てんぐのノイエ銀英伝語り:第30話 細い一本の糸~この世界観なら銀英伝TRPGできそうだな
放送時間の予告なき変更もありましたが、今週もノイエ銀英伝を録画視聴できました。
まあ、今ならTverだけでなくAmazon Primeでも地上波放送エピソードの見放題配信もあるんで、録り逃しても致命的ってことはないですけどね。
銀英伝TRPGやるならうってつけ、100万マルクの魔都フェザーン
今週のノイエ銀英伝を見てると、「もし銀英伝TRPGをやるなら、こんな感じでできそう」って思えました。
TRPGでは戦争指導のような国家レベルのスケールの話をやるのは不向きです。そういうのはボードゲームの方が向いています。実際、銀英伝のボードゲームというのも出てましたし。
でも、銀河で最も富が集まり、カルト結社の司教や諜報機関のスパイが銀河の魔都フェザーン100万マルクの夜景の影で蠢くアーバンアクションものにするならどうでしょう。
ちなみに、ノイエ版フェザーンのイメージとしては、「旧銀河連邦の都市文化」の他に現在のドバイがあるとのことです。
なので、隣で見ていたうちの奥さんは、「グレンダイザーUが出てきそう」「ベガ星連合軍でもやってこないかな」などと言っておりました。
てんぐの場合はというと、日曜昼のお楽しみにしてるこの空港ドキュメンタリーを連想しました。
フェザーン宇宙港にも、色々な騒動もといドラマがありそうです。
株式市場などでのマネーゲーム、日常的に発生する殺人事件や事故、あるいは宇宙港の警備や運営、そういった100万マルクの魔都の中で起こる悲喜こもごもが、銀河の歴史を動かす大渦に繋がっている。
そんな世界観のアーバンアクションとしての銀英伝TRPG、実現したら面白くなると思うんですよね、
具体的な例を挙げるなら、トーキョーN◎VAっぽい感じになるでしょうか。
トーキョーN◎VAも、てんぐのとっては思い出深いTRPGなのですよ。
初めて遊んだときは、まだN◎VAに日本軍が進駐する前の2nd Editionでした。ノイエのフェザーンを見てると、あの頃のN◎VAを思い出すなあ。
魔都フェザーンの住人その1:令和のルパートはこうなるのか
MOVIEWでの今週の記事でも紹介された新任の自治領主付き補佐官、ルパート・ケッセルリンク。
ノイエではこのキャラはどうなるのかなって思ってましたが、ツーブロックの髪型とか、プライベートで筋トレしながらボディメイクしたりと、色々な意味で「そうか、こうなるのか」って納得というか、しっくりきました。
ノイエのキャラクターって、「銀河の激動に身を投じる英雄たち」という以前に「銀河という社会の中でそれぞれの生き方をしてる人間たち」という面が強調されています。ルパートもまた例外ではありませんでした。
ちなみに、拙宅のルパート評は、「大学在学中に起業してた」「自分磨き全般が絶対好き」「SNSならInstagramが一番好きそう」という線です。
魔都フェザーンの住人その2:亡命者群像
リップシュタット戦役に敗れた貴族連合軍の生き残りや、著しく権勢を失った門閥貴族の面々も、フェザーンに亡命してきました。
今回のエピソードは、今後登場する、そしてそれ以前も活動していたであろう「フェザーンの秘密工作員」なる存在の出自が何だったかも仄めかすものとなっていました。
シューマッハ大佐の事例は、その典型的な例でしょう。
千人単位の部下を養うための大規模農場経営の出資金の出所が自治領主府だってことくらいは、実は情報戦経験もあるらしいシューマッハ大佐なら察しがついていたはずです。
中立という政治的な立場と巨万の富によってアンタッチャブルな存在となっているフェザーンを頼るしかなくなった亡命者を、自治領主府は直接間接を問わず手駒として使ってきたんでしょう。
そういえば、クロプシュトック事件の折に、クロプシュトック侯爵側には「傭兵隊」がついていたそうです。専制国家の帝国にいる「傭兵隊」って何なんだと思ってましたが、実のところはフェザーン資本が保有してる民間軍事会社みたいな存在だって考えることもできるでしょう。
そして、軍部内の政治闘争に敗れたり巻き込まれたりした元帝国軍人がそういう傭兵隊≒フェザーン民間軍事会社に再就職した場合も、亡命と言えるのかもしれません。
もと帝国軍人の亡命者の例がシューマッハ大佐なら、門閥貴族の亡命者としては任地からそのまま亡命した元高等弁務官のレムシャイド伯とランズベルク伯。
レムシャイド伯は特に貴族連合軍に加担していたわけではないんでしょうが、ルパートへの口ぶりから想像すると、ラインハルト独裁政権が成立した時点で出奔して亡命者となったようです。しかし、外交機密を脳内に抱えているであろう重要人物が亡命できたのは、考えてみれば凄い話です。レムシャイド伯の器量と人脈を含めた手腕が窺えます。あるいは、在フェザーン高等弁務官府全体が何とはなく反ラインハルト派なのか、あるいはオーディンの帝国政府への対抗意識が強いのかも。
一方、もうひとりの伯爵さまであるランズベルク伯は……「悪い人ではないけど付き合いにくい」って思うくらい初対面から相手との距離感を間違えてる人っていますよね。あのとっちゃん坊やはその類なんですよ。
この人も、フレーゲルとは別ベクトルで、「他人の感情や人格に対する想像力がない」って貴族の通弊からは逃れられてないんでしょう。というか、そんな想像力があったら、あのシュターデン案に対して率先して軽率に名乗り上げて貴族連合軍の統制に亀裂入れたりしないんだよなあ。
というか、シューマッハ大佐もあの顛末知ってたよね?
この時点で「こんなとっちゃん坊や連れてくるなんて、フェザーンは何考えてるんだ?」って疑い出しても不思議はなさそう。
魔都フェザーンの住人その3:依頼人型NPCとしての歌姫ドミニク
第1シーズンで、いまも酒場ドラクールでステージに立ってることをルビンスキーに揶揄われて「自由まで売った覚えはないわ」とクールに言い返したノイエ版ドミニクですが、独立商人を装った帝国軍の密偵の謀殺に加担し、その末路を見届けた様は慄然とさせられました。
ドミニクは単にルビンスキーの愛人というだけでなく、恐らくは非合法な活動をも担う完全に私的なコネクションの一端でもあることが、今回のエピソードからは伺えます。
ここで原作をふり返ると、彼女にはフェザーンの地下社会を動かす力があることは暗示された下りがありました。
歌姫ドミニクもまた魔都フェザーンの闇の住人の一員なんです。
TRPG的に言うなら、依頼人型のNPC向きのタイプなのかな。そうなると、酒場ドラクールってのは、いわゆる「冒険者の店」みたいなものなんでしょうか。フェザーンのアンダーグラウンドで生きる冒険者がドラクールで噂話を肴に酒を飲んでると、さっきまでステージで歌ってた歌姫が歩み寄り、ある「お願い」を持ちかけてきた――なんて展開が、銀英伝TRPGの導入の基本になったりしそうです。
オーベルシュタインの犬の話~完全に素で言い間違えました
今週も長文感想記事を書いたのは、奥さんとの会話で、オーベルシュタインの犬のダルメシアンを、完全に素でダルメシマンと言い間違えたラグ@てんぐでした。
自宅に帰る度にコレが待ってたり、「俺は良質なたんぱく質である柔らかく煮込んだササミか鶏ムネ肉しか食わないんだ」とか言い出したら“あの”オーベルシュタインでも平静ではいられないかなと思いましたが、それでも平静さを失わないのが“あの”オーベルシュタインと執事ラーベナルトな気もします。