Vol.01 あのウミネコ/AL(歌詞解釈)
この記事は、最近聴いた曲について思ったことを書き溜めてみようと思い、記し始めました。その第一弾です。的外れなことを言っているとも思いますが、ご容赦ください。
ラスサビのコーラスワークが圧巻ですね。
さて、この曲は何について歌っているのか・・・ということを考えていった時に「別れてしまった大切な人について思いを寄せている」ということは分かっても、タイトルの「あのウミネコ」が何を意味するのか、二人がどういう関係だったのかといったことまでは分からないと思います。
この記事が読み解く上でヒントになればと思い、書いていきます。
ネット上では、長澤知之が東日本大震災で亡くなられた妻の代わりに、夫が更新をしていた「海・猫・日記」というブログをモチーフに作られた曲と言われています。
ブログには震災で奥さんが亡くなられた時のことが生々しく記されており、代筆している旦那さんのことを想像すると胸が苦しくなります。
長澤知之本人が明言していないので、本当にモチーフにしていたのか真偽は不明ですが、以下の歌詞にも辻褄が合うことや、
このブログを読んで 一言茶化してくれたなら
長澤知之のオフィシャルブログでこのブログについて取り上げている記事があることから、恐らく合っているのではないか・・・と思います。
つまり、この曲は「東日本大震災で被災された方」への思いがベースになって作られていると思います。ですが、それを前面に押し出さずに、誰もが必ず経験する別れの曲としているところが素晴らしいと思います。
これは「未曽有の大災害を経験した方に向けた歌なんだ」と限定されてしまったら、震災を経験したことがない方には共感することが難しいですよね。
また、この曲がリリースされたのが2016年ということもあり、震災からある程度の年月が経ったという状況も反映されているのではないでしょうか。
以下の歌詞からも分かるように、曲の主人公は「君の思い出を忘れてしまいつつ」あるのですが、それは風化していく震災の記憶と重なるところがあります。
どれほど愛し合って どれほどピースしたっけ
あの海の向こう あの空の向こう
君は今どうしていて どこにいるのだろうか
素知らぬ笑顔 どこ吹く風
あんまり纏まっていませんが、もう会えない大切な人を忘れてしまう悲しさを経験した誰もに寄り添う素晴らしい曲だと思います。