ThinkCentre M75q Tiny Gen 5が届いたので所感
先週、発売日に頼んだThinkCentre M75q Tiny Gen 5が届いた。頼んだ時の記事は以下。
結局頼んでから3週間弱で届き、直販ページのチャット担当者が言ってた納期にかなり近かった。今回珍しいと思ったのは、いつも大きめの箱で二重梱包だったのに、キーボードがないからか箱がかなり小型化されてて、しかも二重ではなくなってた。SDGsを感じる(?)
既にレビューを書いている人もいるので被りそうなベンチマークやそういうのはほとんど載せず、以下は筆者の簡単な所感と小ネタを述べる。なお、今回筆者のM75q Tiny Gen 5は以下の構成で動かしている。(メモリとSSDだけ自分で交換した)
[構成について]
・上の表に書いてないが、今回は無線LANモジュールを付けなかったところ無線アンテナはやはり装着されていなかった。基本据え置きで使うのでいいと思うが、モバイル用途だったり家で無線LANが必須な場合、後付けしようと思うと非常に厳しい(現状、純正無線アンテナは入手が難しい)ので、必要なら最初から付けること。
・背面に追加できるType-C端子はDP Altに対応しているので映像出力でき、また単純にUSBポートとしても当然使える(データ転送速度はUSB 3.2 Gen 1)。なおUSB PDには対応していない。
・また、APUでRyzen 7 PRO 8700GEを選ぶと標準でACアダプターが90Wになるが、これがミッキータイプでケーブルが太くなり取り回しが悪い。
気になる人は、こういう細いケーブルにしたほうがいいかもしれない。
[M.2の場所とヒートシンク]
M75q-1とGen 2の時はCPUの背面側にM.2があり、外装とのすき間がほとんどなかったが、今回はCPUや無線モジュールと同じ側にM.2やメモリが配置され、M715q Tinyの頃に戻った感がある。
正直、APUという熱源の横にM.2ストレージという熱源置いちゃって大丈夫なん?と思わなくもないけど、その代わり背の高いヒートシンクを置いても問題にならないので痛し痒しという感じか。筆者は以下のよくあるネジ留め式ヒートシンクを買い、上側のヒートシンクだけ載せている。(ネジ留めするとスロットに固定できないのと、下側にはもともと放熱用シリコンシートがあるため)
[CINEBENCH R24でのベンチマーク]
ベンチマークは載せないと言っておきながら、これだけは実施したので結果と実施時の消費電力について記載しておく。
ベンチスコアが実際どれくらいなのか、最も近い比較相手になるRyzen 7 8700Gと比べるとシングルコア時はほとんど大差なく、マルチコアになるとさすがに8700Gから15%くらい低下する。
ただし、注目すべき点としてベンチマーク時の消費電力はさすがに低いことである。マルチコアテスト実施時でもPC全体の消費電力は65W程度で収まっており、CPUだけで87W程度消費する8700Gと比べたら十分に低い。
8700Gの約8割以上の性能がそれ以上に低い消費電力で出せると考えれば、それなりに価値があるかなと個人的には思う。なおACアダプターの出力による性能の違いはおそらくなく、90Wより高い出力の純正ACアダプターを使っても同じ結果になった。この辺はM75q Tiny Gen 2と同じらしい。
[動作音]
これは通常時なら全く問題ないが、負荷がかかってAPUの温度が上がってくると多少うるさく感じる。残念ながら動作音を客観的に示せる設備がないので主観的でしかなく申し訳ないが、ただうるさすぎて耐えられないということはない。VESAマウントでディスプレイの後ろに隠すとかすればあまり問題にならないはず。
[遠隔管理]
以前のモデルと同じく、AMDの企業向けAPUが載ったPCなのでDASHと呼ばれる遠隔管理の仕組みが使える。IntelでいうvProみたいな感じで、遠隔からマシンの状態や電源オンオフ、コンソールリダイレクトその他ができる。
導入・設定方法などは以前出した同人誌に載せた。
で、今回も手順は基本的には変わらないが、DASHでマシンにアクセスするために使うユーザー/パスワードは初期状態だと基本的に共通だったところ、今回はパスワードが変わっている。
User: Administrator (大文字小文字を区別)
Password: Lenovo (大文字小文字を区別)
最初は何度やってもマシンの状態が表示できず、OSを入れなおしたりUEFIをリセットしたりしたが原因がわからない。出たばっかのマシンなのでインタネッツにも情報やドキュメントがなく、これは有償のプレミアサポートにでも入って聞くしかねえかと思っていたが、ダメ元で適当にパスワードを入れたところ見事通ってしまった。自力で解決できた俺すげえ。
[まとめ]
以前のM75q-1、Gen 2に比べたら圧倒的に高いが、Zen 4世代なりの性能を結構な省電力で実現できるのが本機の価値だと思う。ライバルとしては、自作の楽しみと拡張性のあるDeskMini X600、コストパフォーマンスが高くUSB4や2.5GbEなどの現代的I/Fが豊富な、Ryzen 9 8940HSあたりを搭載した中華小型PCかと思う。レノボが優位なのは、自作よりは面倒がなく(一応メーカー製PCなので)パーツやOSライセンスの出自ははっきりしており、OSライセンスまで含めても中華PC並みの値段を実現でき、保証面でも多少は安心できるところと思う。