新成人のメディア観が興味深いです
実際のところ、新成人はどのようなメディア観を持っているのか。どの媒体に対して、どのように親しみ、そして信頼しているのか。
予断や偏見を除いたデータはないかなと思ったら、こんな結果をたまたま見つけました。これがなかなか興味深いものがありました。
まず、SNS(特にTwitter)ではオワコン扱いされてきたテレビですが、新成人が一番信頼するニュースソースは、そのテレビ(54.4%)でした。逆にSNSはというと、それより遥かに低い12.6%。そして、個人ブログなどは更に低いです。
この結果は何から生まれたのかと考えてみたんですが、今の新成人はメディアリテラシー教育を学校で受けてきた世代でもあります。
かつてはテレビ業界の忖度と欺瞞と偽善に対する反感から、それらから解放されたメディアとして期待されたインターネットも、今となっては独善と扇動と無責任が覆っていると見なされているのかもしれません。
そもそも、映像媒体に限ってもNetflixやAmazon Prime videoなどの動画配信サイトがあふれている昨今、自分自身で見たいものを選ぶだけでもお金も時間も掛かります。
タイパを重視する人にとっては、これはかなりのストレスとなります。
そう考えると、向こうで見る番組を選定してくれる(しかも無料で見られる)地上波民放は、最善ではないにしてもベターとは言える選択肢でしょう。
もう少しすると、この世代がテレビの主要視聴者層となっていくのかもしれません。
といって、新成人がSNSを全面的に拒否する様子も確認できません。
では、どのアプリを利用しているかを見ていると、昨年InstagramがX(旧Twitter)を追い越したのは、上記のリテラシー教育の賜物かなと思ったのですが、今年はInstagramもXも順位こそ変わらないもののポイントを僅かながら減らしています。
それと対照的に、急激にシェアを広げているのがTikTokと、そして新興SNSのBe Realです。
Be Realはあまり聞いたことのないアプリなので調べてみたら、こういうものでした。
どうやら、友人同士の交流向きのアプリのようです。
このBe Realの支持ポイントは16.8%、Instagramから派生したテキストベースの開放型アプリのThreadsの9.6%を大きく凌駕しています。
テキストによって不特定多数と交流することを新成人は好まない、ということでしょうか。
新成人のメディア観、そして社会観について、この結果だけから考えるのも禁物です。
それを理解するためにはもっと多くの情報が必要となりますし、それを得るためにも、自分の領域の外界に対して扉を開き交流していくべきですね。