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騎士と傭兵と冒険者の剣術体験記:はじめての西洋剣術を受講してきました

 台風10号の影響も受けた金曜未明からの大雨で冷や冷やさせられましたが、今日のはじめての西洋剣術講座、無事に開講されたので参加してきました。
 講師はファイトディレクターの新美智士先生。
 どんな方かというと、こんな方です。

 また、一昨年には同じ朝日カルチャーセンターでのレイピア剣術講座も受講しておりました。
 これも楽しかったですし、実技と歴史の双方のリンクが面白かったです。

 また、新美先生は3版時代からのD&Dユーザーだったそうで、TRPG方面にも大変明るそうでした。
 実際、こういう講座も行ってましたしねえ。

 これは本当に参加したかったです。ただ、日曜の夜に東上野で開講ってスケジュールは、八王子住まいの勤め人には厳しかったです。
 今度は土曜に開講していただければ是非参加したいですし、さらに言えば新美先生を含めた実際の剣術家や武術家を招いたD&Dプレイ動画とか、誌上リプレイ掲載とかもしてほしいです。月刊秘伝とかで実現したらD&Dの新規ユーザー獲得にも繋がりそうなんだよなあ。

 さて、今回のお題は中世ヨーロッパ剣術でした。
 中世っていつ頃かと具体的に言えば、エドワード黒太子やジャンヌ・ダルクなどで有名な英仏百年戦争の時代です。
 そして、今回教わったのはイングランド式のブロードソードの両手使い長剣術とダガー術で、作品名で言えば薔薇王の葬列の時代かちょっと後ってところなのかな。
 言い換えれば、騎士や傭兵たちの剣術ってところですが、TRPGユーザーであるてんぐにとっては冒険者の剣術でもあります。D&Dで言ったら、ファイターとかパラディンの剣術なのかな。

 そんな騎士と傭兵と冒険者の剣術体験編ですが、「これは教わらなかったらわからないままだったな」ってところから入ってくるので、目から鱗が落ち続けてました。ブロードソードの基礎となる剣筋は左右のダッキングでかわせて脇を突ける袈裟切りではなく二の腕を狙う横薙ぎだという心得や、長剣の刀身の半ばを掴んで相手の剣をさばいて剣先か逆に柄頭を打ち込むハーフソードという技術は特にそうでした。
 また近接格闘時に用いられるダガーで突かれたときは同じくダガーを持った腕で防御してフリーになってる逆の手で相手の身体を掴んでコントロールするというダガー術は中世の軍隊格闘術といった趣きがありました。この辺、ローグの短刀使いとはまた違うんだろうなあ。

 でも特に面白かったのは、両手剣を振るう際の手の位置の置き方。
 門弟同士の稽古中の事故死で「事故死に見せかけて刀身に毒を塗って被害者を毒殺した」なんて謀殺疑惑が自分に掛からないようにしたい教師は、束にした稽古用の剣を床に乱暴にバラまいて弟子に拾わせて弟子がどの剣を拾うかわからないようにするという町道場の剣術教師の心得や、「教わらないとわからないこと」即ち技術体系の本質を出し惜しみせず最初の最初に教えるというアメリカの武術教育文化、そういったものの日本のそれとの違いを感じられたことでした。
 こういう違いを感じられるときが、外国由来の文化に触れる醍醐味のひとつなんですよね。

 実際に身体を動かし、人と話をしながら何かの楽しみを共有する。
 そういう体験に最近は餓えてましたし、その大切さを痛感していました。
 それだけに、この講座に参加できて良かったです。先生と同じく参加した皆さんに感謝申し上げます。

 

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