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500人以上の学生を見てきた社畜系サラリーマンが語る 【必読】就活では論理より直観を大切にしよう

はじめに 『自分の直観を信じること』の重要性

大学生の皆さんとお会いし、良く受ける相談の一つが「就活」についてです。私は、就活支援団体や大学主催の就活支援セミナー、OB訪問等において、「業界分析の方法」「エントリーシートの書き方」「面接の注意点」といった、就活のテクニックから、「人と仕事のどちらを選ぶべきか」「人生における仕事のプライオリティは」といった、働くことの意味についてまで、様々な相談を受け、その都度真摯に答えてきました。

相談してこられる学生さんは、理系・文系、院・学部、国立・私立、独身・既婚、男女問わず、累計500人以上の学生さんと直接会いし、その方に合ったお話をさせて頂いてきました。

結局、何をどう話しても行動するかどうかは本人次第であって、「アドバイスの場を持つこと自体、意味がないのではないか」と無力感に苛まされることもあります。

しかし、アドバイスした学生さんが社会人になり、数年経っても昔と変わらず「山田さん、飲みに行きましょう」と誘ってくれ、そしてお酒を飲みながら「あの時の話、仕事する上で今でも役に立ってますよ!」と嬉しそうに報告してくれる度に、真摯に相談に乗ってきた甲斐があったと感じます。

このノートでは、私が就活に関する相談を受けた際に、どのような背景を有する学生であっても、最初に必ず話す内容をまとめています。就活に関するテクニカルな情報を求めて辿り着いた方も、最初にこれだけは読んで欲しいと思っています。

前書きが長くなりましたが、私が就活の話をする際に最初に学生さんに話すこと。 それは、

「自分の直観を信じること」

の重要性についてです。

『就活』という枠組みのトラップ

社会人生活も長くなると、身の回りにおいて、職場が嫌になり転職を繰り返す人や、 仕事自体に諦めを持って、つまらなさそうに働いている人もたくさん出てきます。

彼らと飲んで、それとなく理由を探る中で、就活の時に論理的に判断することに重きを置いて、入社後「こんなはずじゃなかった」と後悔しているケースが多いことに気付きました。

そして変わって、学生の皆さんと話していると、論理的な判断をするための確実な情報を集めようとして、自己分析や業界分析を繰り返し、中々行動に移せない学生さん、特に理系男子や真面目な女子学生さん、が多いと感じています。

私は通信業界に身を置く中で、通信業界や関連するIT業界についての日々最新の情報を手に入れていますが、それでも自社やお付き合いしている業界が今後どうなるかなんて、一切分かりません。(当然株価の動きも分かりません)

また、社会に出て実際に新たなビジネス作りに挑戦して分かったのですが、新たに価値を生むための前提条件(市場・技術・法規制、etc...)は複雑怪奇であり、簡単に理解出来るものではありません。自身がやりたいことを組み合わせて新たなビジネスを市場に送り出すのは容易ではないのです。

そして、人生30年を過ぎましたが、自分の強みも未だに分かっていません。自分の強みを把握するための研修や本等も世の中には多数存在しますが、強みはあくまで他人と比べての相対的なもので、その環境や瞬間に強く依存するものであり、連続的で絶対的な強みを図ること自体にそんなに意味はないと、自分は思っています。

さらに、今の仕事が自分に合っているかどうかも分かりません。ただ、自分は海外の外資系企業への出向という経験を通じて、働くということ、価値を生むという仕事の本質については、どの環境であっても何も変わらないだろうな、とは感じています。やりたいことだって、自身の成長に合わせて数年単位で変わっていくのが当然です。

今、業界分析、志望動機、自己PR、会社選びに関連する、社会人としての自分の経験と考えを簡単にまとめてみました。

社会はそんなに単純じゃない

これらから何が言いたいかと言うと、「社会は複雑で、自分を客観的に見ることは簡単ではなく、就活という短い期間の中で、これらの情報を元に論理的に会社選びをすること」は、「学生さんにとって無理ゲー」だということです。

学生の皆さんに認識して頂きたいのが、あなたがここから先の人生において判断しないといけない各種事項(研究、仕事、結婚、出産、子育て等)は、今までの受験勉強・試験勉強と異なり、前提条件も答えもないものであり、就活はその世界の最初の一歩である、ということなのです。

受験勉強と同じように、正解や解き方を求めて足を使って一次情報を集め、戦略を立てること自体は悪くないのですが、問題に対して答え自体が存在しない以上、集まったカードを元に、自分の直観を元に、勇気を出して行動しないと行けない場面が必ず来ます。

これは至極一般的な考え方の話をしているのですが、答えありきの受験社会を突破した成功体験を有し、かつ就活に自分の人生がかかっていると勘違いしている学生さんにとって、このある意味「当たり前の考え方」が出来なくなっている人があまりに多いと感じています。

『就活』で人生は決まらない

「就活で人生の勝ち組が決まる」と豪語する学生さんもたまに見ますが、そんなに世の中甘くないです。希望の会社に入れたとしても、求められるアウトプットが出なかったら厳しく叱責されますし、忙しい日々の中で、継続的な努力も必要です。成功するには運すらも味方につける必要があります。就活が上手くいったら人生バラ色なんて、そんな甘い考えは一切捨てたほうが良いです。

ちなみに余談ですが、一流企業に内定が決まって俺凄いんだぞアピールばかりしている学生さん程、数年後には残念な社会人さんに仕上がっている傾向が高いと思っています。彼らはまず社会人1年目で「会社は大変だぞ~」と後輩に愚痴をこぼしながら自身の優位性をアピールします。そしてそれが3年後には「社会が悪い」になり、5年後には毒すら抜けて、文句すら言わなくなります。

皆さんはそうならないように、就活でロスした分も、残り少ない学生期間を研究活動や勉強(留学等)や旅行や恋人とのデート(もしくは恋人探し)に充てましょう。将来の自分を妄想し、後輩に自慢して自己満足を得る時間は3日間くらいにしておき、同程度の能力値を持つ同期達と切磋琢磨し、将来少しでも価値のある仕事が出来る能力を付けるために、残りの貴重な学生期間を大切にすることを強くお勧めします。(余談終了

そして、「就活に失敗したら人生おしまい」という悲観的な考えをする学生さんも見受けられますが、これもたかが就活に人生を押し付けすぎだと感じています。会社に入って一生懸命努力して、その評価や対価が見合っていないと感じるのなら、その時は前向きな転職をしてしまえばよいだけです。

最近私自身も色々な会社にお声掛け頂くようになりましたが、実績と武器(技術、語学等)があれば、どこでも面白い仕事はあります。逆に言えば、社会人になって以降も継続的に力を付ける努力を続けなければ、面白いと思えるような仕事にはいつまで経っても出会えないということです。

なので、まずは就活という短期の枠組みに人生がかかっている、なんていう甘い勘違いは捨ててしまい、人生は日々の連続でしかないという当たり前のことをまずは認識して頂きたいです。一発勝負の場のために自分をガチガチに固めるのではなく、積み上げてきた自分を素直に伝える場が就活だと考えると、余計なことに頭を悩ませることも無くなると思います。

『自分の直観』を信じるとは?

以上のような前提を理解した上で、では就活という限られた情報の中で行動しないといけない場面において、 何を意識にしたら良いかというと、私がとにかくアドバイスするのが、「自分の直観を信じること」なのです。

直観を信じて就活を行う、というのはどういうことかというと、 「自分の強み×会社で出来ること」というような論理的な判断をベースに就活をするのではなく、会社の雰囲気や働く人を自分の目や耳で感じた体験的な情報を元に、会社選びを感覚的にすべし、ということです。 左脳ではなく右脳、合う合わない、楽しそう、つまらなさそう、といった、自分の感覚をもっと大切にしよう、ということです。

再度、就活の世界からは、完璧に論理的な判断が可能になるような情報は集まりません。手に入れた少ないカードでどんどん直観的な判断をして、行動する精神的な強さが求められます。「なんか良くわからないけど、この会社いいな」 と感じたのなら、即座に社員を捕まえて、その感覚が合っているか検証するべきです。論理的な判断に捉われると、就活や今後の人生でも「機を逸してしまう危険性」が出ます。

また、必要十分でない情報で論理的な判断をしたつもりになってしまい、会社に入って「こんなつもりじゃなかった…」と後悔するくらいなら、何より自分の直観を信じましょう。20数年間育んだ自分の感覚をベースに判断したのなら、それが外れていても自分の見る目が無かったと、不思議と諦めがつくというものです。

直観をベースに就活をすると、会社に対する目線も変わってくると思います。説明会でも、業績の中身よりも話している人の雰囲気を。面接でも、聞かれている内容より、聞いている人や会社の雰囲気を。「パンフレットの内容は魅力的だが、社員と話していると、何か頭の後ろの方に言葉に出来ない違和感が残る…」、逆に「何をしているか良く分からないけど、自分が楽しそうに働いている姿がイメージできる」といった感覚をとにかく大事にしてほしいと思っています。

特に、選考が進んでくる中での面接官との合う合わないは、重要です。会社としても、エースを引っ張ってきており、会社に入ってからも、その人の元で働く可能性が高いのですから…。

ありふれた言い方ですが、恋人を探すような気持ちで、会社を探してみてください。自分の右脳をフル回転してその結果、会社が何をしているか良く分からないけど、自分が楽しく働いているのがイメージできる、というのが理想の就活、理想の判断だと自分は思います。

まとめ

自分も、学生時代に今の会社を選んだ際に、会社が何をしているのか、正直良くわかりませんでした。ただ、選考が進む中で、楽しそうに働いている自分の姿が明確にイメージ出来ました。そして、そのイメージは間違っていなかった、自分の直観を信じてよかったと、日々仕事をする中で感じています。

『就活』における直観の重要性。是非参考にしてください

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