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2022 コンテンツmybest5 (本・映画・音楽・TV番組)

明けましておめでとうございます!
昨年から始めたエンタメ忘備録を
今年もまとめたいと思います。
(昨年同様、本、音楽、映画、テレビ番組)
大晦日に投稿したかったけれど
間に合わず・・・
(所々の今年は2022年という認識で読んで下さい)
あくまで極私的ランキングという前提で、
年末年始のお時間がある時にでも読んでいただければ幸いです。


2022 mybest5<Book編>

2022年は200冊くらいに目を通した。仕事で読まなければいけない資料も多かったが、やはり本屋を巡ってビビッときたものが記憶に残りがち。学生時代よく通った本屋が、次々閉店になって悲しい一年でもあった。2023年はもう少し小説も読んでみたい。

第5位 パパイヤ・ママイヤ

今年も小説はあまり読めなかったが、10数冊程度の中でのベストはこちら。
(桐野夏生の「日没」とも非常に迷ったが・・・)
新進気鋭というのも、もはやおこがましいが三島由紀夫賞や坪田譲治賞なども受賞した若手実力派作家の乗代雄介の作品。出身が北海道という事もあり、デビュー作から応援している。アル中の父親が嫌いなパパイヤと芸術家の母親に振り回されて育ったママイヤの一夏の青春物語。まるで映像を見ているかのような臨場感のある描写、口語と文語のバランスも絶妙で、読んでいて気持ちの良い文章がつづく。読後感はじんわり、でもさわやかという
不思議な感覚。こちらを読んではまった人は
ぜひ下記の短編集も。648Pと半端ない長さですが・・・。

第4位 老人ホームで死ぬほどモテたい

2022年は短歌にハマった年だった。そのきっかけになったのがこちらの一冊。タイトルのインパクトから手に取り、読んでみて驚いた。BADHOP並みの強烈なパンチライン多数。特に好きな短歌を三つほど。

ラーメンとユニクロイオンあとバッセン 
果てない灰色の通学路

老人ホームで死ぬほどモテたい 上坂あゆ美

それっぽい土手とかないしサンクスの駐車場で
いろいろを誓う

老人ホームで死ぬほどモテたい 上坂あゆ美

お別れの頬の涙のしずくの形見て
「めっちゃ涙」ときみは笑った

老人ホームで死ぬほどモテたい 上坂あゆ美

決して前向きではない内容だが、読んだ後には元気が出るパワフルな短歌達。何度も何度も読み返したくなる。著者の上坂さんに興味をもった人は、
こちらのインタビューもぜひ。

第3位 うみべのストーブ

今年も沢山の漫画を読んだが、その中のベストはこれ。
(「女の園の星」「サンダー3」等も衝撃的な面白さでした)
全7編の漫画の短編集だが、全て異なるテイストかつ技法で描かれている。
特に好きだったのは「海の底から」という物語。

仕事で忙しい毎日を送る深谷桃は、かつてのように小説を書くことができない。いまの自分はまるで海の底から上を見上げているようで…。
創作に向き合うことができないでいる生活者の苦悩の物語。
「悔しい 書かなくても幸せでいられるのが」

うみべのストーブ 大白小蟹

といった内容だ。創作に再び向き合い始めた桃の内面描写が素晴らし過ぎるので、是非とも読んで頂きたい。

第2位 ダイアローグ

昨年、急逝してしまった世界的デザイナー、ヴァージル・アブローの哲学を
余すことなく知れる一冊。OFF-WHITEでストリート文化とハイファッションを融合させるという偉業を成し遂げたヴァージル。「クールとはなにか?」や「権力を溶解させる」等の世界的なムーブメントを巻き起こす神髄が詰まっている。

第1位 統合失調症の一族:遺伝か環境か

2022のベスト本はこちら。タイトル通り統合失調の一族の歴史をおよそ60年にわたって研究し、何が「統合失調症」を定義するのか?を追い続けたノンフィクション。あらすじは以下。

第二次大戦後、ギャルヴィン一家は空軍に籍を置く父親の都合でコロラド州に移り住む。ベビーブームを背景に12人の子宝に恵まれた一家だったが、1970年代半ばには子供のうち6人が統合失調症と診断された。厳格な父母によって育てられた容姿端麗で運動能力の高い息子たちは、なぜ次々に精神疾患に見舞われたのか?一方で、サイコセラピーと抗精神病薬による療法が主流だった当時、遺伝的側面から統合失調症の原因究明や治療・予防法の発見を目指す研究者たちがいた。彼らはギャルヴィン家の人々と出会い、様々な検査等を通じて、統合失調症にかかわる遺伝子を突き止めていく――。

統合失調症の一族:遺伝か環境か

何をどう設計したらここまで重厚かつ壮大な物語を描ききれるのか、その制作過程が一番知りたくなるような著者の筆力で、約600ページがぐいぐい読めてしまう。事実は小説より奇なりの最たる作品です。

2022 mybest5〈Music編〉

今年も新規開拓を目的に沢山のジャンルの音楽を聴いた。
結果的にJ-POPとR&Bが多く、昨年とあまり変わらず・・・
来年はjazzとかもより深掘っていきたい。

第5位 リセット症候群/BURNABLE/UNBURNABLE 

今年デビューのJ-pop組の中で最も刺さったのがこちら。“あなたの捨てたい感情をも肯定する音楽を──”というコンセプトの元、ダーク・エレクトロ感のある楽曲。NEXTずとまよになる可能性を秘めたユニットだと思う。
新曲の中毒性も凄いのでぜひ聴いて欲しい。

第4位 Upon you/Bialystocks

異色のユニットBialystocksの一曲。映画の生演奏会をきっかけに結成されるバンドって凄い・・・。メロウな感じに、ついつい口ずさみたくなるような歌詞も魅力的。繰り返し繰り返し、味わえる楽曲です。

第3位 Voyage/STUTS(feat.JJJ,BIM)

今や日本を代表するトラックメーカーとなったSTUTSにJJJとBIMのコラボ。
楽曲も勿論素晴らしいけど、リリックが最高です。「振ってもいいけど吊るなそれがneck」「やるって決めたんお前だろここまで来たら行けよっていうけどそんな簡単じゃねぇってねぇラッパーならば弱音は無しなんてのは過去の話でもやっぱり弱音は無しだぜboy」BIMはデビューした頃から大好きなんですが、POPYOURSで披露したライブセットのBonitaも最高すぎて一年間ヘビロテしてました。

第2位 Ditto/NewJeans

現在のK-pop黄金期を築いた立役者である鬼才クリエイターのミン・ヒジン。そのミンが立ち上げたレーベルADORのプロデュース1発目のグループ。期待値があまりにも高まりすぎている、かつアイドル飽和状態の中で独自路線を見いだしたのは本当に凄い。来年は日本国内でも圧倒的人気を誇ることを期待しつつ、より応援していきたい。同時に応援したいこちらのグループのかっこよすぎる動画も張っておきます。


第1位 SAOKO/ROSALíA

今年ダントツで聴いたアルバムMOTONAMI。その一曲目であるSAOKOはキャッチーなラップに力強いベースライン、そしてロザリアならではのフラメンコ要素満載のビートが詰め込まれた楽曲。これが2022のベスト。(「HENTAI」とも相当迷いましたが・・・)“アーバン・フラメンコの歌姫”の異名を持つロザリアだが、満を持して脂が乗りに乗ったタイミングでのアルバムリリース。歌詞の意味はほぼスペイン語のため到底分からないが、中毒性が凄かった。MVも最高すぎるのでぜひ。

2022 mybest5〈Movie編〉

今年上半期は劇場に足を運ぶ機会が多く、はしごすることも多かった。
逆に下半期はなかなか行けず、配信で気になる過去作品を見る形に。
恐らく80本~90本くらいの数の中からのベスト5をご紹介したい。

第5位 ケイコ目を澄ませて/三宅唱

若手監督の中でも独特の路線を歩みつつ、Netflixでは「呪怨」のオリジナルドラマも担当した絶賛売り出し中の三宅監督による本作。16mmフィルムで撮影されており、照明の当て具合も含めて計算し尽くされた空間の中で、
主演の岸井ゆきの含め個々の登場人物が色濃く映る。最小限の台詞回しで進んでいくので、とにかく映像に引きつけられる。

第4位 NOPE/ジョーダン・ピール

「ゲット・アウト」、「アス」のジョーダン・ピール監督3作品目。
どの作品にも共通しているのは人種差別や格差社会なことだけど、それをエンタメとして昇華して、しっかり興行収入でも結果を出すのは本当に凄い。
特に今作に関しては見る/見られるの倫理性に重きが置かれているのもよかった。Gordyパートの衝撃はエグい。メタファーやオマージュも随所にちりばめられていて、それだけでも充分楽しめる映画です。小島監督との対談もとてもよかったので、お時間ある方はこちらもぜひ。

第3位 さがす/片山慎三

「岬の兄弟」で殴り込み的にデビューを果たした片山監督。初の長編商業映画となる今作も圧倒的だった。
“最も個人的な事が最もクリエイティブなことだ”byマーティンスコセッシ
ポンジュノ監督がアカデミー賞のスピーチでも引用したこの言葉がズバリ当てはまる。(片山監督はポン監督の下で助監もやっていたのでその影響を受けているのかな)実父の話から着想を得たという脚本に、主演の佐藤二朗と伊藤蒼の弩級の演技、そこに清水尋也の怪演もあって骨太な映画になっている。元気な時に見ないと相当食らってしまう内容なので要注意です。

第2位 jeen-yuhs/クーディー&チケ

20年以上に渡ってカニエ・ウエストを追い続けた本作。
天才を意味するGenius。もじってjeen-yuhs。カニエが何者でもなかった時代から時代の寵児へ、そして厄介者になってしまう過程を追う。ここまで撮れるの!?というレベルで撮れている。今年見たドキュメンタリーの中でダントツだったかもしれない。なにより監督のク-ディーとチケが人生を全ベットして、カニエにかけたからこそ成り立った作品だと思う。
三部作と長いがあっという間です。

第1位 コーダ あいのうた/シアン・ヘダー

今年も沢山の面白い映画が公開されたが、2022年のベストはこちら。
ラスト1時間が本当に泣けてしまう。特に発表会での無音になる演出、
父親に自分の歌を感じてもらうための場面は素晴らしかったです。
各種サブスクでも配信済みなのでぜひご覧下さい。

2022 mybest5〈TV series編〉

今年は今まで見てきたドラマシリーズの連作がちょこちょこ。
後はU-NEXT系(HBOシリーズなども)をよく見た一年だった。
AppleTV等にも見たい作品はあるが、そこまで手を出すのは憚れるな・・・。

第5位 ステーション・イレブン

とにかく映像が綺麗な作品。ストーリーの展開もスローではあるが、
ついつい続きが気になってしまう。何より主演のマッケンジー・デイヴィスの演技に引き込まれる。後は文明の栄枯盛衰の描き方も独特で興味深かった。

第4位 ひきこもり先生

先月シーズン2も放送したこちらの作品。佐藤二朗を主演に据えて
現代の社会問題(ひきこもり、学級崩壊、ヤングケアラー)などをテーマに自らも引きこもり経験がある先生が向き合っていくというストーリー。凄く見やすくてテンポもゆったりで、じんわり感動します。サントラを担当しているharuka nakamuraのこちらのアルバムもオススメです。

第3位 ハウス・オブ・ザ・ドラゴン

多分そんな人はほぼいないんだろうけど、本家のGOTを鑑賞しきらずにこちらを見た。(GOTは現在鑑賞中です・・・)
基本的には群像劇だけど、映像も信じられないほど綺麗だし予算の規模が半端ない。とにかくスケールが大きい。次のシリーズが楽しみすぎる。

第2位 Succession

前々から気にはなっていたが未視聴だったこちらの作品。邦題がキングオブメディア→サクセッション→メディア王となかなかダサめのタイトルだが、内容は本当に面白すぎる。ルパート・マードックをモデルとした後継者争いの物語だが、しっかり現代のビジネストレンドなども反映していてニュース性もあって面白かった。

第1位 鎌倉殿の13人

およそ1年間、毎週日曜日を楽しみにしていたこちらの作品。
新選組(2004年)ぶりくらいに、一年間全部見切った。やはり三谷幸喜脚本は面白い。何かのインタビューでブレイキングバッドを参考にしていると言っていた。次回が気になるエンディングばかりで、それを史実が決まっている大河において成立させる手腕は本当に凄い。(インタビューあったので張っておきます)

個人的には中川大志が演じていた畠山重忠が好きだった。三谷脚本での大河はまた見たい。

番外編

ランキングには入らなかったが、2022年見たドラマシリーズの中で
面白かった単発物、シリーズ物も少しご紹介します。

最初のシーズンほどの衝撃はなかったが、それでもしっかり面白くて最後まで見入ってしまった。次がファイナルシーズンになる可能性が高いけど、とても楽しみ。

実話が元になっているこの作品。フィクションによりすぎず、絶妙なバランスで緊張感を保っているので、最後までドキドキして見ることができる。6話であっという間に終わるので、お時間あるときにぜひ。

足かけ5年、1話目を見た時の衝撃が忘れられなくて、毎シーズン楽しみにしていたドラマが遂に終わってしまった。正直、今シーズンは前半7話で畳めたのではと思っていたが、それを凌駕する怒濤の後半7話。グランドフィナーレ素晴らしすぎた。ブレイキングバッドや鎌倉殿が好きな人にはかなりオススメです。

ということで、年は明けてしまいましたが、2022極私的お気に入りコンテンツをご紹介しました。どれも自信をもってオススメできる作品なので、お時間あればぜひ触れてみて下さい。2023年もどんな面白いエンタメに出逢えるか楽しみ。読んでくれた皆様にとって、素敵な一年になりますように!

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