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5,000人制限のサッカー観戦行ってきた

世界がひっくり返った。
ヒトをたくさん集めなきゃいけないのに、集めてはいけない。
新型コロナウィルスの影響で、ヒト集めてなんぼのサッカークラブが窮地に立たされているのだ。
今までの価値観が反転した世界で、それでも何とかしようと、もがいている。

そのうちの一人として、5,000人制限下で行われたJリーグ公式戦、7月11日(土)に行われたアルビレックス新潟VS松本山雅の現地レポートをしようと思う。

超厳戒態勢の概要

7月10日~8月1日までの「超厳戒態勢」では、色んな制限がある。

・収容数上限は5,000人または会場収容人数の50%で少ない方
・ビジター席無し
・チケット販売は、1試合毎で、販売期間は1週間ほど
・シーズンシートのみ 、ファンクラブのみ販売
・一般発売の有無についてはクラブごとで判断

ビッグスワンの場合、約4万人入るので、上限は5,000人
来場者へのお願いとして、マスク着用・声出し応援禁止等のガイドラインもある。詳しくは「Jリーグが実施する感染予防策」でまとめられている。

チケットを買う

さて、とにもかくにもチケットだ。
アルビレックス新潟ではシーズンパス勢・後援会プラチナ・ゴールド会員向けに、ロッピーでちょっと安くチケットが買えた。

一般販売はあった…けど、Jリーグチケットでしか買えない。この辺でライトサポは脱落しそう。した(うちの父が)
Jリーグチケットに慣れてない人は、チケットを買うハードルは高いだろう。

スタジアムに行く

いつものように新潟駅南口から出るシャトルバスが運行するらしい。
これはありがたい!酒飲み勢としていつも利用してた!!
が…今回はアルコールの販売はないため、じゃあ車でいいやと思い、コンビニチケット(これは一般販売のローチケで買える)の駐車券を発行。車で向かう。
アルビの駐車場はP3・P4・鍋潟を合わせて約3,000台。もともと普通の試合でも駐車券が完売する事は滅多にないので、車のが楽な人は車でいいと思う。

スタジアムに到着

スタ外観PNG

うおーーーー!!!ホーム・デンカビッグスワン!
まさか7月に初めてのホーム戦になるとは思わなかった…感慨深い。
1時間前にしてはいつもより人は少なく、場外に設置されているテーブルとイスはソーシャルディスタンスが保たれていた。
イベントや、縁日の遊具、キングアルビくん等も無い。Eゲート前のスタグル売店は2店舗。スタジアム内部の方がスタグル店舗はたくさんあるらしい。
全体的にサッパリしている。「サッカーを観る」に特化して「余計なもの」がそぎ落とされた印象だ。

気になるのはグッズ売り場
以前はきちんとした列はなく、ふわっと買い物してる人の後ろに並んでわちゃっとした状態で買ってた。
さて今回は、というかおそらくこれからは違う。

グッズ売り場ぴんぐ

グッズ売り場の横に列を作り、起点にスタッフを置いて、消毒&スタッフの号令で売り場前に移動し、買い物。
という流れだった。なるほど衛生的で距離が保たれている。
売り場には透明なシートが張ってあった。店員さんも私もマスクをしてるので気合い入れて声出さないと声が届かない。頑張ろう。
売り場横の列には新商品の紹介された紙が貼っていた。事前に何を買うか決めておくといいぞ。

入場

今回はWスタンド(いわゆるメインスタンド。値段やや高めの席)なので、Wゲートから入場だ。
まずは荷物検査。これは鞄を自分であける必要がある。
次に体温検査。バーコード読み取る機械みたいなので額をピッてやる。
試合前に配られる「マッチデープログラム」は無かった。印刷するのにもお金かかるし、まぁしゃーない。そこまで毎回楽しみにしてる訳でもないし…(でもいつだったかの戦国時代風のマッチデープログラムは凄く良かった!毎回テーマ決め手デザインするの大変だろうけど凄く良いと思う!)
チケットは自分でちぎって渡す。
ペットボトルは持ち込みOK 瓶・缶はダメ。このへんは変わらない。

座席

座席ぴんぐ

Wスタンド一層目指定席!!いつもなら結構いい値段(5,000円)のとこっ!
シーパス値引きで現在は3,500円。しかも両隣・真後ろ・真ん前に人はいない。なかなか快適。

ちなみに、さっきから言ってるシーパスというのはシーズンパスポートの略。年間パスの事だ。
最初にン何万円払えば試合見放題で、普通に1試合ずつ払うよりちょっとお得。何より毎回チケットを買わなくていい。楽。
クラブはシーズン前にどかんとまとまったお金が手に入る。
我々はお得に試合が見れてチケットを買う手間が省ける。ウィンウィンだ。


が、このコロナウイルス騒動でシーパスの概念が崩壊。シーパス代金を返金してもらう人、返金しないでお布施する人、様々だ。
アルビレックス新潟では、シーパス代金を全額寄付する人(A)シーズン終了後に寄付するか払い戻しを選択する人(B)が、シーパス優待価格でチケットが買える。

クラブによってシーパス勢の扱いは違うので、気になる人は確認した方がいい。

スタジアムグルメ

かれー

スタジアムで食べるグルメ。略してスタグル。
クラブによっては出店がないとこもある?らしいが、ビッグスワンでは一部店舗が営業していた。
ギリギリに入場してしまったので一品だけにした。万代シルバーホテルの「バスセンターのカレー」!きみに決めた!!
一部界隈で有名な、昔ながらのカレーだ。甘そうに見えてスパイシー。ぬったり濃厚で美味しい。
他にも色々あったけど、やっぱり前の方が選択肢は多いので、次のフェーズになったら売店も増えるといいな。

ちょっと不思議だったのは、試合中にスタグルを食べてる人が、周りに誰もいなかった事。

何で…!?こんな…一人だけ…食いしん坊みたいな展開…!予想してない…!!!

収容人数制限下でわざわざサッカー観る人達なんだから、メシよりサッカー!なのかもしれない。
チケット購入の段階でライト層が振り落とされる気はしていたが、なるほどこういう事か…!

前述したが、アルコールの販売は無い。今後変わるかもしれないので要注目だ。

応援

声出し応援、応援を先導する行為、指笛、タオマフ回し、手拍子、メガホン・太鼓の使用、ハイタッチや肩組み、ビッグフラッグを広げる…

以上の応援行為は全て禁止。
ゴール裏で大声出して応援歌を歌っていたサポとしては、やや物足りないが仕方ない。

推奨されている応援は「拍手」だけである。
で、ややこしいのが「手拍子」が禁止されている事だ。

拍手はOKで手拍子はNG なぜにWHY?
手拍子に乗せられてコールやチャント(応援歌)を歌ってしまう事を危惧したのかもしれない。
このへんの周知が徹底しておらず、新潟松本戦ではたびたび手拍子が起こってしまっていた。それ以外は完璧だったのに勿体ない…!

嬉しい誤算だったのは、「ブーイング」や「野次」が一切無かったことだ。

元々アルビはブーイングや野次がそんなに多くは無いクラブだと思っていたが、まったくない訳ではない。
当たり前だが声出して応援できないという事は、ブーも野次もできないのだ。これは良い。私の精神衛生上とても良い。
あれらについて、私は苦手寄りの許容派だ。今までは仕方ないと許容してきたが、無いなら無いで、これはなかなか良い。

そして、チャントを歌わないのでサッカーに集中できる。

これは良い面と悪い面もある。

良い面は、サッカーに集中できるので、新たな気づきがあるだろう。
松本のGK声でかいな等、そんな感じのだ。

悪い面は、ただ見てるだけなので……そう……何もできないのだ……!!

まさに、何もできない。手も足も出ない。見てるだけ。
チャンスの時も、ピンチの時も、「いけーー!!!」「守れーーー!!」という感情を表現できない。
チャントに自分の感情を上乗せして、選手と一緒に試合をしているような、一体感を感じにくいのだ。
特にピンチの時はハラハラするだけでGKコールやアルビレックスコールもできない。頑張ってくれ~!と見守るだけだ。
それに、自分は元来緊張しいなので、試合中ずっとドキドキしている。
チャントを歌えばドキドキを外に発散できて、熱く、しかし平穏に応援できていた。

それができないのは、ちょっともどかしい。

でも、試合が見れないよりはずっといい。

試合

普段と違うのは、やっぱりチャント無し・ブーイング無しの空間なので、選手の声がよく聞こえる点。
「よく聞こえる」とは言っても「何を喋ってるか」まではっきり分かる訳ではない。「なんか言ってんなぁ」くらい。
はっきり聞き取れたのは「シオン!」と「マイボー!(ル)」くらいかな?松本さんのGKは指示っぽい事を言ってた気がする。
選手の声質がちゃんと分かる人は、誰が何言ってるかちゃんと分かるのかもしれない。
私はあまりヒーローインタビューも聞かないし、クラブ公式の選手動画も見ないので、選手の声を覚えていない。

あと飲水タイムが正式にあった。これ去年あったっけ?なかった気がする。
選手の飲水はもちろん、観客も水飲んでねというアナウンスが流れる。

そう!!マスクは暑い!暑いのに水が飲めない!!なぜならマスクをしてるから!!

これからの時期、野外で数時間ウロウロするなら熱中症対策は重要だ。水と日差し対策はしっかりしていこう。
夏はナイトゲームが多いけど、キックオフ1、2時間前に集合するサポーターはがっつり太陽の下にいる。
ごくごく水を飲もう。水がなければポカリやジュースでもいいと思う。酒はダメだ。

試合展開は、最近のアルビにしては落ち着いていた。
前半に1得点、後半は虎の子の1点を守り、無事勝利に終わった。
さくっと書いてるがめちゃくちゃ嬉しい。けど詳細に語ると長くなるので割愛する。

ぷらねたすわん

さて、アルビレックス新潟では「プラネタスワン」という、14色に光るペンライトが人気だ。
今回の選手入場時では医療従事者の方々に向けて青い光を掲げた。
このペンライトを掲げるという行為、Jリーグが禁止する応援項目に「入っていない」

つまり、勝った時は会場の光量を落とし、オレンジ色の光を灯して振る事ができるのだ!

黙って!プラネタスワンを!!振る!!これが新しい生活様式!!!

試合前と試合後は録音のチャントを大音量で流しまくるので、ノリノリでプラネタできる。
アルビレックス新潟の場合「拍手」「プラネタスワン」が応援になるのだ。

帰り道

すわん2

勝利のビッグスワンは7色に光る。いい眺めだ。でも写真がイマイチだ。格安スマホのデメリットが出てしまった。
7色に光る首かけミニ扇風機をピカピカさせながら駐車場に向かう。扇風機を光らせるタイミングは今っ!
最初は若干混んでたけど、外のベンチに座るなりツイッターをするなり時間を潰せば、駐車場内の車もすぐにはける。

問題なく家に帰ってこれた。

まとめ

だらだら書いてしまったので、読みにくい長い文章になってしまったと思う。申し訳ない。
最後に要点だけ箇条書きで伝えよう。

5,000人制限下でのサッカー観戦の雑感

・チケット販売方法がいつもと違うので、ハードルが高い
・絶対マスク着用。会話時にマスクをぬぐような人も見なかった。皆偉い!
・イベント系はほぼ無し
・スタグルはクラブによっては出店あり
・チャントが歌えないので、若干モヤモヤする。慣れれば大丈夫だと思う
・選手の声が聞こえるくらい静か
・ブーイングと野次がない
・手拍子は自然発生なのか禁止だと知らないのか、起こってしまう。周知不足?

大体こんな感じだ。

イベントがなく、マスコットの存在感も小さくなった。チケットを買うのも一般人には難しい。
ライトサポが離れてしまう危惧はある。

が、今はそれ以上のピンチが日本を覆っている。


ヒトを集める事が「良くない」とされる世界で、何とかもがいていこうと思った夜だった。

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