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努力は嫌い。センスも才能も無い僕が1年かけて着ぐるみを完成させた話
前回の記事をお読み頂いた方、ありがとうございました。
何名かに粛々と届けばいいなーという気持ちで書いておりましたが、かなり多くの皆様に読んで頂けてるようで大変感謝しております。
「確かに!」という同意のご意見から「いやそれは違うと思う・・・」という反対のご意見まで様々で私としても大変勉強になりました。
今回はガラリと趣向を変えまして、
”技術やセンス0の僕が1から着ぐるみを完成させた方法”についてお話させて頂ければと思います。
誤解の無いよう、先に申し上げておきますが、
「ファーは○○を使え!」とか「これを買っておくと便利!」とか「こうすれば可愛いキャラが作れます!」って話は一切致しません。
この辺りの話は何年も製作を生業にしている方に聞く方が100倍有益なので僕がお話する必要は無いと考えております。
あくまで、「裁縫、造形の経験ゼロ」「努力なんて出来ればしたくない」って方向けに実際に僕の経験を交えつつお話出来ればと思います。
①私について
そもそもまず「お前誰だ?」って思ってる方もいらっしゃる可能性もあるので軽く自己紹介させていただきます。
僕は2020年1月末から"刻(とき)"という名前のウサギの着ぐるみを製作しておりました。
(しっかり宣伝もさせていただきます)
昔から何かを作ることが好きで、動画を作ってみたり小説を書いたり絵を描いてみたり色々やっていたのですが、昨年ついに着ぐるみ製作を始めたという次第になります。
「ラグスさんも着ぐるみ作ろうよ!」とは友人数名に数年前から言われていたのですが、裁縫経験が家庭科の授業のみ、造形経験なし、デザイン経験無しの僕には無理だと踏んでいたので断り続けていました。
ですが2019年末頃、友人の1人(すみませんが名前は伏せさせて頂きます)が、着ぐるみの製作を行ってみたいが自分には技術や才能が無くて無理だ。とかなりナイーブになっていました。
ですが僕には掛ける言葉が見つかりませんでした。
だって、同じく製作をした事が無い僕が「大丈夫だよ!出来るよ!」って言うのはあまりに無責任じゃないですか。
「いや、やった事無いお前に何が分かるん?ww」と言われたら返す言葉が無いです。
実証するには作るしかなかったわけです。目に見える形での結果が必要だったわけです。
だから僕は製作を決意しました。
もちろん明確に "こういうキャラが作りたい!"という目標があったのも事実ですが、前述のような思いがあって製作をしていたという事も知っておいて頂ければと思います。
ちなみにこの話、製作に"鬆"が出来るのがイヤだったので、当時製作に協力して頂いてた方々にもほぼお話してないです。すみませんでした。
②出来る!・・・が。
結論から言えば”ゼロからでも出来るが、かなり大変”です。
分かってました?
まぁそうですよね。言われなくてもこれくらい分かると思います。
でも実際、気力と根性って想像以上にかなり大事で僕も製作の先輩方から口酸っぱく言われてきました。
「ラグスは努力する才能があるから完成させられたんだろ!?」
って思われるかもしれませんが、僕は努力とか根性とかできる事ならやりたくないタイプです。いかに楽にゴールに到達できるかを常に考えてるような人間です。
そんな僕でも最終的に完成まで持っていけた方法をお話出来ればと思います。
③まず僕は逃げられない環境を作った
思い返せば着ぐるみ製作ってマラソンをしているような感覚でした。
コツコツと作業を何か月も積み重ねた結果、ようやくゴールに辿り着いたような。
(僕は結局、1年掛かりましたが)
例えば「これは完成までに5時間掛かります!」って言われると「まぁ5時間くらいなら我慢するか」ってなりますけど、「これは完成までに数か月~1年掛かります!」って言われると途端にうっ・・・となる人が多いのではないでしょうか。途中で投げ出す人もいるでしょう。
だから僕はまず自分で逃げ場を無くしました。
Twitter上にヘッドベースの材料の写真をアップし製作の宣言をしました。
これでもう製作を途中でやめるという選択肢は僕には無くなりました。
今だから言いますけど、ツイートボタンを押した時、"もう逃げられない"という事実に恐怖したのを今でもはっきり覚えています。
それだけでは足りないと思い、製作窓を立ち上げました。
有志に監視役になってもらい、さらに自分を追い込む為です。
誰かが作った製作窓への参加でも良いと思いますが、出来れば自分で立ち上げた方が僕は良いと思います。
そこにほぼ毎日、製作の過程をアップしてました。
(実際の画像です)
窓を作っても誰も来てくれないって方はTwitterに頻繁に製作過程をアップするでもいいと思います。
とにかく誰かの目に留まる場所に成果を残していって下さい。
大事なのは1人でやらない事です。もちろん、同じく製作を頑張ってる人を仲間にするのも良いでしょう。
とにかく監視、互助をしてくれる方を作ってください。
ここまでストイックにやれとまでは言いませんが、逃げ場を無くすってのは僕みたいな人間にはかなり有効だと思います。
④とにかく毎日やる
先ほども言ったように製作は毎日の作業の積み重ねです。単調な作業から難しい作業まで幅広くあります。
やる気が出なくて作業をお休みしたい日も出てくるかもしれません。
でも毎日続けてください。
やる気があろうが無かろうが、疲れて眠くて仕方ない日であろうが毎日です。
そんなの無理!ってなるかもしれませんが、なにも数時間の作業をやれとは言いません。
5分、いや1分でもいいです。
僕の場合、仕事の飲みが結構遅くまでかかり、帰ってすぐ寝たいって日があったのですが、毎日何かやることは決めていたので、とりあえず「今日は裁縫針に糸を通して終わり」にすることにしました。
すると人間不思議なもので、糸を通すだけで終わりたくない謎の意欲が湧くんですよね。
気付いたら1時間弱ファーを縫ってました。
もちろん、本当に糸を通して寝ても良いと思います。
とにかく毎日何か作業に係る事をするのを目指してみてください。
そうすると僕の場合、1か月くらいで変化が起こりました。
何もやらないって事が気持ち悪くなってきました。
食事や入浴みたいに生活のルーティンに組み込まれてしまったので、それをしないって事が気持ち悪くて仕方なくなってきます。
個人差はありますが、ここまで来ればほぼ勝ちだと思っていいと思います。
⑤それでも挫折してしまう人へ
逃げ場を無くしても駄目。毎日1分の作業も出来ないという方。
おそらく、やる気が無いんだと思います。
厳しく言ってるように聞こえますが、これは貴方に才能が無いっていう意味ではありません。
目標が無さすぎるんです。
「いやいや、自分のキャラを持ちたいって強い思いがある!!」
って意見が出るかもしれません。それでやる気が維持できるならもちろんそれでいいです。
ただ目標がちょっと曖昧だと思います。
「完成させてどうしたいのか?」ここまで明確な目標が欲しいです。
「○○のイベントに出してやりたい!」「可愛い写真、動画が撮りたい!」「人間をやめる体験をしたい!」っていうのでも良いですし
「キャラを持ってれば誰かにチヤホヤされるかも」「○○さんに振り向いてほしい」っていうちょっと邪に見える目標でも僕は全然良いと思います。
そもそも目標に高尚も低俗も無いです。貴方の目標を笑う権利は誰にもありません。
だた、他者に危害を加える、傷付ける目的はもちろん駄目です。最低限、道徳に反しないものにしてください。
⑥最後に
着ぐるみ製作はかなり大変です。
2体目を作れと言われたら、僕は間違いなくノータイムで嫌だと答えます。
ウレタンを組み立てることに躓き、解決したら削る作業に躓き、それも解決したら足の製作に躓き、手の製作に躓き、ファーの扱いに躓き………。
これがひたすら完成まで続きます。
でも僕はこの1年、製作を止めようと思ったことは1度も無いです。
それは徹底した環境作りと前述した目標のお陰だと思います。
完成させた後の達成感は半端ないです。
ありがたいことにTwitter上でも「可愛い!」「会いたい!」と言ってもらえたり大変嬉しい反応を多々頂いております。
ご存じの通り、コロナ禍で人が集まるイベントが無いので皆様のお目にかかる機会がまだまだ少ないのがとても残念です。
最初にも言いましたが、僕には間違いなく裁縫・造形のセンス、才能は無いです。
今回、同じ悩みを持つ方に向けて実際に僕が取ったメソッドを公開させて頂きました。
この方法が正解かどうかは今でも分かりません。
ただ、これが同じ境遇で悩んでいる方へ1ミリでも助けになれば嬉しいです。
大変長文になりましたがお読みいただきありがとうございました。