アベンジャーズ大激論 その3【その2に対する各種コメント】
あイカつおじさんのコメント1
GROOTさんと偉い人
恩田陸(同僚あイカつおじさん)です。
お世話になっております。
ホモの感想・SSの恐るべき文豪っぷりにやられました。直木賞は譲ります。(管理人:万が一読みたい方がいたらコメントください。そんな奴いないよな?)
スタークについての考察、おみそれしました。
何となく感じていたことを事実に即して一つずつ論証していく様、美しさすら感じる。社会学者って感じ。
神の視点!いい言葉が出ましたね。
この映画、神の視点で見ると納得しづらいと思いますが、各キャラの心情を考えると(チープな表現ですが)すげーよくできてると思います。
スタークメンタルが豆腐っていうより、キャップがメンタル強すぎるんだと思いますね。ヒーローものは鬼メンタルなのが当然って風潮があるのでアレですが。
MCU見るぜっていったときに、ちらかわが「完璧なものとしてではなく弱さを持つ一個の人間として描いている」って言ってたのがまさに今開花したぜって感じ。いや、それでもキャップは完璧超人だと思うけど(いや、ただのバカなのかな…)。肉体が弱い部類なのはバランスとれてるよな。
チーム分け的には、キャップチームが信念ある組というより、キャップの統率力がマジキャプテンだったって方が正しいかな。
>宇宙よりも遠い場所
これまた名作なのでみてくれるようでウレシイ…
はっきり言って、、俺がおすすめするアニメにハズレはないと思ってくださって結構です。
ちらかわのコメント1
恩田殿
直木賞ありがとうございます。
正直読みにくいと思っていたのに嬉しいです。
アイアンマンは熱いうちに打てという精神のもと
調子に乗って以下に対するコメントを蛇足ですが送ります。
ペッパーくんとの確執?(これはあまり語られなかったので何とも)
これはセンシティブな問題なので敢えてボカしたのでしょうね。別居の原因はトニーの口から語られたように、アイアンマン3における約束(=アイアンマンスーツを捨て、2人の個人的な幸せを優先する)をないがしろにしていることでしょう。
このことからわかるのは、トニーは唯一の理解者であるペッパーとの関係を半ば犠牲にしてまで、大義(持てる者としてやるべきこと)の遂行に揺れ動きつつも突き進む男であることがわかります。豆腐メンタルとはいいましたが、これこそまさしくヒーロー的な所業です。また、これは父ハワードがやっていたこととおのずと重なるわけです。
加えて、この自己犠牲的な一面は、トニーとキャップは一致しています。とはいえ、キャップの場合は目覚めたら浦島太郎状態で、戦友や知り合い
とはいつの間にか死別、想いを寄せていた女性とも、再会の喜びも束の間、老衰で亡くなる、という状況ですので大義に突き進む選択肢しか残されていなかったとも言えます。
悲壮感の溢れる話ですが、そんな中一番の親友バッキ―だけがそのままの姿で現世に現れたのです。バッキ―自身が悪くないとすれば、何に代えても守るしかない、と突っ走るのは至極真っ当といえますね。これをエゴイズムというのはなかなか酷なものであります。
(当然ながら、キャップが見ため通りのホモ♂なだけで、バッキ―を惨たらしく凌辱したい、そんな独善的な情欲に駆られて動いていたという説も考えられます。立場的には本説を推しておきましょうか。)
振り返ると、そういう意味ではキャップよりトニーの方が大義に殉じて強い意志を持ちながら動いていたと言えるかもしれないですね。
あイカつおじさんのコメント2
偉い人
朝井リョウ(あイカつおじさん)です。
アイアンマンはまだ熱いぜ。
>このことからわかるのは、トニーは唯一の理解者であるペッパーとの関係を半ば犠牲にしてまで、大義(持てる者としてやるべきこと)の遂行に、揺れ動きつつも、突き進む男であることがわかります。
→なるほどこんな解釈もあるのか…と感服いたしました。が、同時にややトニーに好意的な見方なのかな、とも思ってしまいます。具体的なシーンを論拠として語れないのは汗顔の至りですが、ペッパーくんと向き合うのを恐れている一方で大義という名分が明確に存在しているため、それに打ち込むことで目をそらしている…と捉えられなくもないかと。
これはボクが彼の誠実さを肌で感じられない故ですが、これはこれでトニーの男を侮りすぎている気もするので、使命感と恐れが混然一体となったフクザツな心境なのかな、と思うとボク的には一番納得できるかな。
一応言っておきますが、彼が嫌いだってわけじゃないですよ。というか愛おしさすら感じています。ホモではない。ホモではない。
>大義に突き進む選択肢しか残されていなかったとも言えます。
→これは全くの同感で、スターク氏とキャップの大きな違いのひとつは足枷の有無だと思うんですよ。キャップは失うものがなさすぎるので、気兼ねなく信じる道を猛進できてしまう。これは彼にとっては強みでしょう。
だったんですが、
>そんな中一番の親友バッキ―だけが
→ここはまさに議論の余地があると思います。ちらかわ御大の文章は
孤独なキャップは大義に進むしかなかった。しかしながら、唯一の親友出会ってしまい、何に代えても守りたかった。
と、ふたつを逆接でつなぐような解釈、すなわち大義を多少なり曲げてでもバッキーを守る意思があり、それこそが彼のエゴ(というのは酷)、という解釈なのかな、と読み取りました(ちがったらゴメンネ)。
僕の解釈では、大義とバッキーを救うことは別問題で、これらがたまたま矛盾しない結果に終わった、というように思っています。順接でもなく、
並列。
極端な話、バッキーが出てこなかったとしても話の大枠(ラストを除く)は変わらなかったんじゃないかとすら思っています。もちろん、彼の登場が
なければキャップチームが追われる展開にはならなかったので、物語中盤の対立も起こらなかったでしょうが、袂を分かってしまったら遅かれ早かれあのような状況になっていたでしょう(くどいようですが、国連傘下に下るのは悪手だったと思います、すくなくともキャップにとっては。これは後述※)。
分水嶺があるとすればそれはラストの「トニーがバッキーを許さず」尚且つ「キャップがバッキーを優先した」という箇所のみかと。とはいえ、後半については、トニーが恨みを晴らした(バッキーを殺した)ところで何の解決にもならないので、こちらは当然と言えば当然。一方で、前半については、一度は許そうとした以上最後の喧嘩は私怨以外によるとは考えられず、これが対立の決定的な要因だったと考えられます。これをエゴというのは酷ですね、ちらかわの言ではないですが。
つまり、バッキーの影響を大きく受けたのはむしろスタークの方なんじゃないかと、こう思うわけです。論点が少しずれますが、ワンダあたりが仇
であっても、キャップの行動は変わらなかったのではないかな。法然上人(黒猫)が「憎しみは何も生まない」と発言してバキちゃんを許していたのも、憎しみに囚われて大義を見失ったスタークを暗に批判している脚本なのかな…なんて推測しちゃいます。前述のとおり、責められる話ではないですが。
※ウルトロンでの宇宙への脅威について、僕は全く考慮を欠いておりました(ちらかわの考察を見て初めて気づきました)。たしかにスタークの慧眼は評価されるべきで、孤独な戦いだったとよく理解できましたし、現在のアベンジャーズに限界があるというのもよくわかりました。他方、神ならぬ身の脳筋勢がそれを非現実的であると一蹴したのもまた道理かと…。
つまるところ、コミュニケーション不足か(チープな結論)。いまのところ明確な解決策は出ていないと思う(つまり、スタークにもキャップにも一
理ある状態な)ので、ここは今後の展開にはぴな~るですね。
以上をもって、キャップが大義よりもバキちゃんを優先したわけではなく、今のところ行動原理を揺るがす足かせにもなっていない、というのが僕の変わらぬ意見です。とはいえ、僕がスタークの信念を見誤っていたのもまた事実なので、そこは理解が深まってよかったです。信念の痛み分けってことで(?)。
何でも知ってるちらかわに対し反論するような真似をしましたが、別にシビル・ウォーしたいわけでは全くありませんので、その点はご理解くださ
い。
結局一通目のコメントの焼き直しになっているうえ、書いてる最中に浮かんだ泡沫のような多くの思いを書きそびれているような気がする…やっぱり飲みの席は必要だな。
ちらかわのコメント2
朝井殿
こ、ここまでの熱量…想定外すぎて嬉しいです。
熱いうちに打てということで(ry
>このことからわかるのは、トニーは唯一の理解者であるペッパーとの関係を半ば犠牲にしてまで、大義(持てる者としてやるべきこと)の遂行に、揺れ動きつつも、突き進む男であることがわかります。
⇒確かにこの文章だけだとトニーがほとんど聖人君子に見えるので補足します。
長々と書きましたが、結論としてはあイカつおじさんの納得感のある解釈(=トニーは使命感と恐れが混然一体となったフクザツな心境)と同じです。
まず前提として、ペッパーと向き合うにあたってトニーが誠実ではない気持ちを抱えてるとはあまり思いません。ご愛嬌的なチャラさはありますけどね。アイアンマンシリーズではペッパーのことは命を投げうつ勢いで守っていますし、3ではこの上なくドラマチックに彼女の気持ちに応えていくという決意を示していました。あそこまでやっておいてやはり微妙な関係に落ち着いていくのは
演出上のことを考えてもあり得ないかなと。
ではなぜ距離を置くような状況に至っているのか、それはやはりトニーがアイアンマンであり、
アベンジャーズであるということに強い使命感を感じていて、それを捨てきれないからに他ならないのかなと思います。
補足はここから。では、彼が根っからのヒーローかというとそうではなく、彼の場合は、自分個人のために使命を全うしようとしている節があると思います。使命を全うすることが彼自身を救うことになるということです。なぜなら、彼の使命(=異星人の侵攻を食い止め、誰も死なせないこと)と自分の恐れや不安を払拭し、重責から逃れることは密接にリンクしているからです。
つまり、自分が重責から逃れるために使命を果たそうとしていると言い換えることもできます。
理由は、やはりトニーは弱いからです。弱く抱えきれないゆえに、アイアンマン3ではスーツを量産し、アベ2ではウルトロンを開発し、シビルウォーでは組織やマニュアルに迎合しようとし、…というように拠り所を増やす方向性でしか考えられないのだと思います。出発点が「自分は弱く、抱えきれない」から始まっているので解決策もそれを補強する方向に向かう。そもそも、アイアン
マンとは弱弱しいただの中年が戦うために殻を被った姿です。
余談ですが、キャップは違います。キャップに不安や恐れがないかといえばそうではないと思いますが、強さと自信に満ちた存在です。身も心も正真正銘のスーパーソルジャーですから。加えて失うものもない。だから、彼は誰よりも己を信じている、またそうあるべきだと思っているから、組織そのものが信頼できない以上は、己を含む信頼できるものだけで活動すべきだという方向性になり、結果的にシビルウォーではトニーと交わらなかったのだと思います。
>キャップが大義よりもバキちゃんを優先したわけではなく、今のところ行動原理を揺るがす足かせにもなっていない
バッキ―を守るということ自体はキャプの大義になんら反することではないというのは同じ意見です。言いたかったポイントは「何に代えても」という点。
やはりキャプの猪突猛進感は明らかに自らの大義を疎かにしていたのでは、またバッキ―でなくてはそうはなっていなかったのでは、と思います。
理由は以下の一点のみ。
キャプは軟禁状態からの包囲網を突破したバッキ―を拾った後、トニー陣営と相談をすべきだったのです。世間から非難の目に晒され、アベンジャーズが瓦解しかかっている状況で、物言わず戦犯扱いされているウィンターソルジャーを擁して空港を半壊させて制止を突破するということが何を意味するのか。
キャプの大義を遂行するためにはアベ2で自らが「負けるときも一緒」と言っていたように強い団結が必要だったはずが、それに明らかに反してい
る行為です。(当然トニーたちも聞く耳を持たなそうな雰囲気だったのでキャプだけに非があるわけではない)
>ラストの「トニーがバッキーを許さず」尚且つ「キャップがバッキーを優先した」という箇所
この点は上記の議論とは確かに切り離して語られるべき点ですね。なおかつ、アベンジャーズ分裂を決定づけた出来事でもあります。これはトニーが確かに感情的でした。元々大して気の合わない
キャプに本人としては歩み寄るかたちで和解した矢先の出来事で、感情が爆発してしまったのでしょう。まあ、両親の頭をぶち抜かれるというlive leakもびっくりの生生しい映像を見せられて、映像の犯人が目の前にいたのです。冷静になれというのも無理がある話。これはそこまでトニーの性格を理解し、そうなるように道筋を作った名もなきソコヴィア兵士(名前忘れた。ジモ?)あっぱれというしかない。
>何でも知ってるちらかわに対し
何でも知っているような語り口ですが、リアルタイムで1回、一年前くらいに1回見ただけなので展開に記憶違いあったら言ってくだしあ。
とりあえず飲みましょう。
上映会でもいいぞ。
以上、よかったらサポートお願いします。