けていくことが大切とお話されていました。
UXデザインを学んだエンジニアが、これまでなにをやってきてこれからなにをやっていくのか
auコマース&ライフ株式会社 フロントエンドエンジニア 大谷祥さん
元は「UXをやらないエンジニア」でしたが、人間中心デザインを産技大で学んでUXに携わるようになったそうです。徐々に社内コンサル的動きも増えていったとのこと。
そんな大谷さんの手法は現場主義で
「考えながら手を動かす」
「現場が好き。今後はUXのプロセスを取り入れてみたい」
といったお話をされていました。
「データ/デザイン/人」事業とデザインに必要な共通言語の構築
合同会社DMM.com デザイナー 根本 大地さん
「デザイン主体の長期改善が実施されない」
という課題がスライドに映し出された瞬間、参加者の多くが頷いていました。
継続的な開発の欠如により十分な成果が出ず、価値が伝わらないという「負のデススパイラル」は、多くのデザイナーが悩む課題の一つだと思います。ビジネス側に価値を理解してもらうには、どうすれば良いのでしょうか。
デザインは直感ではなくロジック
そこで、根本さんはAtomic design導入によりどれだけ効果があったかなど、数字で成果を発表・共有するようにしたそうです。
ボトルネックとなっていた部分をデータデザインという共通言語で解決、理解と信頼を得た結果、会話も活発になったとか。
成果を数字として明示することが、デザイン価値をあげることに繋がるという点が非常に参考になりました。
画面の外をデザインする
株式会社ZEALS エンジニア・プロダクトマネージャー 福本 晃之さん
Twitterで資料を公開してくださっていました。
チャットボットのお話。
ファネルの上部=認知が重要になるそうです。
ポップアップやツイッターのリンクなど、流入にはいろんなルートがあるにもかかわらず、会話の始まりが同じ文章であるということが課題として挙げられていました。
関心が高く自ら検索して来た人と、なんとなくツイッターのリンクを踏んだ人などユーザーの背景はいろいろであるため、各ユーザーに合った「入口のデザイン」が必要になります。
画面の外=ユーザーのコンテキスト
ということですね。
今後は人間と同水準の会話を目指していきたい、とのことでした。
また、福本さんはデザインされたUXは、ユーザーの体験を強制してるのでは?という懸念を挙げた上で、UXデザインの責任の大きさについても言及されていました。
カスタマーサクセスとUX
Repro株式会社 web Div. Customer Success Team Leader 駒谷 徹さん
冒頭、給与あげたい!おー!と会場全員で唱和しました。切実でした。面白かった...。
カスタマーサクセスとUXデザイナーを両方経験した社員さんの例を挙げられていました。利点としては、以下の例を挙げられていました。
・社内のプレゼンスが上がりやすい
・理想のUXを自前で突き詰められる
・お客さんと仲良くなれる
クライアント・事業側両方の経験があるから信頼が厚いとのことでした。お話にあった社員のやぎさんはカスタマーサクセスで大きな成果を出していたそうなので、納得です。
確かにカスタマーサクセスの経験はUXに活用できることばかりと思います。その知見を持ってUXデザイナーになれば、バリューを発揮してお給料もアップできそうですね。
まとめ
発表が5分ずつで本当にあっという間だったのですが、非常に勉強になりました!合間に交流会もあったのでマーケティングの方・デザイナーの方とお話することができて楽しかったです。当日お話してくださったみなさん、ありがとうございました...!
キャラクターも一新されたUX MILKは4周年を迎えたそうです。次のイベントも楽しみです。
今後も興味のあるセミナーには積極的に参加していきたいと思います。
長くなりましたが、ここまで読んで下さり ありがとうございました!
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