放射線取扱主任者試験対策講義~物理②~
おはよ〜。今日は実務①の講義で教えた内容も含めて、復習中心に講義を進めていくね。まずは令和5年度の問24。GM計数管の真の計数率を求める問題だね。
GM計数管式検出器で得られる信号は上に示したような図みたいになるんだけど、(a)みたいに出力は急激に大きくなって100~200[μsec]の持続時間で減衰していくの。この間に放射線が入射しても信号は出ないんだけど、(a)の時間を不感時間って呼ぶんだったね。(d)がGM計数管の信号弁別レベルなんだけど、(b)みたいにこの弁別レベルに信号波形の高さが達したとき、GM計数管は放射線が入射したって判断するの。この(b)までの時間を分解時間って呼ぶんだったよね。
話を戻すね。GM計数管の実測計数率をn[cps]、分解時間をτ[sec]、真の計数率をn0[cps]としたとき、
(GM計数管の数え落としの割合)
= (n0 - n)/n0 = n・τ
ってなるから、
n0・n ・τ = n0 - n
⇔n = n0・(1-n・τ)
つまり、 GM計数管の真の計数率n0は
n0 = n/(1-n・τ) [cps]
って示されるの。これを使って問24を解いてみよっか。
5秒間で7.5×10^3カウントの計数を得られたから、実測計数率n[cps]はn=(7.5×10^3)/5
=1.5×10^3[cps]だね。分解時間τはτ=220[μsec]=220×10^-6[sec]=2.2×10^-4[sec]だから、真の計数率n0[cps]は
n0 = (1.5×10^3)/{1-(1.5×10^3 × 2.2×10^-4)}
= (1.5×10^3)/{1-(1.5×2.2×10^-1)}
= (1.5×10^3)/(1-0.33)
= (1.5×10^3)/0.67
= 2.238…×10^3 ≌ 2200[cps]
正解は2(2200)だね。
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