放射線取扱主任者試験対策講義〜物理①~
それじゃ、実際に過去問を見ていきながら放射線取扱主任者試験の傾向と解法のコツを掴んでいこっか。
最初に令和5年度、つまり去年の第1種の物理の出題を見ていくね。
問1は3He(n,p)3H反応に関する出題だね。これは熱中性子の測定に使用されるHe-3比例計数管に応用されてる核反応で、陽子(p)を放出することから荷電粒子放出反応として知られてるんだ。この反応のQ値(=反応で発生するエネルギー)が764keVだってことも覚えて欲しいかな〜。熱中性子の測定に使用される放射線検出器で重要なのがBF3比例計数管だね。これは前回の総論②でも話した10B(n,α)7Li反応を利用した放射線検出器で、252Cfから放出される高速中性子を利用した水分計に使用される検出器だよ。
それじゃ、本題の問1をA~Eの選択肢から見ていこっか。
✕A. 核反応の前後では質量保存の法則が成り立つから誤りだね。
〇B. 〇C. 〇D.
核反応の前後では(力学的)エネルギー保存則と運動量保存則が成り立つから正解♪
✕E. 核反応の前後では
反応前:3He…荷電数2 + 中性子…荷電数0 = 荷電数2
反応後:3H…荷電数1 + 陽子…荷電数1 = 荷電数2
って感じで荷電数(原子番号の和)が保存されるから誤りだよ。
正解は4.だね♪これは消去法でA.とE.が誤りだからBCDが正解って感じで解答すべき問題かな〜。
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