武侠TRPGへの道:D&D2024年版での「武侠ネタ」の可能性について
2024年に予定されているD&D新バージョン、通称D&D2024リリースへ向けて、プレイテスト資料が公表されています。
そして、直近の公表データの中にてんぐ最推しクラスのモンクが入っていたとのことで、昨夜は炯遊えいりさんの動画を拝見していました。
カンフー映画寄りの武侠クラスタとしては、このお題は見逃せません。
もともと、てんぐがD&Dに興味を持ちだした理由も、「武侠TRPGがやりたい!」でしたし。
で実際にえいりさんの解説を拝見した結果、D&D2024ではモンクひとつ依存せず他のクラスでも普通に武侠ネタはできるようになる、その可能性を強く感じました。
というわけで、今日はそれをちょっとご紹介します。
D&D2024版モンク
まず、2024版モンクは、必ずしもカンフーマスター、中国武術家を想定したものにはならなくなりました。
具体的には、“気”ポイントが“練達”ポイントという普遍的な名称に変更されています。
これによって、東アジア以外の地域の武術や格闘術、例えば東南アジアのシラットや古代ギリシャのパンクラチオンの再現もしやすくなることが予想されます。
その上で武侠的なネタを追求するなら、ダメージ種別を[力場]に変更する<強化打撃>が目に留まりました。
これは武侠小説の金字塔、射鵰英雄伝の郭靖、そしてBS11での放送もそろそろ佳境に差し掛かる天龍八部の主人公三人組のひとり蕭峯の必殺技である降龍十八掌の再現に打ってつけです。
一方で、武器の習熟範囲から5eにあったショートソードが外れ、単純武器のみとなっています。2024版では剣聖門に相当するサブクラスも当面はなさそうですし、この点では弱体化と言えなくもありません。
でも、その弱体化が問題にならないくらいに2024版モンクは強いです。
飯を食わなくても生存可能になり、空中も水中も高速移動可能、挙句に属性攻撃も投げ返せる。最高レベルに到達すればHP0から自動復活も可能。
モンク推しのてんぐでさえも「これ強すぎだろ?」と声が出たくらいです。
多分これ、下方修正されそうだな。
D&D2024版バード
武侠ネタ、それも武林ではなく江湖渡世をイメージする際の適性の高いクラスのひとつがバードです。
そのバードの新サブクラスが「踊りの楽派」。
これは、要約すると踊りをそのまま格闘術、特に蹴り技に応用しちゃった戦い方ができるサブクラスです。
江湖渡世の稼業の中には、武芸を披露する大道芸も含まれます。「月に咲く花の如く」の主人公周瑩とそのオヤジも、物語のスタート時はそんな稼業をやって江湖を渡っていました。
……そういえば、周瑩の得意技も前蹴りだったっけなあ。
ちなみに、この月に咲く花の如く。
TRPGクラスタには中盤戦の山賊の根城攻略戦、西域の街での偽物探しを経ての、ホームグラウンドでの洋布戦争が参考になること請け合いです。
D&D2024版ローグ
モンクは軍用武器全般は習熟範囲から外れ、バードの踊りの楽派もカスタマイズなしではロングソードの習熟もなし。
こうなると、「江湖の剣客」をやるにはファイター:バトルマスターにでもするしかないかなと思っていましたが、もうひとつ選択肢があります。それがローグの戦闘系サブクラス、スワッシュバックラーです。
ローグの戦闘時の切り札<急所攻撃>も強化されてますし、そもそも江湖渡世には剣法だけでなく世間の裏表にも通じる必要があります。
そのアウトロー的な剣客像にもローグ:スワッシュバックラーはマッチしてそうです。
その他のクラス
上記の3クラス以外にも、武侠的なキャラクターは作りやすくなりそうです。
例えば、前述しましたように、ファイター:バトルマスターなら素手から器械まで含めた武芸十八般を網羅した正統派の武人が作れそうです。
また、パラディンやクレリックもまた、気高い志や宗教的な背景を持った門派も表現できるでしょう。
もはや武侠ネタは、特定のクラスのみで表現できるニッチなネタではなく、聖騎士や盗人などのアウトロー同様にごく普遍的に表現できるネタとなる、少なくともその可能性をD&D2024からは強く感じました。
そんなわけで、武侠クラスタもD&Dにハマってほしいなあ。
すでに映画の配信もスタートしてることだしね。
追記:リアルモンクの祭典
今年の7月14日~16日の三日間に、東京千駄ヶ谷の東京体育館にて全日本武術太極拳選手権大会が開催されます。
そして最終日の16日は、YouTubeの日本武術太極拳連盟の公式チャンネルにてライブ配信される模様です。
首都圏在住の方は会場にて、そうでない方はYouTubeにて、このリアルモンクの祭典を一緒に見ましょう。