野田立憲の執行部人事って、とんでもなかったんだなあ
先週半ば過ぎから週末にかけて飛び込んだ、総選挙後の国会内各委員長および憲法審査会会長ポストについてのニュースには、震えが走るほどのダイナミズムを感じました。これから先の国会では、もう「野党は批判だけ」という雑語りは通用しなくなります。これまでの停滞が嘘のように、国民社会では先行して合意形成が実現してる案件についても進むことが期待できます。ということは、この希望を現実化させることが、野党側が得た中で最も多くの委員長ポストを得た立憲民主党にも背負わされます。責任重大ですな。
それにしても、9月の代表選を制した野田代表の執行部人事については、野党側の政治クラスタからも不評でした。下手くそとかお友達人事とか2012年で意識がアップデートできてないとか。確かに、代表選を争った枝野幸男、泉健太、吉田はるみといった面々が執行部中枢から外された人事に対して、「これではノーサイドにならない」という声は上がっていました。
てんぐはというと、「政権交代を実現できれば、今回外された面々には閣僚ポストが得られる可能性がある。だから総選挙では切り取り次第、手柄次第の精神で行けよ」とは言った覚えはありますが、それも半分くらいは自分の不安を紛らわすためのものでした。
また、野党共闘に対しても懐疑的とされた野田代表のもとで野党分裂状態での選挙戦を戦えるのか、という不安もありました。
それが、蓋を開ければ、かなりの不安要素だったはずの小川淳也幹事長を始めとした執行部は総選挙において十全に機能していました。総選挙では野党分裂、特に共産党との競合があっても議席数の大幅増と、何より自公過半数割れを達成するという、解散前の状況から考えれば完全勝利と言って良い内容でした。「スローガンである政権交代が果たせていない以上は敗北だ」という、主にSNS上でのリベラル左派から出る反論については難癖以上のものではないでしょう。
そして、この成果によって獲得した、かつては自公政権によって独占され、かつ立法府(国会)が行政府(内閣)に追従し続けてきた安倍政権の風潮を完全に払拭できそうな国会内委員長ポストの獲得と、そこへ執行部人事から外した党内からも信望ある面々を送り込む。
そして、この委員長ポスト獲得で国会が変化すれば、これもまた野田代表の成功となるでしょうし、現在の執行部によって支えられる野田体制も盤石となるでしょう。
それやこれやを考えていると、「野田代表はそこまで考えてあの執行部人事を通したんだろうか」と、畏敬の念すら覚えます。
2012年総選挙の大敗の印象があまりにも強い野田さんですが、それでもこの人は総理経験者です。そんな人だからできる、素人のネット政談では想像もできないくらいの、本当にとんでもない執行部人事でした。
代表選の4人の候補のうち、最も勝つべきだったのは野田佳彦だった。
立憲民主党は、党内民主主義に基づき正しい判断を下せた。
そう言い切っても良いのではないでしょうか。
そんな野田代表の、個人的にかなり好きなInstagramのリール動画がこちらです。
なんでバナナ食ってる姿がここまでしっくりくるんだろう、この人。