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会社のアイドル(35)からのファンサが、福利厚生なみに手厚かったときのはなし

※転職をしたため、元職場の話になります。

「komekoって、肌きれいだよね」

元職場は、スタッフ間のホスピタリティ精神が高い職場でした。
もはや福利厚生か?ってレベル。
どれくらいかと言うと、挨拶交わして息継ぎする間も無く、

「あれ、髪型変えた?似合ってるじゃん」
「その服おニュー?めっちゃかっこEジャン、どこで買ったの?」

息継ぎより褒めることの優先順位が高いってそんなことある?
会社とそういう契約を内密に結んでるの?という人たちが集まっていました。みんな出木杉君すぎる。

ーー時を戻そう。

冒頭の「肌きれい」というのは、過去に何人かの同僚、先輩に言われたことがありました。
普段褒め慣れしていない私にとって、何度か言われるうちに、

「も・・・もしや私、本当に肌きれいなんじゃないか・・・?」

などと調子に乗っていた時期もありました(遠い目)。


ただ、今になって気付いたことがあります。

「肌きれい」と言われて調子に乗ったあの頃、

そう、現在は全く誰にも言われなくなったけれど(かなしみ)、
あの頃私の身近にあったもの、それは・・・


会社にいた「アイドル」の存在だったと。


アイドルとは、「偶像」「崇拝される人や物」「あこがれの的」「熱狂的なファンをもつ人」を指す。

出典:Wikipedia先生
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AB

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すごいゾ、「アイドル」

そう・・・私の肌が(一応)最盛期だったのは、「アイドル」のおかげだと気付きました。

正しく書くと、「会社のアイドルからファンサをもらっていたこと」によるものでした。

また新たに出てきた単語に「???」になった方、ごめんなさい。健康的な反応です。
まず、「ファンサ」は、オタク界隈では「この前推しからファンサもらったー!」というような用法で使われます。正しくは「ファンサービス」と書きます。普段の生活じゃなかなか耳にしないこの言葉ですが、

ファンサービスとは、著名人がファンのために特別におこなう振る舞い、サービスのこと。
出典:ピクシブ百科事典先生
https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9

絵で表現すると、こう。(いらすとやさん、なんでもあるな)

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たくさんの観客の中から「自分ひとり」のために反応してくれること。指ハートやウィンクなど、ひとりひとりに目を合わせて、
「君(ファン)のことちゃんと見えてるよ、ありがとう」といった意で、アイドルがファンの想いを汲んで応えてくれる、そんな行為の一種です。

ガチャでいえば、期間限定イベント限定排出型SSR(確率3%ぐらい)、いや会場にいる人数によっては、それすら上回る希少価値。

普段自分とは接点がなかなかないアイドルを間近で見られるだけでなく、自分の想いに(僅かでも)応えてくださるのはもう……。

今風で言えばエモい。尊い。

もしくはたまんねぇ。の一言に尽きる。


アイドルは身近にいた


私の場合、なんと身近に「アイドル」がいました。

それも勤めていた会社に。

週5日×8時間、同じフロア。席なんて対角線上向かい側に。

めっちゃ近。

頑張って目を凝らしたら、アイドルの鼻毛まで見えるんじゃないか……い、いやそんなことしてないけど。

あ、ちゃんと説明すると、「会社のアイドル」は私が勝手につけたあだ名です。

35歳。独身。男性。どこかのアイドル養成所に入所していた経歴は無かった模様(もし元ジャ●ーズとか期待してこちらご覧になっていたら本当にすみません)。

ただ、たまんねぇほどイケメンだったのは確か

芸能人で言うと、国分●一さん似。アウトドア大好き。人に優しい。部署内の成績トップ。悪い噂も無い。部署や、先輩後輩問わずお誘いがすっごい。

「アイドル先輩、私もアウトドア好きなので今度一緒にキャンプ行きませんか~?」

「アイドルくん、ここの資料なんだけど分からなくってー、ちょっと来てー!」

「あの、今度の商談、アイドルさんが来てくれるととても心強いのですが……一緒に来てくれますか?」

なんでこの人結婚してないの?結婚したら死ぬ契約でも結んだの?私の中では生きる七不思議の代表選手でした。

そんなアイドル(あだ名)。


すっごいきさく

で、

……なんかね。この人も福利厚生?ってぐらいすごい手厚いの。

ファン(私たち)への対応が。


ーー例えば、さっきのお誘いの反応では。

「わっ!ありがとう、俺もキャンプ好きだから嬉しいな!」

本当に嬉しそうにニコニコ笑顔で反応したり、

「ごめん。その日は別の用事があって……誘ってくれてありがとう。相談があったらまた声掛けてくれると嬉しい」

予定が合わなければ相手の目線の高さで手を合わせ、申し訳なさそうに苦笑いする。

答えがNOだったとしても、断られた女の子は「わ、分かりました!また誘いますね!」とどこか嬉しそうな表情を浮かべて、後ろで成り行きを見守っていた同僚と自分のデスクへ戻っていく。最後に女の子が会釈すると、ばいばいと手を振るアイドル。きゃあ、と上がる黄色い悲鳴。

……

…………妄想じゃないし、嘘じゃないんだって!!

本当に、こんな現場何回見たことか!!!!

見てる人はもしかしたら、「そりゃ可愛い子にされたら、ねぇ~?」と邪推するひともいるかもしれない。私もそうだった。けどこのアイドルのすごいところ、いやアイドルと名付けたからか(筆者は混乱している)、誰にでも対応が手厚かった。モブ子、ことkomekoにも。


ーーこれはある日、アイドルと廊下ですれ違ったときの話。

トイレに行こうと、私は廊下を歩いていた。目の前から、(たぶんトイレから出てきた)アイドルが歩いてくるシーン。

私「あ、アイドルさん、お疲れさまd・・・」

くるっ(突如アイドル背を向けて、廊下の曲がり角まで逆走)

こそっ・・・(曲がり角からこっそりこっちを見ている)

私「??・・・(疑問に思いながら近づく)」

ババっ!突然、目の前に現れる影!

ばあっ!・・・えへへ(上目遣い)、驚いた?」


・・・文章の雑さには目を瞑ってほしい。

もう一度アイドルについて説明します。国分●一さんに似ている、もしくは本人が急に(見えているにも関わらず)廊下から悪戯っ子のように驚かしてくる。極め付けに「えへへ(上目遣い)」なんて、

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もう1回ーーー!!!!(アンコール)

(当時)35歳の男が何やってるんだ、可愛やろがい!

……なんて、先輩に対して言えるはずなく。人間、目の前に自分のキャパシティオーバーなイッケメ~ンが現れると、普段は出ない声とかが出る。「ひんっ」とか「デュハっ」とか。我に返って、「お、驚きましたよぉ〜〜〜もうやだなぁ〜〜」と言えたかも怪しい。気付いたらデスクに突っ伏してました。

他にも、

・目があったらスマイル+おててをふりふり。

・スキップで廊下を競争したり(理由は忘れた)。

・デスクで眠気を我慢して自分の頬を抓りながら仕事をしていたら、アイドルと目があって、自分の頬をつねって「ガンバレ」って笑ってきたり。


対応が手厚すぎたんですわ。

そりゃあ、お肌もブリンブリンにキレイになるし、ファンになりますわ。


心の中で「こっち見て」ってうちわを掲げながら、チラチラアイドルの方を見ても目が合わない時もありましたが、それすらも最高でした。飴ばっかりでなく、たまに貰えるものだからこそ嬉びも一塩。ファンサは。

ファンサを深読みしすぎて、拗らせていた時期もありました。

「アイドル・・・も、もしや、私のこと、ちょっとはす、す・・・」

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あれからX年

仕事に関しては色々勉強させていただいた元職場でしたが、アイドルたちのおかげで楽しい思い出がいっぱいあります。お肌もキレイ(だった)になるし、内面も美しい人を見るとテンション上がる。いいこと尽くしでした。

私は転職しましたが、本当に今思い返すと楽しい時間だったなあ。


え?アイドルのその後を知りたいですか?


風の噂で聞いた話ですが、結ばれたらしいです。元職場の男性と。


現場からは以上です。




そう言えばアイドル、高校生だったらブス花。の上野くんに似てるかも。

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次は、アフタヌーンティーに一番合う飲み物は味噌汁だといういう結論に至ったはなしを書いてみたいなあ。


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