Netflix版「呪怨」考
※もろにネタバレしてるので観賞後に観てね。
めちゃくちゃ楽しみにしてたし、なぜこんなに自分が楽しみにしてたのかよくわかんなかったんだけど(ある意味直感的な部分を信じていた)いやはや呪怨の歴史、Jホラーの歴史を塗り替えた大怪作だと思いやす。最高に怖かった、面白かった。
邪眼霊、女優霊、初期ほん怖(特に霊のうごめく家からの明確なオマージュ!)や、はたまたガイラ監督、松村克弥監督などの怪しいビデオバブル期の作品群、脚本は高橋洋、更に特殊造形はスクリーミングマッドジョージ(!)とこれまで脈絡と受け継がれてきたJホラーのエッセンスを全てぶちこみまくり終始異様なテンションで進んでいくの圧巻。
更には90年代の凶悪事件関連を織り交ぜてて、妊婦の腹に固定電話は未解決の名古屋妊婦切り裂き事件からの着想かと思われるし(にしてもここまでやるかというくらい徹底した描写で凄まじい)、殺害後のカップラーメンを食べる某未解決事件、あと東電OL殺人事件(ロケ地が実際の渋谷円山町の泰子地蔵付近、映画美学校の近く)などなども盛り込まれてた気がしやす。他にも誰もが知ってる胸糞事件が要所要所でふわっと紹介されていく感じでこのあたりの取り扱いに賛否が分かれそう(自分はこういうとき鮮血の美学に習いit's only a movieと唱えます) 。新潮社の実録事件殺人関連本をずっと読まされてる感じ。
監督の三宅唱監督は調べると84年生まれなので私とおそらく同い年くらいなんだけど、こういう事件とか文化をもろに浴びたのが90年代中〜後半の多感な時期だったから妙にリアルに感じとれやした。世の中まじでどうなっちゃうんだろうという不安。(そして今も続く絶望) 劇中はしっかりブラウン管のTVで細かい配慮も最高(こういうとこ大事すよね) モノクロの映像を差し込む描写も斬新で、playbackもモノクロでしたよね(上映当時めちゃくちゃプッシュされてて観よう観よう思ってたら終了しててまだ観れてません)
あとed曲が(二階堂奥歯が大好きな)デッドカンダンスぽくてイカしてる。不穏。
最終話ラストはまさに黒沢清のCURE。明日からも恐怖!
補完に
夜なかなか寝付けなくなり、悪夢を見がちになり、風呂に入るのが怖くなり、背後が常に気になり、自分の住んでいる家がなんなのか大島てるで調べたくなる(でも怖くて調べられない)、と観賞後多重に苦しめられる6話各約30分。精神を削られながら観るはめになるので、ホラーが苦手な人は絶対観ないほうがよいよ!と逆リコメンドしておきやす。
追記(7/9)
Apple music で噂のソンカイノ聴きながらどぞ。
https://music.apple.com/jp/album/sonkayno/1093727477?i=1093727591
観終わってから毎日のように柴研(恐怖を総合的に楽しむサークル)メンバーや友人から連絡があり最高だったと連絡があり毎日呪怨のこと考えざるを得ない状況で追い恐怖。色々考察とかも出てきてて面白くなってきやしたね!ちなみに私が観た中で面白かったものをいくつか
・三宅監督インタビュー・・・「忌まわしい」についてが興味深い!
・深堀りしすぎでいつもはんぱない考察動画を出してる大島育宙氏。シリーズの過去出演者が別キャラで~は気づいてなかった!すげえ。(ちなみに氏の怪談も最高なんだけど最近あんまりやってないのかな)
・私が絶大に信用している最高の映画考察youtuber「茶一郎」氏も早速アップしてました。本当にいい声&見やすいパワポ。屋根裏と子宮のイメージぶっ飛びすぎててやばいす。