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猫冲の事件簿Ⅲ Mりん篇⑥📚(完結)
『ねこみみのお姉さん』
何度かもじゃりんに遊びに連れ出してもらううちに、彼のパーティに入って、何でもないような話をしたり、一緒に狩りにいったり、お散歩に出かけたり…もじゃりんと一緒に遊ぶのがふつうになっていった。
もじゃりんは、日頃のナンパの成果もあってか、意外と顔が広い。
なので、パーティに飛び込んでみると、色々なギルドに在籍している『お友達』と遊びに出ていることも多々あった。
基本的に先客がいたら、一言挨拶して抜けるようにしてたけど、メンバーによっては一緒に遊ぼうと誘われることもあった。
例えば、もじゃりんのお気に入り 『マッキー』さんとはよく遊んだ。
マッキーさんは、オペラマスクをいつも身につけてるロードナイトのお兄さんで、見た目はカッコいい感じにしてるんだけど、話し方がすごくかわいくて、ばぶみオーラを身に纏っている人だった。
そんな所を、もじゃりんも気に入っていたようで、話をしてると『ね、マッキーさん、かわいいでしょw』と、脇から同意を求めてることがよくあった。
マッキーさんといえば、人の呼び方が特徴的で、女の人の事は『◯◯のお姉さん(ちゃん)』とよんでた。
例えば、わたしは『ねこみみの姉さん』だし、もじゃりんの『お友達』の『艶りんご』さんは『りんごのお姉ちゃん』だった。
ちなみに、もじゃりんは『パパ』と呼ばれていた。これは、もじゃりんが、無理強いしたわけではなく、マッキーさんが自発的にそう呼んできたらしい。
🐱(経緯は不明。)
と、こんな感じで…いつものメンバーとは違う、他のギルドの人たちと交流が持てたのは、新鮮さがあって楽しかったな🐾
ちょろイン
ザイアンス効果も手伝ってか、最初はどちらかといえばキモいと思っていたもじゃりんに対して、わたしは好感を持つようになっていった。
ゲーム内でよく遊んでくれるのもあるけど、仕事や私生活の愚痴・悩み事を聞いてくれて、テキトーなアドバイスを返してくれるの嬉しかったからっていうのが大きかったと思う。
何度目かのデートの日。「今日はルティエに行こうか」というので、シーズンじゃないな…と思いつつ散歩に繰り出した。
ルティエは、雪景色の中にかわいい家が並んでいて、クリスマスツリーがあったり、サンタさんがいたり、クリスマス感あふれる街並みが広がっているところ。
リアルではシーズンじゃないとはいえ、クリスマス感のある景色の中を歩いていると、ちょっとワクワクしてくるもので、
大きなクリスマスツリーや、変なトナカイなんかをみてまわりながら「見給え!こっちも結構な景色だぞ!」とはしゃぎまわったものだった。
それから「あ、ねこちゃん、こっちに私のお気に入りの場所があるのよ。行ってみる?」というので、もじゃりんに連れられ川の方に向かって歩いていった。
![](https://assets.st-note.com/img/1700820558527-Yj6l7aW9m1.jpg?width=1200)
たどり着いたのは…こちら。これをなんていうのかわからないけど…辺りの雰囲気よし(๑•̀ㅂ•́)و✧
街から外れたとこは意外と来たことがなかったから、これは再発見だった❗
『へぇ〜、ここもきれいだね♪』
と言いながら、写真撮影にとりかかろうとしたところ、『ねこちゃん』と、もじゃりんから声をかけられた。
『ん?何?』と答えると、いつになく真剣な様子?で、
『ねこちゃん、私と結婚してみない?』
と、言ってきた。
🐱(❗)
いやいや、こないだパートナーと別れたばかりだし、このタイミングでの再婚はちょっとイタすぎるよね…
「結婚とかそういうのは…いいかな。ほら、再婚しちゃうと、ズーカさんに悪いし。なんか再婚するために離婚したみたいじゃない?」
そう言って、わたしはせっかくの申し出だけど、お断りすることにした。
もじゃりんは『そっか…残念。でも、もし気が変わったら、考えてもらえると嬉しいな。私の中では、ねこちゃんが一番なのよ?』
と、一旦この話はペンディングに、ということで話を納めてくれたようだった。
穏やかな結婚生活
「どうしてこうなった…」
気がついてみると、いつの間にかもじゃりんと結婚してしまっていた。経緯はよく覚えてないけど…やっぱり発情してたのか…
🐱(やってしまったものは仕方がない…)
もじゃりんとの結婚生活は、穏やかそのもので、特に嫌な目にあわせられたり、泣かされたりもしなかった。
だからだろうか、結婚生活の記憶が…ほとんどない。
そういえば、嫌なことといえば、あれ程ねこちゃんが一番と言っていたのに、結婚後も方々にナンパに出かけていたのは、ちょっとモヤモヤした。
🐱(釣った魚にえさをやらない男)
小さな不満はあったのかな?と思うけど、引退まで穏やかに遊べたのは楽しかった。
引退中も桜花のために勧誘(ナンパ)をしてくれたり、ダンジョンのギミックを研究して、皆にレクチャーしてくれたり、色々頑張ってくれてたらしい。
復帰前後の大まかな記録
一年後の強制離婚
引退する時、もじゃりんに「多分もう戻らないから、もじゃりんのタイミングで離婚してね」と遺言を残した。
しばらくは『籍を残して』くれたようだけど、引退から1年経った頃に『強制離婚』したらしい。意外と義理堅いもじゃりんである。
復帰後のデート
復帰までの間に色々とマップが追加されたようで、新しい観光地を案内してもらった。
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新メンバーの接待係就任
チラシを作ったり、SNSで発信をしたりと広報に力を入れた甲斐あってか、桜花では3人の新規メンバーを迎える事ができた。
桜花では古いメンバーが多く、新規の方の定着が難しい傾向があったので、もじゃりんに『新規の方のフォロー』をお願いすることにした。
いくつかのすれ違い
人が集まれば感性や、コミュニケーションの違いから、摩擦が生じることもあるようで、ギルド内で何人かの間に生じたすれ違いが原因でトラブルが起きた。
事の発端は、わたしがもじゃりんにお願いした『新規の方のフォロー』だったようで、そこから少しずつほころんでいったらしい。
散る桜花
トラブルは『関わったメンバー全員が桜花を出ていく』という形で収束を迎えた。長く在籍してくれた何人かのメンバーも桜花を出ることになってしまった。
🐱(関係者の皆様、すみませんでした)