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やっぱり使いものにならなかった SoftBank Air をクーリング・オフするまでのカンタンでなかった長い長いお話。
(TOP画像は SoftBank のサイトから借用しました)
家でのネットは、OCN のフレッツ光を引いている。時代遅れの VDSL 接続で速度も遅いのだが、建物の構造上、引けるはずの光ケーブルが屋内に引き込めない。いや、実際には引き込めるはずで、同じマンションの他の部屋では光ケーブルを引いているところもあるのだが、ウチだけが引き込めないのだ。これまで「SoftBank 光」と「NURO」の人が実際に引き込み工事にやってきて、壁をさぐったあと、諦めて帰って行った。部屋には銅線こそ来ているものの、その銅線を覆うパイプがないので、光ケーブルを共有配管から引き込めないというのだ。
そんなある日、SoftBank の営業(男性)からセールスの電話がかかってきた。
SoftBank(以下S)「SoftBank Air の特別キャンペーンです! 今回すごくお得なキャンペーンなんです! まずはご本人さまの確認をお願いします。電話番号とお名前、生年月日を……」
radioya(以下R)「(わかってるはずの電話番号と名前と生年月日を伝えて)今のネット環境は VDSL の OCN フレッツ光なのであまり満足してないんですけど、正直、SoftBank Air には期待してないんですよね。ネットでも『遅い』という声ばかりで。かつて職場で使ったこともあるんですが、ただ繋がるというだけで速度はとても不満でしたから」
S「それは古い機種です! 今のはずっと早くなってます。VDSL の光回線からのお切り替えなら、確実に速度の向上を実感いただけますよ! また、おたくのエリアは近々 5G の対応エリアになるので、対応次第、5G 対応の最新機種に交換します。そうしたらもっと早くなりますよ! もしもお気に召さなかった場合、クーリングオフでお客様の負担なく返品もできるので、まずはお試しを! SoftBank ユーザーの方には割引あります! キャッシュバックもあります!」
……と、熱量がすごいので、「じゃあ、返品しても構わないなら」と、申し込むことにした。
S「それでは確認部門から折り返し本人確認のお電話をいたしますので、そちらで手続きをお願いします」
R「え? 今ここでやってくれるんじゃないんですか? 本人確認はさっきやりましたよね?」
S「部門が違うので……」
次の電話を待つ。女性のオペレーターから電話がかかってくる。
S「お待たせしました。ご本人確認をお願いします。電話番号とお名前、生年月日を」
R「(わかってるはずの電話番号と名前と生年月日を伝えて)これでいいんですか?」
S「お手続はオンラインでそのままできます。今から SMS をお送りするので、そこから手続きしてください。また電話します」
さっそく SMS が届いたのだが、メッセージに書かれたリンクをクリックしても「ただいま混みあっております」の画面が表示される。何度やっても同じ。
最初に電話してきた男性から電話がかかってくる。
S「お手続きはしていただけましたか?」
R「さっきから何度もやってるんですけど、『混みあってる」と言われて先に進めません」
S「では少し時間をおいていただいて……」
その後何度トライしても「混みあっている」の表示が続く。また男性から電話がかかってくる。
S「その後いかがでしょうか?」
R「いやもう何度やっても『混みあってる』と言われるだけで繋がりませんよ。どうなってるんですか?(さすがに少しいらだってる)」
S「では、郵送で書類をお送りするので、身分証明書のコピーを張りつけてご返送ください」
R「家の近くに SoftBank ショップがあるんですけど、そこに行くんじゃだめですか? もうこれ以上手間がかかるの嫌なんですけど」
S「いえ。ショップは管轄が別なので、今回のキャンペーンをご利用いただけないんですよ」
なんだよもう。オンラインですぐできるって言うから申し込んだのに、結局コンビニに行ってコピーしたりしなくちゃいけなくなるんじゃん。時間もかかるしコピー代もかかるし。
後日、書類が届いたので、コンビニで身分証明書をコピーして張りつけて返送。数日後には SoftBank Air(と「おうちでんわ」)の本体が送られてきた。
さっそく取り付けてみる。窓際に置いてコンセントをさすだけなので確かにカンタンだ。今までの VDSL 接続のフレッツ光では下り70MB、上り30MB くらいだから、少しでも上回るのなら変えてしまおう。料金もほんの少し安くなるし。
最初に繋いだときのスピードテストでは、下り65MB、上り8MB。うーん……これじゃあ変える意味ないなぁ。受信感度は三段階の「強」、接続も 5GHz、これでこの数字しか出ないのか……と思っていたら、日が暮れるとともにどんどん速度が遅くなる。下り10MB、上り2MB……これじゃあ WiMAX より遅いじゃん。
1日半試してみてどうにもならないので、その翌日に電話。女性のオペレーターが対応。
R「やっぱり速度が満足の出る結果ではなかったので返品します」
S「では、電話番号とお名前と生年月日をお願いします。……確認して折り返しますのでしばらくお待ちください」
解約するって言ってるのに何を確認するんだ? ユーザー確認なら今、やったんじゃないの?
半日後。男性のオペレーターから電話がかかってくる。
S「お待たせしました。解約のご希望ですね」
R「そうです。お願いします」
S「お調べしたところ、お宅のエリアは 5G での通信が可能ですので、5G に対応した最新機種への乗り換えキャンペーンをご案内します。これなら速度も御満足してお使いいただけるかと。今からキャンペーン受付の電阿番号を申し上げるのでメモのご用意はいいですか?」
実はこのとき、ちょっと体調が悪くて横になっていたのでメモをとれない状況。
R「ちょっと今はメモがとれないのですが」
S「そうですか。以前もお伝えした 0800-XXX-XXX です。そのまま『2』と『5』を押していただければオペレーターに繋がります」
R「いや、今、メモがとれないんですけど」
S「無料で交換していますのでよろしくお願いいたします!」
……だめだ。話にならない。こうして体調が悪かったり仕事が忙しかったりして、どんどんクーリングオフの期間が迫ってくるのだが、自宅には「重要事項説明書」が何種類も、別々に郵送で送られてくる。なんてこれ1通にまとめられないのかな。そのうちのひとつに書いてあった問い合わせ番号に電話する。
R「SoftBank Air の解約をしたいんですが」
S「そちらはチャットで対応いたしますので、今から SMS を送ります。そちらからお願いします」
SMS が届く。チャットのページにアクセスし、オペレーターに「解約したい」と伝えると「解約は電話になります。0800-xxx-xxx(また別の番号)にお願いします」……じゃあ何のために一度チャットかましたんだ?と思いながら、新しく聞いた「解約専用番号」にかけてみる。
S「ただいま、大変混みあっております……」
この日はこれで時間切れ。明後日までに解約しないと料金が発生してしまう。
翌日、再び電話。混みあっているが根気良く待って、やっと繋がる。
R「SoftBank Air の解約をしたいのですが」
S「わかりました。よろしければ理由をお聞かせ願えますか?」
ここまでの話をもう一度全部するのもアホらしいので「速度が遅く、使いものにならないから」とだけ伝える。
S「では、お手続に入ります」
S「再契約はできませんがよろしいですか?」
R「もちろんです」
……はぁ。ここまでで3,000文字超え。本当に長い道のりだった。
結論。SoftBank Air は VDSL 接続のフレッツ光より全然遅い。オペレーターが何度も違う人になりとにかくめんどくさい。そして、最終的に「SoftBank Air」と「おうちのでんわ」は別々に回収されるようだ。何から何まで非効率でものすごい。人柱としてはなかなか壮絶な体験だった。みなさんもお気を付けて。