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ラジオディレクターが Clubhouse を聞いて使ってみて感じたこと

今週になって急に大きな注目を浴びている Clubhouse。僕も昨日招待してもらって1日聞いてみたりしゃべってみたりして感じたことをちょっとまとめてみた。まだほとんど下書きの状態だけど、とりあえず公開する。間違ってる事とかもあると思うので、それは随時修正したりしていくつもり。

で、なんで突然日本にこんなにやってきたのかというと、どうやら大きな出資があったという話と日本語に関するバグ?らしきものが解消されたと言うことらしい。サービス自体は1年位前にアメリカで始まったとのこと。

コンセプト

クラブハウスはよく音声版 Twitter などと言われているが、実際には音声 SNS でありながらほぼラジオと言う感じ。
ソーシャルネットワークのつながりを保ちつつ、コミュニケーションはあくまでリアルタイムに集約している。時間軸の感覚が全く違う。基本的には紹介制(ひとりあたり二人まで)で、なおかつ自分の電話番号を登録しないといけないので、堅実な SNS という印象も強い。

ポリシー

規約が英語で書かれているのでほとんどの人は読んでないと思うけど(僕もそう)、実は結構厳しいポリシーとルールがあるみたい。
まず、録音と録画が基本的にできないようになっている。画面保存をしようとするとアプリが落ちるらしい。会話の内容をメモすることも禁止されているとか。さらにトークの内容についても、下ネタは禁止とかいろいろ厳しいルールがあるみたい。ただこの辺はまだ日本語化されてないこともあり、こちらが通報しない限りはいろいろグレーゾーンのまま進んでいくんじゃないかと思う。

音質

ラジオディレクターとして最初に気になったのが、この音質が予想以上に良い事だった。あるラジオ関係者が、「喋ってる人の声がみんな同じで聞きづらいノーマライズと言う概念がないのか」と Twitter に書いていたけれど、そういうことではない。それなりの数の人が同時にしゃべってもミュートされたりコンプレッションされることなく自然な状態で会話が継続できるのが実はすごい技術なのではないか。タイムラグもかなり少ないと思われるので、話すタイミングさえ間違えなければテンポよく多人数での会話を進められるのではないかと思う。

コンテンツ

「意識高い系ルーム」ネット上で知見も実績もある人が共通の趣味や人脈、そしてたまたま同じ時間につながることなどをきっかけとして、テーマがあったりなかったりしながらトークが展開する。これは純粋に聞いていて刺激になるし面白い。気になる人はどんどんフォローしていくと世界が広がる。

「オンライン飲み会的ルーム」これは共通の知り合いやさらにそのまた知り合いなどがなんとなく繋がってその時のムードで雑談が繰り広げられる感じ。音声のみで顔を見せる必要がないので、オンライン飲み会は今後こっちにシフトしていくようになるのではないかと思う。友達の友達とどんどん繋がっていく感じが面白い。知り合いが誰もいない「雑談ルーム」に飛び込んでみると、同業者や知り合いの知り合いがいたりする。

「情報商材的怪しいルーム」いわゆる情報商材系のオンラインサロンとか秒で億を稼ぐとか、そういう感じの怪しい人たちが集まっているルーム。基本的に1人もしくは数人のモデレーターがいて、そこにたくさんのリスナーがぶら下がっている感じ。このルームを覗くと基本実名で登録するはずのアカウント名がゆるふわっぽいハンドルネームで溢れていてまるで異世界。

「著名人鼎談ルーム」例えばIT業界の偉い人とかとモデルやタレントなどの有名人が対談しているルーム。あっという間に10,000人以上のリスナーを集めていて、これはもうほとんどラジオ。

他にもいろいろなジャンルのルームが誕生しているので、この1週間でどのように固定化されていくのかが非常に興味深い。

モデレーター

モデレーターはそのルームを立ち上げた人。同じ壇上に上がったスピーカーにモデレーターの権利を持たせたり、挙手してきたりリスナーを壇上に引っ張りあげたりすることができる。辺複数の人間がモデレーターになっていれば、そのうち誰か1人が残っている限りそのルームは継続できる。ある程度人数が増えてくるとこのモデレーターの役割はとても重要になってきて、多数のスピーカーを仕切って回す実力が必要になってくる。これも非常にラジオっぽい。

気になること

前にも書いたように結構運営ポリシーが厳しいので、今後は例えば音楽著作権が問題になってくると思う。今の時点ではクリエーター同士が集まってコーライティングで作編曲したり、クラブDJが自分の音源を流したりしているルームもあるようだけど、当然これらは権利処理されてるわけではなくグレーゾーンの中で使用されるので、これも誰かが通報したり、AI判定でアウトになったりするケースが増えるのではないか。

上に書いた「有名人鼎談ルーム」みたいなのは、既存のラジオにとっては大きな脅威になると思う。例えば radiko でも、キーワードを登録しておくと、通知が来てすぐ聴けるというようなサービスを早々に始めないと、あっという間に追い抜かれてそうな気がしてちょっと怖い。

マネタイズの問題

詳しいことはわからないけれどどうやら今後の方向性として有料のルームや投げ銭などのマネタイズのシステムが構築されていくらしい。3月頃?とか。

今後の方向性

携帯電話の番号と紐付けられるので、ファンコミュニティーとしての信頼感は大きく得られると思う。今後の有料化とつなげていくことで、ビジネスとして使われていく部分はありそう。
正直、1週間後でムードがガラリと変わりそうなので、慎重に様子を見ていこうと思う。

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