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自分らしさに向き合ったRAHA KENYAでの1年半

アフリカ布ブランドRAHA KENYA社員のリホ(@Rihito_viajera)です!

インターン期間含め、1年7ヶ月勤めたRAHA KENYAを本日をもって退職することになりました。

退職にあたり、RAHA KENYAにて駆け抜けた日々を、
これほどにも「青春」という言葉が合うことはないであろう日々を、
僭越ながらnoteという形で振り返らせて頂きます。

製作担当らしく、製作のことやテイラーさんとのエピソードを詳しく書こうか悩んだのですが…私自身の心境の変化と学びを中心に、お話させていただければと思います。

私がRAHA KENYAを通して自分自身と向き合えたように、このnoteが少しでもどなたかの「一歩踏み出すきっかけ」に繋がりますように。

全ては「自信をつける為」

2020年6月12日。

コロナ禍で仕事が激減した旅行業界で社会人5年目をしていた私は、週5→週2までに減った在宅勤務を終えたところでした。

「このままでいいのだろうか」
「旅行業はいつ復活するのだろうか」
「そもそも5年間も働いているのに、私はコレといったスキルさえ身についていないのではないか」
「周りの人たちの優しさに甘えてきたこの5年間、私は一体なにをしてきたのだろうか」

という不安に駆られ、コロナによって生まれた時間を無駄にしたくない一心で、新しい挑戦を片っ端から探していました。

一人暮らしの家のソファの上で「ちょっと休憩するか」と開いたインスタグラム。
ふと目に飛び込んできたのは、RAHA KENYAのインスタライブでした。

何気なくインスタライブに参加したその瞬間に、頭の中のパズルがハマりました。

・・・・・これだ!!!!!!!

インスタライブを見て、『もっと自信が持てますように。もっとひとりひとりの個性が広がりますように。』という当時のRAHA KENYAのコンセプトが、頭の中を駆け巡りました。

今の私に必要なのは、自信だ。

気がついたら、勝手に手が動き、インスタライブにコメントをしていました。

「インターンしたいです!!!」

ライブ中にそのコメントを見たリエさん(@KawanoYOME)からは、DMをするよう口頭でお返事を頂きました。

インスタライブ翌日。その言葉に従うがままに、ソワソワしながらDMを送ったのでした。

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当時のDM文章

結果、2020年8月中目黒でのPOPUP企画担当のインターン生としてRAHA KENYAに参加させて頂くことになりました。

そうして始まったインターンでは、「このPOPUPイベントを成功させたら自信が付くはず!自分が変われるはず!絶対に変わってみせる!」という思い一心で、無我夢中でのめり込みました。

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当時担当した中目黒POPUP準備中の写真

しかし、自分が主担当だったイベントが無事終わっても、全く自分の自信にはなりませんでした。
全てにおいて周りの方々の協力が大き過ぎて、「自分ではなくみんなのおかげで成功できた」という思いしか残らなかったのです。

そこで初めて、「コレをやれば自信がつく!」なんてものはないのだ、と気がつきました。

あれ?どうやったら自信ってつくんだ…?

その質問の答えを模索しながら、旅行会社での本業の傍ら副業としてインターンを続けること早4ヶ月。「ケニアに一緒に行かないか」という信じられない大チャンスを頂きました。
そして2020年12月、商品製作担当社員としてケニアに渡ったのでした。

アパレル未経験の製作担当。年間46商品との闘い。

ケニア到着初日。見渡す限りの青空に興奮した私は、ナミホさん(@Namiho73)と一緒に記念写真を撮りました。

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ケニア到着時に撮影した記念写真

私が初めてアフリカ布の洋服を身に纏った瞬間。

リエさんがRAHA KENYAを立ち上げるきっかけとなった「アフリカ布を身に纏った瞬間に胸を張れるようになった」というエピソードを生きた気がしました。

これがアフリカ布のパワーか…!!!

新たな挑戦の地でやる気がみなぎっていたのも束の間。
「オーバーロック」という言葉さえ知らないほどアパレル・縫製ド素人だった私は、ケニア到着早々、壁にぶち当たりまくります。

時間が限られているのにサンプルが全然完成しないという焦り。
製作担当なのにどこをどう直したらいいのかさえも分からない無力さ。
テイラーさんが使う専門用語についていけない自分の知識のなさへの不甲斐なさ。
決めたスケジュール通りに進められないことによる自責の念。
製作しているテイラーさん本人を上手くマネジメントしなければ、自分自身がいくら急いでも製作は終わらないというもどかしさ。
やっと出来た!と思ったのに次々と問題が発覚する絶望感。

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商品製作の様子

なにもかもが初めてで、自分がもっともっと頑張れば製作が上手くいくんじゃないか?と思い、がむしゃらになって働きました。

「商品製作担当としてケニアに来たのが私で良かったのかな…?」
「もっと経験や知識もある適任がいたんじゃないか…?」

そう思う度にケニア渡航前にリエさんが下さった手紙を読み返しては、「私はリホさんいいのです。」という言葉が、私の背中を何度も何度も押してくれました。

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実際のリエさんからの手紙

でも、無理をした働き方が持続可能なわけもなく。気がついたら目から涙が溢れ出ていたこともありました。
その度にリエさんナミホさんクニさんが気にかけてくれて。でも気にかけさせてしまっていること自体も申し訳なくて。

かたや、隣にいるナミホさんはなんでも出来て、めちゃくちゃ気遣いも出来るスーパー社員。それなのに努力を怠らず常に謙虚。ましてや人想いで優しくて、面白い。どういうこと?
そんな’完璧’なナミホさんが羨ましくて仕方なくて、インターン時代から「私もナミホさんみたいになりたい」とずっと思っていました。

でも、いくら頑張っても、いくら真似してみても、ナミホさんにはなれなくて。
私、やっと気がついたんです。私はナミホさんとは違う人間なんだ、と。
いくら頑張っても、ナミホさんにはなれないんだ、と。

それに気がついてから周りを見渡してみると、普段一緒にお仕事しているテイラーさんも本当に人それぞれだということが見えてきました。

スピードを武器にして、質を落とさずに誰よりも早く製作出来る方法を知っているMark
とてつもない労力を使う新商品開発を一緒になって頭をこねくり回して考えてくれる粘り強さを持っているJohn
自分だけでは期限内に完成できないと分かると、自ら周りのテイラーさんを巻き込んで助けを求められるKerry
助けを求められたら見返りを求めずに全力で仲間に手を差し伸べられるJulius
ミスがあると素直に認め、自発的に解決策を提案してきてくれるDominic
私たちの立場に立って、問題を自分ごとにして解決に導いてくれるFaith…

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製作をするテイラーさんたちの姿

全員分挙げるときりがありません。
ひとりひとり良さが違くて、それぞれが自分の強みと個性を活かしてる。
比較しても仕方ない。人は人の良さがあって、自分は自分の良さがある。

そんな彼らの姿を見て、私も「誰々みたい」な人生は送らずに、「自分らしい人生」を送ろう!!!と思い直したのでした。

テイラーさんがテイラー業をやる理由

製作担当として毎日のようにテイラーさんのもとに通い、話していてハッとさせられたことがあります。

「なんでテイラーになったの?」

と聞くと、多くのテイラーさんが「自分のパッションだから」と言います。

「今まで辛かったことはないの?」

と聞くと、「ファッション/テイラー業が好きで仕方ないから、大変なことはあっても辛いと思ったことはない」と言います。

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テイラーさんたちの集まるビルにて

正直RAHA KENYAに入るまではファッションにも全く興味がなく、雑誌の一冊も自分で買ったことがなく、小学校の手芸の授業以外で針と糸に触れたことがなかった私は、テイラーさんたちの真の熱意を前に、「私のパッションもファッション/テイラー業だよ!」とはとても言えませんでした。

じゃあ、私のパッションって一体何なんだろう…?

そう問いかけながら毎日を過ごし、色んな人と話をする中で、今まで自分では「当たり前」だと思っていたことも他の人からすると全然当たり前ではないということを学びました。

旅行が好きなこと、
写真を撮るのが好きなこと、
新しい友達を積極的に作りに行くこと、
休みの日は必ず外出すること、
カフェで知らない人に話しかけること、
毎週のように友達と何時間も電話をすること、
言語の仕組みを知ることが面白いと思うこと…

そんな自分にとっての'当たり前'をひとつひとつ分析していくと同時に、時間をかけて自分の'好き'と向き合っていきました。

中でも自分の心が大きく動いたのが、スペイン語に触れたときでした。

話しているだけで、聞いているだけで、まるで恋をしているかのように胸が高鳴る。
「明日久しぶりにスペイン人の友達と話せる!」と考えただけでデート前日の女子のようにキュンキュンする。(ちょっとした変態)

スペイン語は、私のパッションだ。

RAHA KENYAに入るまではずっとスペイン語と関わるお仕事をしていたので、自分にとってそれがどれだけ大事な存在か、気がつきませんでした。
その気づきと想いに忠実に、次のキャリアではスペイン語にどっぷり浸かれる環境にて引き続き奮闘して参ります。

RAHA KENYAを通して見つけた世界

元々日本の大企業で働いていた私にとって、この1年7ヶ月で経験したRAHA KENYAの全てが新鮮でした。

・事業計画を立てる
・会社のビジョンを決める
・プロダクトプランを考える
・新商品のデザインをゼロから考える
・廃棄問題について向き合う
・新規事業にスピード感を持って挑戦する
etc...

みんなで「なんでそう思うか」を何時間にも何日間にも渡って掘り下げて、自分たちなりの答えを出す。
会社が形成されていく過程を自分ごととして捉え、全ての物事に理由を見つける。
ひとりでも納得いっていない人、同じ方向を向いていない人がいたら、納得いくまで話し合う。
時にはそれぞれが今仕事に対して思っていることを夜通し赤裸々に語り合う。
その全ての過程が、とても青春で、楽しかったです。

そんな中、リエさんナミホさんとRAHA KENYAのビジョンについて話し合いを重ねていた今年1月。
ようやく一つの答えにたどり着きました。
その’答え’を声に出して読んでみて、私は鳥肌が立ちました。

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実際のMTG議事録のスクリーンショット

正にその一語一句が、RAHA KENYAを通して私が経験した世界だったのです…!!!

私が、導かれたようにRAHA KENYAに出会い、
「自信探し」をする為にすがるような思いでメンバーに入れてもらい、
ケニアのテイラーさんたちと試行錯誤しながら商品製作を続け、
100%ありのままでいられる仲間と苦楽を共にした先に見つけたのは、
自分が好きなことへの気づきと、自分らしい人生を歩むことへの確信でした。

これからは、RAHA KENYAの社員としてではなく、RAHA KENYAが叶えたい世界を一緒に盛り上げる社会の一員として、関わって行きたいと思います。

最後に

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私に人生のチャンスを下さり、私を信じ続けて下さったリエさん。
私の横に寄り添い、時には一緒に泣き、時には涙を拭って下さったナミホさん。
私たちをいつも鼓舞し、的確なアドバイスを通して導いて下さったクニさん。
私たちを見守り、新しい視点や発見の機会を下さったハセリョーさん。
とてつもない吸収力で私の製作業務を引き継いでくれたキミちゃん。
私に毎日笑顔と癒しを与えてくれたジュアさん。

そして、

無知な私の話にいつも耳を傾け、時には難しいお願いにも嫌な顔ひとつせずに一緒に製作に励んでくれたテイラーさん。
私たちがケニアをベースとする中で、多くの日本でのPOPUPを成功に導いて下さった特別スタッフの皆さま。
いつも温かく私たちを包み込み、思いを馳せて商品の販売を楽しみにお待ち下さったお客様の皆さま。

本当にありがとうございました。

スペイン語では、「No es un adios, sino un hasta luego」という言葉があります。
「さようならではなく、またね」

またRAHA KENYAに携われる日を楽しみにしております!!1年7ヶ月の間、ありがとうございました!

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