他サポ夫婦の結婚式
6月。ジューンブライドである。
清水エスパルスサポーターの友人が、この度めでたく結婚式を挙げる事になった。
色々あって延期されていた式なので、本当に喜ばしい。このご時世では準備も大変だっただろう。忙しい新郎新婦に比べれば微々たるものだが、こんな私もちょっとした大役を任された。
そう、友人代表スピーチだ。
「新郎の〇〇くんは会社ではこんな奴で…」
「新婦の〇〇さんとは高校時代の部活仲間で…」
と、新郎新婦の人柄を語るアレである。
アレである、とか書いたが、私が最後に参加した結婚式ははるか昔…しかも、準備はほぼ身内に任せてしまっていた。ほとんど記憶がない。
なので、当時の友人代表スピーチというものを全然覚えていなかった。式場の料理がどれも美味しかった事は覚えている。
正直な話、人前で話すことはそんなに得意ではない。暗記して覚えたことを喋るというのは特に苦手だ。
その話を受けた時、動揺してすぐに返事はできなかった。
が、「招待する友人達の中でらぎーさんが一番喋れるから」という理由を聞いたら、断ることはできない。
ふと思い出したのは、共通の友人・I氏のこと。彼女も招待客だ。
……うん、無理だ。私以上に人前で喋るなんて無理だ。
こんな私が一番マシ判定を受けるということは、他の友人達も本当にめちゃくちゃにシャイなのだろう。
そんな恥ずかしがり屋の友人達と、スタジアムでバカみたいな大声でチャントを歌う人間なら、そりゃ後者を選ぶ。
それに、スピーチは何も暗記せずともよい、手紙という形もあり。との事だったので、それなら私にもできそうだと承諾することになった。
数週間かけて手紙を書き、上等な服やご祝儀などを準備し、諸々を予約。
その準備期間も
「ご祝儀って新札なんだ!?新札ってどこで手に入るの!?」
「袱紗って何!?」
「新潟に結婚式用の色々レンタルできるとこ無いよ~~!(あった)」
「鞄は買う!!(これが後々大変なことになる)」
などと大騒ぎしつつも、社会人としての教養を学べたと思う。
これはうっかり者の新潟サポ(私)が、とても素晴らしかった友人のーー…他サポ夫婦の結婚式に参列した感想noteである。
※呆れるほど長い
式場に行こう
6月某日某所にて。
準備から最後まで付き合ってくれる友人I氏と式場に向かう。
私は遠方からの参列なので、式場で着替えることにした。施設によっては更衣室の予約が必要なので、このへんは事前に調べたほうがいい。
ゲストで更衣室を使っていたのは、私とI氏だけだったと思う。スムーズに借りられた。
余談だが、「オレンジ色のゲストドレスってあるんですか?」と新潟のレンタルショップに訊いたら、無いという返事だった。
用意されたいくつもの衣装を見ると、あまり鮮やかではない。やや暗い色か淡い色、くすんだ色が多い。花嫁が主役なので、ゲストが着る衣装というのは落ち着いた色合いが多いらしい。元気オレンジを着るのは完全にアホである。
「私実はヴェルディサポなんですよ」と言ったら納得してくれそうな色合いの衣装を選んだ。松本山雅でもいい。形が気に入った。
I氏はシックな藍色のドレス。真珠のネックレスがとっても映える。
さて、雨が降って気が急いて、式場に2時間以上前に着いてしまった我々。
龍が如くの話などして待っていると、ゲスト用の待合室(ウェイティングルームというらしい)が準備できたらしく、スタッフさんに呼ばれた。
その前に、式場にもっていかない荷物をクロークに預ける。
しかしここで問題が。なんと、貴重品は預けられないとのこと。
えっじゃあこのでか長財布、式の鞄に入れて持ち歩くんすか!?
無理だ……!!
ハードオフで千円だったこの結婚式用のバッグ、間口がめちゃめちゃに狭い!小さい!スマホとハンカチ・ティッシュしか入らん!
っていうかご祝儀も入らない!あほ~~~~!!!いやハードオフは悪くない!自分がアホ~~~!!
結局、貴重品もご祝儀も大きめのバッグを持っていたI氏に預かってもらうことになった。I氏はこの件でパフェでも奢ってもらおうかしらね!くらいは言えるだろう。奢らせてくれ。
ウェイティングルーム
そこはとても豪華だった。
シックなソファとテーブル、カウンターにはノンアルコールの飲み物が用意され、天井にはシャンデリア。貴族の待合室だ!楽しくなってきた!
ここらへんで他のゲストもワイワイと姿を見せてくる。女性は華やかな装い、男性はシュッとしたスーツ。
この部屋はゲストを歓迎するように、本日の主役である新郎・新婦の旅行写真や、ウェルカムボードなどが飾ってある。
こちらがそのウェルカムボードだ。
御覧の通り、描かれているのはサンフレッチェ広島のマスコット・サンチェと清水エスパルスのマスコット・パルちゃん。
前述した通り、新婦は清水サポーター。そして新郎はサンフレッチェ広島サポーターという組み合わせなのだ。
いわゆる「他サポ夫婦」である。ここでタイトル回収できた。
ちなみに新婦にサッカーを紹介したのは私だ。私の趣味が2人の話すきっかけになったのなら嬉しい。
そして、このウェルカムボードは何を隠そう友人・I氏の力作!
クロスステッチという刺繍作品らしい。絵じゃなくて刺繍なので、温かみがあって可愛らしい。本当に凄い。近くで見ると結構大きいし、絵柄もいい感じだ。
どや凄いやろわしの連れが作ったんやでと心の中でドヤ顔をした。本人は気恥ずかしいのか、おとなしくジュースを飲んでいる。
そして、すぐ傍には
レプリカユニフォーム(広島&清水)
何で……?
なぜ2021年の広島と清水のユニフォームがここに?サポアピールか?
よく見れば近くにペンもある。これは…何かを書けということだろうか?
その通りだった。近くに寄ったらスタッフの方から「メッセージを書いてください」と言われた。
どうやら芳名帳代わりの寄せ書きだったらしい。粋な演出である。私も結婚する時は参考にしよう。問題は相手がいない事だが。
「何書こうか?」
「勝ち点3とか…」
「サッカーから離れなよ!」
などと話しながら、無難に「おめでとう!」と書いた。
なんかこう…もっとサッカー選手っぽくかっこいいサインとかにしても良かったなと今なら思う(サッカーから離れなよ!)
受付の時間になると、新婦友人と新郎友人(だと思う)の数人が受付に立った。なるほど、友人たちが受付をするのか。彼らに渡すのは御祝儀だろう。当然私は用意していた。
新潟のいい感じの専門店でご祝儀袋を買い、その場で代筆も頼んだのだ(字にコンプレックスがあった)これで完璧だ!
が、ここで少し問題に気付く。
ご祝儀が…!!少し濡れてる…!!!??
ハンカチの上なので「しっとり」程度だが、ちょっと濡れてる!!
くっ!!肌身離さず持っていたから雨に濡れた…!!迂闊!!もっとちゃんと保管するべきだった!!
これはもう仕方がないので、何食わぬ顔で袱紗替わりのハンカチを解き、ややしおっとしたご祝儀を受付に渡した。申し訳ない気持ちでいっぱいだ…。
美人な受付嬢達からは特に突っ込まれることもなく、感染症対策グッズと新郎新婦のプロフィール・披露宴の席・食事メニューが書かれた紙などを渡される。対策グッズが非常に昨今らしい。配慮がとてもありがたかった。マスクケースは家に帰ってから気づいた。
しかし私の反省点は多い。次はもっと御祝儀をちゃんと保管し、きちんとした袱紗も用意せなばならない。
心の中で友人に謝っていると、時間がきた。
いよいよ、式である。
挙式
荘厳な雰囲気のある白い空間に入る。
真っ白な壁と床、美しい長椅子には、簡単な挙式の流れと讃美歌の歌詞が書かれた冊子が置いてある。
中央には外国人神父?がいた。愛ヲ誓イマスカ?って訊く人だ!挙式のMC的な立場だろう。一気に雰囲気がそれっぽくなった。
厳かな雰囲気に圧倒されつつ、式が始まる。
まず、新郎入場。
一度だけ埼スタでお話したが、2,3年前なので顔は覚えていない。ほぼ初対面と言っていいだろう。
その彼が出てきた瞬間、私でも分かるくらい緊張しているのが分かった。カチコチですやん。
新郎友人達にもその空気は伝わったらしく、めっちゃ笑っていた。
新郎友人側はほとんど男性で、あちらの方が人数も多かったので一気に和み、ワイワイとした空気になる。新郎も、あの雰囲気にちょっと助けられたのではないだろうか。しんと静まり返るより気が楽そうだ。
そして本命の新婦入場。友達~~~!!俺だ~~!!結婚してくれ~~!(してる)新郎と!(今からする)
大きな白い扉が開き、
真っ白はウエディングドレスを着た新婦が、新婦父と入場する。
誇張なく言おう。
世界で一番綺麗だと思った。
これ、マジの本気でその瞬間そう思った。
皆スマホを構えて写真や動画を撮っているのに、一人だけぽかんとしていた。
純白のふわりとしたドレス、華やかな花々が髪を飾り、薄いヴェールが神秘的だった。
私は彼女の結婚願望やその他諸々を知っているので、なんていうか、もう…実はこの時すでに泣きそうになっていた。
ここまで色々あったけど、幸せになれて良かったね…!って気持ちで胸がいっぱいだ。
隣に立つ新婦のお父さんも嬉しそうでね…分かるよ…娘の晴れ舞台…嬉しいし寂しいけどやっぱ嬉しいよね…!とお父さんの方にも気持ちがシフトしていった。
娘の友達に共感されているお父さんと世界一美しい花嫁は、ゆっくりと歩み、新郎の元へ向かう。
新郎登場シーンはワイワイしていた会場も、一気に厳かな雰囲気に戻る。
愛ヲ誓イマスカ?のシーン
(だったかは分からないし実際にはちょっと違う言い方だった)
ここでようやくスマホの存在を思い出す。いいのかな?と思いつつもパシャリと一枚。後ろ姿だけで神聖だ……。
挙式はMC神父がお話をしたり、誓いを立てたり。細かい流れは忘れてしまったが、始終神秘的な雰囲気であった。
日本人の結婚式にキリスト教系の挙式が採用されるのって何でなんだろう~でもクリスマスもあるし先人が取り入れたのかなぁとどうでもいい事が脳裏をかすめるが、こまけぇこたぁいいのだ。
讃美歌も歌い(参列者も歌ってねと言われた。今初めて聞いた歌だが…!?)誓いのキスで盛り上がり、無事に挙式は終わる。
最後に高い天井から真っ白い羽根が落ちてきた。天使降臨!!最高の演出だ。
新郎新婦が退場し、場が落ち着く。いいものを見せてもらいました…。
そうこうしてるうちに、スタッフに移動をお願いされた。
どうやら、披露宴の準備をする間に別室で待つらしい。そこには新郎新婦もいて、写真タイムも設けるとのこと。へ~!挙式よりはフランクらしい。
挙式と披露宴の間
ウェイティングルームと同じくらいの広さで、ソファ・テーブルが隅に一式だけある、広い部屋に通された。奥にはやや小高いステージがあり、部屋は全体的に明るく、ハッピーな雰囲気。ウエルカムボードもここに移動している。
「どうぞ、お飲みになってください」と、カウンターから声がかかる。
そこには…
Jクラブのイメージカクテル!!!(ノンアル)
きたああああ!!二度目のタイトル回収!!これぞまさに他サポ夫婦!!!!
新婦から「こういうのを出すよ」とは聞いていたけど!!このタイミングとは思わなかった!!!
やった~~~!!と写真を撮るが、周りに遠慮して全てのカクテルは撮れなかった。でも嬉しい!!
エスパルスカクテル(オレンジジュース)
王道!まじりっけなしで攻めた!
サンフレカクテル(カシス+グレープフルーツジュース)
おいしそ~!イメージ画像が未来の新スタ~!未来輝いてる!!
アルビカクテル(マンゴージュース)
アビレックス新潟!!???(笑)
画像惜しい!アビレックス新潟になってる!(笑)新婦チェックは入らなかったらしい。でも画像は合ってるよ!あと言われるまで気づかなかったよ!
私が頂いたのはこちらのカクテル。おいしい!甘さ控えめかつ爽やか!
南国系フルーツとは相性が悪いと思ってて今までの人生で避けてたんだけど、これは美味しかった!マンゴージュースまた今度飲んでみます!
他にも、柏レイソル(パッションオレンジ)ジェフ千葉(パイナップルジュース)湘南ベルマーレ(グリーンティー)などがあった。材料までは確認できなかったけど、磐田、鹿島、浦和、川崎もあったようだ。
どうやら、ゲストや夫婦と関係の深いJクラブが選ばれているらしい。
静岡+広島+関東圏+新潟 浮いてるな新潟!明らかに私向けです。ありがとう。
他サポ夫婦と銘打ってるが、今回招待されたお客さんの中でガチガチのサポーターは当事者の夫婦2人と私以外にもいたのだろうか?残念ながら他の方々と話す機会がなく、皆さんの中にサカオタがいたのか分からなかった。が、このJクラブイメージカクテルは好評だったと思う。ひいき目なしに!
「地元だ~♪」とジュビロカクテルをとるお嬢さんもいたし、皆さん美味しそうに飲んでいた。私も時間と胃袋と周りが許すなら全種類飲みたかったけど、アルビだけでギリギリでした。余計な恥をかかなくてよかった。
カクテルで騒いでいると、新郎新婦のための道を作れ~~!というアナウンスが。なるほど!受付の時に渡されたリボンシャワー(小さいリボンがたくさん入ってる袋)はこの時使うのか!
で、人垣を作って、中央からやってくる2人に思いっきりリボンを降らせる!おめでとぉ~~~~~~~~~~!!!!!
ステージに上がる2人。よく見れば花束を持っている新婦。
あっ…!これは…分かる…ブーケトスだ!漫画アニメドラマでよく見るやつ!
ブーケを受け取った人が次の花嫁になるというまじない?がある、あれだ。あれ元ネタ何なんだろうな。ともあれ、独身なので私は受け取ってもOKだろう。
I氏は照れて後ろの方に退いてしまった。ど真ん前に出るサカオタと違って慎ましい。私も結婚したい!と強く願っているワケではないが、花嫁から幸せのおすそ分けを貰えたらハッピーではないか。
あと普通に花束は可愛い。普段自分で花を買わないので、余計に嬉しいものだ。
花嫁が後ろを向いて(公平さを重視)投げる!トライ!!
近くにいた男性参列者が綺麗にゲット!!!!!
次の花嫁だ!!!!!!!!
…という風にはならないらしい。花束は再び花嫁に返された。
これって女性限定イベントだったのかと今更ながら知る。
気を取り直して2回目!投げたーーーーー!!!ホームラン!!!(?)
くるくるっと回転し、飛距離は伸びず、ちょど私の目の前に落ちそうになったので手を伸ばした!
そしたら、見事にキャッチ。いや~落とさなくてよかった…あっ!?キャッチ!?
あれよあれよという間にステージに上げられる。
どうやら次の花嫁として女神がほほ笑んだらしい。問題は相手がいない事だが、前述した通り花は嬉しいものだ。
ミニブーケ!かわいくまとめられている
ステージ上ではブーケトスを受け取った者を挟んで、花嫁花婿と記念撮影をする。め、目立つ~~!こういうイベントもあったのか!
I氏これは確かに後ろに下がってて正解だった!いや私は嬉しいし平気だけど、人前に出るの苦手な人は恥ずかしいやつだ!
結婚式はゲスト全員何かの拍子で表舞台に立つ可能性があるんだな…と思いつつ、撮影終了。
っていうか自分スピーチもやるしブーケトスもとっちゃったし、友達代表として目立ちすぎでは?私以外がとる方がバランス良かったやつだこれ。
でも、良い思い出になった。いい経験をさせてもらいました…。
次は新郎が男性ゲスト相手に何かするらしい。
女性ゲストは後ろに退き、男性陣が前に出る。
新郎が投げる…というか、蹴るのは、小さなサッカーボール!
サッカーボール!!!
「これ」だ!!!
思わず前に出そうになったが、さすがに理性で抑える。
本能で「欲しい」と思ってしまった。さすが他サポ夫婦!抑えてる!サカオタのツボを!!
残念ながら写真は無いのだが、サッカーボールは無事男性参列者の手に渡った。天井のシャンデリアに当たらなくて良かった。
ブーケトスと同じようにステージに上がり、記念撮影。いいな~~(強欲)
その後はちょっとしたフリータイム。新郎新婦と少しだけお話できる。
でも、案の定どちらも大人気で近づけない。まぁそのうち話せるタイミングはあるだろう(※あまりなかった)
そうこうしてるうちに、披露宴会場の準備が整ったらしい。案外早い。アルビカクテルを急いで飲み干し、移動することになった。
披露宴
※本当に呆れるほど長いです。
披露宴会場は豪華で華やかな広い部屋で行う。
ちょっといいホテルでしかお目にかかれないようなテーブルに、白で統一されたカトラリーが輝く。これは間違いなく燕産ですね。
楽しくなってきた!素敵な空間にいるだけで気分はアガる。
私はI氏と新婦友人3人と同じテーブルについた。前情報によればこの3人は私と同じオタク…ジャンルは違えど話しかけたいなと思ったが、結局一言も話すことなく終わった。
隣の席に設けられた感染症対策の透明な板と、マスクもつけずに喋るのはいかん!という心のブレーキがおしゃべりを控えさせたのだ。これは仕方ない。
テーブルには花嫁が用意したと思われるお手紙とプチギフトがあった。これも華やかで可愛い。なにより手紙が嬉しい。ゲスト一人一人に書く手紙の労力…!しかも手書き…!それを考えると本当にありがとうだ。
メニュー表を眺めていると、スタッフさんが私の元に来て「スピーチは後半にやります。お名前を呼ぶので、そちらのマイクの前に立ってお話ください」と指示を受けた。
どうやら新婦のすぐ隣に立ってスピーチをするようである。壇上に上がるとか、スポットライトを浴びるなどの仰々しい演出は無いようでホッとした。それに新婦が近い方が、彼女に聞かせるつもりで手紙が読めるので安心できる。
白ワイン(っぽいもの)を飲みながら新郎新婦の登場を待っていると、いい感じの音楽と同時に2人が入場。
先ほどの挙式とは違い、披露宴は少し肩の力を抜いたものらしく、華やかで楽しそう。新婦のドレス姿もじっくり近距離で見れた。
ドレスが最高に素敵!!
新郎新婦用が花で飾られた席に着き、披露宴が始まる。
※記憶が曖昧になっているので、イベントを飛ばしたり順番が変わっていたりすることがあります。ご了承ください。
まずは、スタッフさんのアナウンスによる新郎新婦の生い立ちが語られる。
新郎がサッカーをやっていた事や、新婦が実家のコンビニを手伝っていた事など、幼少期から語られる二人のドラマに傾聴。
広島と静岡で生まれ育った二人が共通の趣味であるサッカーで仲良くなり、結ばれる…とてもいい話だった。脚本だれ?小林靖子?最高です。
次に、新郎上司のスピーチ。
へぇ~スピーチ系は全部後半にやると思ってた~こんな序盤にやるのかぁと呑気してたが、このスピーチがまぁ~~~~上手かった!!!!
カンニングペーパーも無しですらすらと話す!会社での新郎は凄く仕事熱心で云々と!ええ!?めっちゃ仕事できますやん!と普通に好感度が上がった。
新郎の男ぶりを上げる完璧なスピーチをやり遂げた上司さん、素敵でした。
その後、同僚のSさんも新郎のお話を明るく話す。なかなか陽気な方だし話し方も上手。さっきから人選もお話も完璧すぎる。
やばい。何がヤバいってこれに対抗する新婦友人代表が私なのがヤバい。いや対抗とかすぐそういう戦いにもっていくのは私の悪い癖だ。
そして、結婚式といえば!ケーキ入刀!!
入刀するケーキはこちら!!!
かわいい!!!!!!!!
素晴らしくサッカーサッカーしている。これは優勝。優勝です。もう大好き。ピッチは何で表現してるんだろう?抹茶?苺がたっぷりで可愛い。プロのお仕事です。上の新郎新婦もお菓子なんだろうか?人形かもしれない。とにかく最高なことには変わりない。
このケーキは飾りではなく、ちゃんと食べられるようだ。やったー!
ケーキ入刀の様子。アングル完璧では?私が撮りました。
二人で入刀後、食べさせ合う事になった。「ファーストバイト」と言うらしい。お手本として新郎新婦のご両親が呼ばれ、それぞれの食べさせ合いもする。これを「お手本バイト」と言うらしい。結婚式の文化この日だけで凄く学べた。
これはサプライズだったようだが、2組のご両親とも、照れながら食べていた。かわいい。幸せ空間だ。シルバニアファミリーか?両親が仲良くなければできない趣向だろう。
本番、新郎新婦のファーストバイトも良かった。
新婦にでかい一口を食べさせようとする新郎(でかいよ!!との声を受けてちょっと小さくした)
新郎にめちゃくちゃでかい一口を食べさせる新婦(もっとやれ!という空気を受けて押し通した)
和やかな空気のなか、ゲスト達も食事&歓談タイムに入るらしい。
では、お食事をどうぞ!という流れで奥のカウンターが開かれる。
新郎、突然のすしざんまい!!!!!!!!!
「私が作りました」とばかりにカウンター中央にはコック帽をかぶった新郎が料理を前に両手を広げていた。白い服だからコックが似合う!!新郎友人達を中心に笑いが起こる。やるわね…。
そして出てくるのは素敵な前菜。新婦いわく料理には気合い入れたらしいので期待が高まる。
実際、料理はどれもその期待値を超えた!美味しい。美味。ビジュアルも美しいが味も良く、メイン二人の出身地にちなんだものも多い。料理の数々に舌鼓を打った。
前菜。海鮮とか色々入った難しそうな料理。おいしい!!
牛フィレ肉とフォアグラ。さいこ~に美味しい。バラの玉ねぎも可愛い。
ウェディングケーキとデザート!美味しい!ピッチ美味しい!
どれもすっごく美味しかった!!!
歓談中、テーブルごとに新郎新婦の元へ行き、お話したり写真を撮ったりするタイムが設けられる。
私達も彼らの元に行ったが、絶賛お食事中だった…ごめんよ…主役2人は食べるタイミング全然無いって聞いてたけど、それはイベントを行ったりゲストのお相手をするからなんだね…
新婦側を友人達に譲り、I氏と新郎側に行く。囲む形で記念撮影だ。結婚式はとにかく写真が撮られる。
もうこのあとは新郎と話すタイミングはないだろうと思ったので、私は意を決して広島サポ・新郎に話しかける。
「今日、柏戦ですね…!」
隣で聞いてたI氏はまたサッカーの話してると呆れたかもしれないが、この会場で「ガチ」なのは私と新郎新婦だけの可能性があるのだ。
いわば同志!ちょっとだけ話したい!というか今日は私サンフレ応援しますよ!って言いたい!
突然そんなことを言われた新郎は少し戸惑いながらもそうですねぇ~と応えてくれる。いやもう!応援してるんでぇ!今日絶対柏に勝ちましょう!!と鼓舞する私。
広島さんは先日の天皇杯二回戦でおこしやさんにぶぶづけパンチを食らったばかり。彼もその件に少し触れるが、そんなんリーグ戦と関係ないんで!今日勝てば全部チャラなんで!!
そんな話をして終わった。
ちなみに本当に柏レイソルに1-0で勝った。やったーーー!!
※清水はお休みでした
その後、披露宴会場の照明が少し落とされ、薄暗くなる。
どうやら今度は新郎新婦が各テーブルを回り、お花を花瓶に入れていくらしい。活けられた花は花瓶に入ると光り輝いた。魔法みたいだ!こういう演出好きです。幸せのおすそ分けみたい!このイベントなんて名前か分からないけど素敵!
我々のテーブルに飾られたのは赤い薔薇。シンプルにキレイ。
「赤い花だね」
「ファジアーノ岡山かな」
という夫婦の会話がちらりと聞こえる。私じゃなければ聞き逃してたね。
命名:ファジアーノ岡山
照明が暗いまま、次に2人はハート型の管?に光る液体を注いでいく。
ファンシーで素敵な演出だ。プラネタスワンやマリノスナイトみたいな「暗いところで光る演出」が大好きなので、とても満足した。
これ見た瞬間なぜか「光るジュースだ!」って思ったけど、ジュースとは一切明言されていない。何でそう思ったんだろう。
照明は明るくなり、デザートも運ばれる。
料理の進み具合や時間の流れを考えると、そろそろ私(新婦友人)の出番(スピーチ)である。
スピーチした人達めっちゃうまかったからな~手紙読むだけでちょっと申し訳ないな~と思っていると、先に新郎の後輩が呼ばれ、彼のスピーチが始まった。
彼は原稿無しで話すらしく、何も持たずに喋り始める。
緊張から暗記していたものが吹っ飛んだのか、最初から考えながら話すつもりだったのか、少したどたどしい。
でも…偉い!!!原稿無しで本当にスピーチ、偉い!!!「暗記して喋る」「その場で考えながら喋る」どちらも私には真似できない芸当…!その行動に敬意を表したい!!
新郎後輩の話が終わり、私が呼ばれる。
いよいよだ。
手紙は、練習した時は約3分かかった。
なので、本番もそれくらいだったと思う。新婦の顔を見たり、少しタメたりしたので、3分ちょっと超えたかもしれない。
新婦とは共通の趣味がきっかけでインターネットを通じて仲良くなり、それからず~っと友達として縁をつないできた。
(これを読んでる人は分かるだろうが)ネット上の友達というのは、ほんのささいな行き違いや、趣味の切れ目で縁が途切れる儚いものだ。
でも、新婦…Aさんとは、趣味が変わっても、コミュニケーションツールが変わっても、転職しても、引っ越しても、喧嘩をしても、縁をつないできた。
趣味で繋がった仲だが、私自身がすでにAさんという人間が好きになっていたし、Aさん自身が人との縁を大事にする愛情深い人だからだ。
優しく、周囲の人を大事にするAさんなので、ふいに傷ついてしまう事もある。
新郎には、そんな彼女を支えてあげてほしい。
私が彼女にそうされたように…
という内容のスピーチをした。(ざっくりしてるので色々省略してます)
落ち着いたトーンで話したが、内容がややしっとりしてるので会場もしん…としていたような気がする。
前の新郎後輩の時はもっとワイワイしてたじゃん…!?私の時すごいしんとするじゃん!?この空気を作ったの誰?私です。
でも、実は私も話しながら結構うるうるきていた。挙式の花嫁入場の時と同じ感情だ。手紙も心をこめて本心を書いたので、感慨深い。
話してる最中はちょっと油断したら泣きそうだった。
緊張してたので拍手とかあったのか覚えていない。言われるがままそのまま新郎新婦と記念撮影をして、岡山テーブルに戻って行った。
さっそくI氏に問う
「どうだった!?」
「よかったよ~^^」
「ありがとう!でも本当に!?本当に良かった!?」
「…ちょっとロボットっぽかったけど、良かったよ!」
ならばよし!!!!
普通に日本語が読めただけで偉い!と自分を甘やかしてたので通じただけで万歳だ。ロボットみは緊張ということで許してほしい。
後になって新婦から話を聞くと、私のスピーチはなかなか好評だったらしい。旦那さんも親御さんも絶賛!やったね!自分で書くと盛ってるのでは?って疑われそうだけどほんとにそう聞きました!事実です。
新婦本人からも「しんどい(泣きそうになったけど耐えた)」と褒められた。泣いてもいいのよ…(よくないか)
そういえばスピーチではサッカーのサの字も出さなかった。少しでも出すと止まらなくなりそうだし、あまり自分ごとを語るものでもないので除いたのだ。良い判断だったと思ってる。
大役を終えたあとは新婦の手紙だ。
これ~~!!結婚式といえばこれ~~~!!結婚式エアプ勢の私でも分かる!(ケーキ入刀と手紙しか知らない)
内容は、ご両親への感謝だった気がする。気がする、というのはこの時の私は魂が半分抜けていたので、新婦の綺麗な姿しか覚えていないからだ。
姉妹で親御さんをディズニーに招待するほど新婦ご家族は仲が良い。こんな親孝行な娘さんいませんよ!
お父さんもお母さんも、良かったね…という気持ち。いつも親側の目線になっちゃう。
終盤。新郎父のスピーチと新郎の挨拶だ。
新郎のお父さん、緊張なのか感動したのか、覚えてきた内容が飛んでしまったらしい。その場で思いの丈を熱弁した。ゲストの私も、その熱意にうんうんと頷く。この結婚を本当に喜んでいるんだなと素直に嬉しく感じた。
最後に「それこのタイミングで言う話じゃないのでは!?えっいいのか!?」というちょっとしたハプニングもあったが、ご愛敬というものだろう。
新郎挨拶も良かった。明るい同僚や良い上司、素敵な奥さんやご両親に囲まれて…なんだこの人…幸せ大会優勝だな…新婦の言う通り笑顔が素敵な良い人です。新婦をよろしく頼みます!!
新郎新婦とそのご家族退場後は、今日の結婚式ダイジェストPVが流れた。
私たちが楽しんでる裏で編集作業をしてる人が…!これがプロのお仕事…!
PVの最後にハッピーなメッセージが流れ、幕は閉じた。
素晴らしい…余韻に浸る。
では帰ろうかとゲストが通る廊下では、花嫁・花婿衣装の上からそれぞれのレプリカユニフォームを着た(!?)二人が見送ってくれた。
よ、良~~~!!!!その着てるやつ、待合室で寄せ書きしたアレですね!?最高に良かった。
新郎新婦その親族達に見送られながら、私とI氏は式場を後にしたのだった……。
まとめ
その日のうちに私は新潟まで帰った。
昨日、今日と大荷物を持ったまま移動したので、腕や足が想像以上に疲れていたらしい。家についたらツイッター(呼吸)を開き、だらだら休んだあと、お風呂に入ってすぐに寝た。
ほどよい疲労感と十分な満足感。とても満ち足りた一日だった。
幸せそうな友達を祝福できて、本当に良かった。
というか、シンプルにキレイでハッピーなものを見られて凄く楽しかった。
招待状を受け取るというのは、本当に光栄で素敵な事だ。
お城の舞踏会に行きたいというシンデレラの気持ちがちょっと分かった。
今までは着替えとかダンスとかめんどくない?と思っていたが、綺麗なものを着るのも用意するのもなかなか楽しいし、会場がキラキラしている!もうなんか…すごい…気分が上がる!ハッピーだ!私の中でちょっとした意識革命が起きた。最初から最後まで「参列して良かった」としみじみ思う。
結婚式のマナーを学び直したり、それにかかる諸々はあるが、本当に良い経験だった。
ここにくるまで紆余曲折だったが、主役二人はもっと色々あっただろう。
お疲れ様と伝えたい。
他サポ夫婦らしい、サッカー尽くしの良い結婚式だった。
今後も、2人仲睦まじく、幸せなサッカー夫婦生活を送ってほしい。
お幸せに!!