「アベ政治」的な政治観の終幕〜与野党党首選の総括
自民党総裁、そして事実上の次期首相を選ぶ総裁選は、石破茂元幹事長が勝者となりました。
正直なところ、立憲党員としては「一番手強そうなのが勝ち上がったな」というのが本音です。残った二大候補のどちらかが勝っても、中道路線を取る野田立憲が離反した保守層を取り込みやすかったでしょう。
ただ、その二大候補が総理総裁になった後で、日本という国そのものを崩壊されてしまっては政権交代も何もないわけで、そうならずに済んだという点は幸いだったなと胸を撫で下ろしております。
さて、立憲と自民の双方同時期に行われた党首選の結果は「左右または与野党双方からの『アベ政治』的な政治観への挟撃」と見ることができます。
今日の決選投票で敗れた高市早苗とは、結局のところは「劣化版の安倍晋三」でしかありません。
一方で、立憲代表選で野田佳彦の勝利を受けて「全てが終わった」と嘆き節に浸るSNS上のラディカル左派層も「反アベという立ち位置のアベ政治の一部」でしかありません。
石破茂と野田佳彦という、SNS上では嫌われてきた政治家が与野党の党首となったという事実は、「インターネットの政治的社会的な影響力」というものへの幻想が解けていくということも言えます。
ここから先の政治は、本来そうであるべき常識的な方向性へと回帰していくのでしょう。また、そうなってもらわなければなりません。
その中で、「アベ政治」的な政治観は終幕を告げ、同時に「アベ政治」に依存してきた人々にとっては、この常識的な政治の土台となる人生経験と地域社会が育む幅広い視野と専門知識、それらに裏打ちされた言葉を育むことが求められていきます。
それができるか否かが、これまで政治を語り正しさを叫んできた人々が、これからも政治に関わる資格を得るか否かの分岐点となるでしょう。