書籍の信頼性を図る目安としての校正と校閲
本屋から引き取った文庫版「海神の子」を少しずつ読み進めてますが、こういう出版社から出る時代小説って、文章が大変読みやすいです。
「この文章や用語用法って間違ってるだろ」と素人でもわかるような凡庸なミスがない。これって簡単なようでなかなか難しいものです。作家の意識だけでなく、校正や校閲を厳格に行う仕組みが整ってないと、こうはいかない。
文芸春秋の時代小説に限らず、ハヤカワさんから出る海外作品の翻訳、それに古本市などでお目にかかる古い小説もそういう例は多いです。まあ、古い本って、字が小さいという点では読みにくいんですけどね。やはりハズキルーペ買うかなあ。
校正と校閲。出版業界における基本中の基本にあたるこの作業こそ、その出版社とその書籍の、正確さと誠実さと面白さ全てを内包した信頼性を図る第一の目安となる。てんぐはそう思うのです。