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Nikon Z9がやってきましました。

 さて、溜まっている宿題こと籠球観戦記の10月1日更新分で「前々から計画していたNikon Z9を9月10日に発注しました」、なんてお話を書いたのですが……。

 もう来ちゃった(10/5入庫連絡、10/6発送、10/8受け取り)。

 8日に観戦を入れていたはずがチケット手配を行いそびれるという状況があり、結果的に自宅で受領出来るといういいんだか悪いんだかわからない流れで手元にやってきてくれました。

 在庫確保連絡に合わせて、籠球シーズンに一番使うレンズのZマウントへの変更、野球シーズンで一番使うレンズ用のマウントアダプターの発注やアマゾンでアクセサリー類やメモリーカード類の発注を終わらせ、レンズ類はボディと同着、アクセサリー類は翌日の到着という流れで動いておりました。

 スポーツの現場では10月9日の湘南-横浜ex(B3リーグ・秋葉台文化体育館)からシェイクダウン、10月10日の東京BC-さいたま(B3リーグ・有明アリーナ(メイン))から本格稼働と言った塩梅で、観戦記の更新も溜まっていますがせっかくきた新しい相棒、Z9の使い勝手などを紹介していきます。

※注1……動画は本当にやらないのでそのあたりのインプレッションは別のところをあたってください

■発注から納品まで

 あくまでも目安、になりますが、今回の発注から納品までの経過は下記の通り。

 2022/9/10 マップカメラにて発注(納期未定表示あり)。
      以降、ステータスは「入荷待ち」表示。
 ↓
 2022/10/5 同時期に発注した方に入荷連絡がという情報有り。
      自身のマイページを確認すると……「在庫確保」の表示。
      メールにて入庫連絡。支払いその他の処理。
      同時進行でZマウントレンズとマウントアダプター発注。
 ↓
 2022/10/6 発送連絡。
      観戦予定チケットの確保間違い発覚。受領日変更。
 ↓
 2022/10/8 本体とレンズの一式到着。

 とまぁ、発注から一ヶ月切って手元にやってきてしまい、色々大慌てだったんですけども、ネット上の情報を見ていると、オーダーから入荷までのタイミングが夏前の状況と比べ、だいぶ短くなっている印象。

 半年先を見て動きながら、オーダーから早く入荷する場合もあるという気持ちで発注するのがいいようです。

■取り回し

 ファンクションボタンや設定ボタンが一杯ついている(雑)なフラッグシップ機なんですけども、元々Nikon機を使っていた皆さんであれば、ボタン配置に慣れさえすればやりたいをどうしたらいいかはすぐに理解できるかなと思います。

 ボディサイズは大きいですけども、元々フラッグシップ機を使っていたり、中級機にバッテリーグリップを付けて縦構図を安定させていた皆さんであれば違和感なく入っていけそうです。

 重量的な部分も上と同様で、フラッグシップ機ないし中級機+バッテリーグリップ装備のかたなら問題ない重さ。おさないはバッテリーグリップに単3乾電池8本体制でD500を運用(現地でタブレットへの転送あり)していたので、体感重量的には微減している気がします(計測前にドナドナされたため、実際の重量は計測していません)。

■オートフォーカス

 3D-トラッキングと被写体検知がただただエグくて、撮っていてなんかもう笑ってしまっていました。

 瞳AFはタッチイベントで実体験して、別メーカーですけどもRX100M7で使ってみて「これはすごいねぇ」と最新技術に感心したんですけども、実際に現場に持っていくとなんかもうちょっと笑ってしまう勢いといいましょうか、AFの食いつきが半端なかったです。

 ちょっと気になる点があるとすば、横切りの反応が若干D500と違うといいましょうか、粘ってほしいところで横切る別の被写体にピンを持って行きかけるというあたり。

 ミラーレス機の癖なのかなぁと思うんですが、AFロックオン設定を変更しながら、その癖に慣れていくしか無いかなと思っています。

※追記(ファームウェア Ver.2.1.1使用時)

 使っていくうちに気になるのは、横切る被写体にピントを結構持っていかれるんだねということでしょうか。3Dトラッキングに全幅の信頼を寄せ、AEロックをかける設定にしている、親指でピンを合わせ、半押しでロックを掛けるという動作にしているのにもかかわらず、バスケの現場で手前側を走る選手にピンを持って行きかける、迷うシーンがあるみたいなんすよね。

 このあたり、3Dトラッキングではないピンにしていけばいいのかなと思うので、もうちょっといろいろな現場で感覚をつかんでいきたいところ。ただ、自動で瞳にピンを当ててくれる、そのまま追従してくれる3Dトラッキングは楽しすぎるんすよね。

※追記(ファームウェア Ver.3.0.0使用時

 だいぶ横切りの感度が抑えられている、ピンを外さないように粘ってくれるようで、バスケのような選手が重なり合うようなシーンでも粘ってくれるのは本当にありがたいなと。ただ、いい意味でも悪い意味でも3Dトラッキング任せにしてしまうと、過敏なところは変わらないのかな、なんて感じつつですけどもここはもう慣れなんでしょうね。

■高感度耐性

 昨今のアリーナだとそこまで感度をあげなくても粘ってくれるのですが、せっかくなのでとISO6400/SS800/f3.5で設定。使用レンズはNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sという陣容で撮ってみた絵がこちら。

 えと……。

 SnapBridge転送版なので2M抑制仕様のjpgをアップしているんですけども、ノイズほとんど気にならないですね。

 船橋アリーナとか明らかに照明光量が少ないところとか、暗転時にググっと感度上げてどんな塩梅に残るかを試していきたいところ、ですね。

※追記

 ISO6400でもノイズは気にならない、常用レベルという認識でいいのかなと。今後、むしろもうちょっと感度を上げてみたときにどんな感じになるのかためしてみてもいいかもしれません。

■画質

 今回の記事の写真はすべてZ9で撮ったものをSnapBridgeに転送して使用している(2Mサイズ)のですが、これはもう言葉は要らないと言いましょうか、ただただ綺麗で(ピクチャーコントロールはスタンダードを使用)。

 若干彩度が強めなのかなという印象を受けましたけど、このあたりは調整でなんともなりますし、画像処理エンジンのEXPEED 7の色として理解するのが良さそうですね。

■EVF

 これはもうお店で試して、自分の目で確かめていただいたほうがいいのかなと思うんですけども、像の消失が無いReal-Live Viewfinderの凄さはEVFだってのを忘れる感覚といいましょうか、普通のペンタプリズムを通したそのままの絵と遜色が無いです。

 技術革新ってすごいんだなぁって感じたのは、上がりの絵やAF性能もですけど、ファインダーを通じて見える絵からも感じました。

※追記

 光源条件がいいところ……屋外昼間だったり、屋内でもある程度は光がちゃんとあるところであれば、ピンを当て続けてくれるんですけども、ど暗転のときの追従はあまり良くないかなぁという印象が序盤にありました。

 シャッターを切るとある程度の像は残っていますけど、EVFでの表示がわやなのには困りましたが、これは光源状態がよろしくないときに使うスターライトビューを使っていなかったのが原因。

 そのままにしてもスターライトビューにしても、見た目がそのままなペンタプリズムを通じた像の見え方やピンの合わせ方に慣れすぎてるんだとは思うので、このあたりもEVFなりの考え方というか、合わせ方に慣れていくしか無いかなって思っています。

■画像確認とデータ転送

 私の現場での作業フローは様々なシーンを撮って、合間にSnapBridgeへ転送指示。バックグラウンドで転送させつつ撮影して、終了後にそのデータを一気に見直して、使えるコマを再度転送をと言う流れ。

 なので、ボディのプレビューや転送の取り回しが結構肝になるんですけども、D500と比較するとサックサクもいいところ。シャッターユニットレスの安心感から撮影枚数が多めになりがちなんですけども、体感的にチェックや転送指示のストレスは軽くなっている気がします。

 SnapBridgeへのBluetoothをつかって転送時間は当然ながら変わらず。接続が若干まだ安定しない気がするんですけども、気のせいかなと……このあたりはもうちょっと様子見ですね。

■バッテリーの消費具合

 Bリーグ公式戦で開場後のアップからキャラクターやチアのアクト、試合中の諸々まで全部撮りたいを全力にして撮って、転送その他を行った場合……。

 電池ちょい持ちません。

 このあたりは予想ができたので、納品に合わせてアマゾンで互換バッテリーを1個(安心より金額をとりました)発注して運用をしています。

 1試合であれば純正+互換バッテリーで持ちそうなんですけども、2試合となると若干不安なのとNPBやBCLの現場で行われる試合開始前のステージなども考慮すると、もう1個バッテリーが必要かなと追加発注をしています。

■メディアの消費具合

 バッテリー同様、Bリーグ公式戦で開場後のアップからキャラクターやチアのアクト、試合中の諸々まで全部撮りたいを全力にして撮って、転送その他を行った場合……。

 メディア256Gだとちょい足りません。

 シェイクダウンだった湘南ユナイテッドBCホームゲームでは発注したカードが到着する前だったので、XQDカード128Gx2で撮ってみたものの、残り5分のオフィシャルタイムアウト開けにディスクフル。

 二試合目の東京ユナイテッドBC戦ではCF ExpressBカード256Gx2で運用して余裕だったので、CF256G+XQD128Gという運用で安定するかなと。心の安定にはもう一番予備がほしいかなと思うところではあるんですけどね。

 あと、XQDで読み書き速度は大丈夫かってのがちょっと心配でしたけども、動画は別だと思いますが、スチルであれば問題はなさそうです。

■同時購入したアクセサリー

 今のところ互換バッテリーで問題は起きてないですが、このあたりは自己責任。CF ExpressBもお値打ちなほうをチョイスしましたが、これも同様。カードリーダー付きのにして多少金額をカットアウトしています。

 イージーカバーはZ9と長く付き合いそうだという気持ちでいたので今回は購入。バッテリー部分の取り回しに引っかかりがあるんですけども、保護を考えるとしかたがないような気もしますし、HDMIやUSB C端子周辺と同様に切込みを入れてもいいんじゃないかなと思ったんですけど、どうでしょうね。

 あとイージーカバー附属の液晶フィルムがまるでサイズあってないのと、ペラッペラだったので別途ガラスフィルムを購入。フィルム貼りは苦手なんですけども頑張りました。

■レンズ(Zマウント)

 メイン機のZマウント化に伴い、バスケの現場やステージ関連では一番のメインレンズ、70-200mm f2.8もZマウント化しました。

 マウントアダプターを噛ませて手持ちのレンズ(Nikon AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8E FL ED VR)を使用する流れも少し考えましたけど、これはもうZ9を迎えると決めたときから買い替えようと考えていまして。機材全長にも気を使って行きたいと思い、FTZの分は短くなるZマウントにしてしまおうと。

アマチュアレベルでそこまで差が出るということは無いかなと思うんですが、現状の組み合わせのがしっくり来ている感覚はありますし、あとはボディ性能のおかげ、特に瞳AFのお陰で絞り開放でも選手やチアさんの表情やピンを外さなくなったのがただただ嬉しいです。

■レンズ(FTZ IIを介したFマウント)

 導入直後、10/15に埼玉武蔵ヒートベアーズのファン感謝デーがあったので、野球のシーズンに向けてFマウントの超望遠(150-600)とFマウントの撒き餌レンズをFTZ IIに介して撮ってみました。

角ハイ王子

 どんな感じなのかなぁって思っていましたけど、対応レンズであれば何の違和感もなくAFが効きますし、写り自体も違和感なく。あと、センサー保護シャッターがあるのは、屋外でレンズを付け替える時の心配が少ないといいましょうか、交換時も気にせず安心できますね。

※マイルチャンピオンシップ2022勝ち馬、セリフォス号を富士ステークスで。

 ただ、接触不良なのかどうなのか東京競馬場でお馬さん撮ってたときにレンズの手ぶれ補正が若干暴走しがちでエラーをちょいちょい出していたのが気になるところ。将来的に出るらしいZマウントの200-600mmを検討する方向でもいいのかしら、なんて思います。

 あと、D3を使ってた頃に標準レンズとして使っていたFマウントの撒き餌レンズ、50mm F1.8を久しぶりに出してきてボディキャップ代わりにFTZ IIと供に付けてみたんですけども、これがなかなかよろしくて。突発的に起こる事象に対応するような自由なフレーミングは厳しいですけど、ナチュラルなフレーミングは得意ですし、あとはやっぱこう……明るい(レンズ)は正義なんだなぁと改めて思い、サブ機導入とともに50mmとZマウントの40mm f2をチェンジ、ボディキャップがわりに着けていこうと思っています。

■総合

 ものすごくぶっちゃけた話、ボディにレンズに付属品にと安い買い物ではありませんし、納期もあってないようなもののように見えてすぐ来たり、計画がしにくい状況ではありますが……。

 写真撮影が趣味で、撮影シチュエーションや撮影ショット数が多い皆さんはお金を貯めて手を出すだけの価値があると言い切ってしまいたいです。

 従来のデジタル一眼レフでついて回るのはシャッターユニットの耐用限界数。フラッグシップ機で40万、ミドルクラスで20万というのがある程度の目安だと思うんですけども、野球とバスケのハイブリッドで撮りたいものがある、しかも選手やキャラ、チアと節操なく見るもの全部残したいとかやっていくと、ミドルクラスの20万ショットなんてのはだいたい1年弱ぐらいで越えていきます。

 そうなるとオーバーホールでシャッターユニットを交換という依頼を出してというパターンになって、ざっくりと予算が5万-8万というあたりで毎年計画をし、さらに数年おきでボディも入れ替えて転ばぬ先の杖をという流れで遊んでいたんです……と、諸々を計算すると色々とおっかないことになるので気にしないでいただきたいんですけども、Z9はシャッターユニットレスということでそのユニット限界を迎える前の動き、そこにかかる金額をそこまで考慮しなくてもいいと言うのは本当に大きいです。

 そのユニット限界を考えずにシャッターを切れるのは本当に幸せといいましょうか、今まで多少自重して切っていたシャッターをここだって言うシーンで切り倒せるのは、たくさん撮る皆さんには伝わるかなと思うんですが、脳内で快楽物質出まくってるんじゃないかなって思うぐらいに幸せで。

 しかも狙ったどおりの絵が残せるってんですから、買って数試合撮影した感想として、Z9に手を出さない理由が(重課金という最大の障壁以外)見つからないってのが正直なところです。

 ミラーレス機特有の癖があったり、重さという問題もありますけど、「撮りたい瞬間が撮れる」「切り取りたい瞬間を切り取れる」という喜びのほうが上回るので、そこはもうアジャストしていくだけかしらと。

 画質問題ない、エグいという言葉しか当てはまらないAF性能、シャッターユニットレス、連射超番長、ボディ内手ブレ補正、縦構図横構図でファインダーない情報がシレッと入れ替わっている(地味に嬉しい)……等々、すでに色々なレビューが上がっているので今更感はありますけど、ただただ重課金してよかったなと思います。


 機材のお話を色々と伝える際、ああじゃないこうじゃないと言いたくなる部分はあると思うんですが、今回改めて「楽をしたければ課金をしっかりとしていこう」と言うのを感じました。

 もちろん、趣味にどこまで身銭を切れるかという問題がどうしてもあるとは思うんですけども、切れるんだったら、貯められるんだったらという前提になりますが、Nikon派にZ9と諸々はほんっとおすすめしていきたいですね。

 最後に私の大好きな言葉を皆さんに。

カンタンですよ、全部つぎ込んでるからですヨ。ガソリンスタンドで働いている若いコとかでS13あたりにすごい改造費かけてるコいるでしょ、同じですヨ。入ってくる金みんなつぎ込んでいるだけですヨ 

「湾岸ミッドナイト」第14巻 P115 ブラックバード(島達也)

 とりあえず、しばらくは爪に火をともしながら粛々と観戦して撮影していきたいと思います。

サポートをご検討いただければ幸いです。いただいたサポートはカメラのメンテナンス代などに充てさせていただきますとか書いてますが、実際には設定しよう的に書いてありましたの設定しました程度です。