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2023 コンテンツbest5 (本・映画・音楽・TV番組)

あけましておめでとうございます!年を越してしまいましたが、今年も極私的コンテンツランキングをまとめたいと思います。正直、昨年度よりはかなりエンタメに接する時間は少なくなってしまいました…ただその中でも特によかった珠玉のコンテンツをまとめましたので、お時間のある時にでも読んで頂けると嬉しいです!


2023 mybest5<Book編>

昨年に比べると、読んだ本の冊数は半減してしまった。書店に行く機会が減ってしまったのも悲しい。(渋谷の東急本店閉鎖は本当に痛かった)出張がある時はなるべくその土地の本屋に足を運んだが、それでも回数は限られていたように思う。来年はもっともっと、本屋に足を運ばなければ。ざっくり年間100冊弱読んだ中で特に面白かったものをご紹介します。

第5位 しろいろの街の、その骨の体温の

「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した村田沙耶香の2014年刊行の作品。(芥川賞受賞前)元々こちらの番組で知り読みたい読みたいと思っていたがやっと読めた。(こちらの映像の帯も素晴らしいのでよろしければぜひ見てみてください)

まっすぐすぎる村田節の中に、誰しもが一度は経験したことのある、「学校」の独特な空間の嫌な部分が全て詰まっている。でも読み進めていくと、「自分の価値の定義の仕方」という非常に難しいテーマを深く考えさせられるジェットコースター的展開と内容。文庫版だと西加奈子のあとがきも最高だった。ページ数もかなり多いが、一気に読めるのでぜひお時間ある時に。

第4位 評伝モハメド・アリ

伝説のボクサー、モハメド・アリを徹底評伝をした全編622Pの超大作。
本人ではなく200人以上の関係者への取材や、新資料を基にしてモハメド・アリという人物を鮮明に浮かび上がらせる。ここまでプライベートなこと書いていいの!?というくらい細かい描写が素晴らしかった。また、彼が当時のアメリカ社会に与えた影響も、本人談がほぼないからこそ、客観的に知ることができる。同時に、キング牧師やマルコムXとの関係性に関しても記述されていて、BLMの源流にも触れられるような作品だった。

第3位 黒い海 船は突然、深海へ消えた

ネタバレはとにかく避けたい作品。あらすじは以下。

その船は突然、深海へ消えた。沈みようがない状況で――。 2008年、太平洋上で碇泊中の中型漁船――第58寿和丸――が突如として沈没、17名もの犠牲者を出した。 周辺には僚船が複数いたにもかかわらず、この船だけが転覆し、沈んだのだった。 本書は実話であり、同時にミステリーでもある。 ふとしたことから、この忘れ去られた事件について知った、一人のジャーナリストが、時間をかけて調べていくうちに、「点」と「点」が、少しずつつながっていく。そして、事件の全体像が少しずつ明らかになっていく。 彼女が描く「驚愕の真相」とは、はたして……。

黒い海 船は突然、深海へ消えた

公開情報の調査のみでここまで真実に迫れるのかという驚きと、その羅列された事実を起承転結づけて、読ませ切るテクニックが凄い。また、後半に連れて暴かれていく真実が、国際的な大問題にも発展するであろう事柄なのに、大々的に報じられていないのも恐ろしい。

第2位 天路の旅人 

「テロルの決算」「深夜特急」等を代表作とする沢木耕太郎の最新作。
第二次世界大戦末期に、外交スパイとして中国に潜入したという西川一三の人生を沢木自身が本人にも直接会ったうえで、綿密な取材を通して描き出す。単純に西川の冒険譚としても楽しめるが、「人は何のために生きるのか?」「生きる目的の設定とそれを消失した際の人間の有様」という非常に難しいテーマを見事に描き切っている。これもなかなか長編だが、一読の価値ある素晴らしい作品。余談だが、沢木さん関連でいうとこちらの朗読劇も2023年、1年間を通してずっと楽しませて頂いた。


第1位 欲望の見つけ方

2023年のベスト本はこちら。イーロン・マスクやスティーブ・ジョブスも参考にしたという哲学者ルネ・ジラールの思想に迫る一冊。とか書くと、タイトルも相まってTHEビジネス書な感じがしてしまうが、そこがミスリード。内容が良い分めちゃくちゃもったいないタイトルな気がする。本編はビジネス書ではなく、哲学の概要書のような感じ。かなりざっくり説明すると、人は人が欲しがるものを欲しがる。誰しもが絶えず影響の連鎖の中にいて、本当の意味での内発的動機とは何なのか?というのを問いかけてくる内容。逆に言えば、ここをうまく利用できればビジネスにかなり活きる話でもある。一度だけでは理解できない根源的かつ骨太な理論。その後、ルネ・ジラール本人にも興味がわいて、何冊か読んでみたがこれが一番簡易的で入門書としてはおススメでした。


2023 mybest5<Music編>

今年は新規の曲より、好きな曲をとにかく聴きこむみたいな聴き方が多かった。ライブもiriとFurui Rihoは全ていったが、それ以外はなかなか行けず・・・来年は新ジャンルの音楽も、もう少し聴いてみたい。

第5位 Tiffany Day/IF I DON'T TEXT YOU FIRST

トロント生まれのシンガーソングライターTiffany Day。所謂、Z世代ど真ん中の彼女だが、曲だけでなくMV、そのMVのアートディレクションまでを手掛けるマルチすぎる才能。曲もメロウなものから、シティポップ感あるものまで多数。また、インスタの投稿も今のアメリカの20代のリアルをあらわしている(きがする)のでお勧めです。楽曲は全てサブスクで配信されてますが、SoundCloudにも公式で全てUPされていますのでぜひ。


第4位 離婚伝説/愛が一層メロウ

2023の中旬くらいに知り、中毒のように聞いたのが離婚伝説。そもそも「離婚伝説」というアーティスト名が引っかかりすぎる。由来はマーヴィン・ゲイの「here my dear」らしい。次世代のキリンジ的な独特の歌詞と中毒性の高いリフレインが印象的なバンド。特にこの曲は一度聴くと耳に残りすぎる。2024年は絶対にライブに行ってみたいバンドの一つです。こちらのクリスマスソングも最高でした。


第3位 New Jeans/New Jeans

昨年のデビューから破竹の勢いで活躍を続け、ありとあらゆる賞を総なめにしているNewJeans。日本デビューは未定だが、確実に世界規模でファンを増やしている。ロラパルーザシカゴのステージも圧巻だった。そんなNewJeansのセカンドEPタイトルトラックであるこの曲。MVも最高だが、何より1:48という短い時間の中にありとあらゆる要素が詰め込まれている。何度も何度も聴きたくなる。どうやって制作したのか気になって色々と調べたところ、以下のような記事があった。

今や歌えて踊れてアートコンセプトも統一されているというのは当たり前の中で、その結成までのストーリーを押し出すか(日本や韓国のみでの展開方法だといわれている)、楽曲そのものでゴリっと勝負するという選択肢しかない中で、誰を曲のプロデューサーに起用するのかは、ほんとにそのグループの命運を握っていると思う。(当たり前のことかもしれないが・・・)

第2位 XG/PUPPET SHOW

昨年デビューし、独自路線でファンを拡大しているXG。デビュー当初は他のK-popアーティストよりも宣伝展開を抑えめだったが、デビューまで5年間積み上げてきた地肩の強さが現れ、着実に影響力を増している。(今年は紅白ではなく中国の年越し番組に出ていたが、アジアを取るためなら選択として正解だと思う)2023年の流行だったジャージークラブのジャンルながらも、シンセサウンドもピアノサウンドも入ってきて中毒性が滅茶苦茶高い曲。MVのテーマは“祝祭”らしく、ありとあらゆる国と民族の祝祭が詰め込まれたものになっている。何十回と見た、MVも最高でした。


第1位 Furui Riho/ピンクの髪

今年ダントツで聞いたのはこちらの曲。というか一番聞いたアーティストがFurui Rihoだった。一昨年の後半くらいから聴き始めていたが、今年リリースされた曲もどれも最高なものばかり。ゴスペルっぽさが根底にあって全ての曲が心地よい。LIQUIEDROOMでのワンマンもライブアレンジをかけた曲ばかりで本当によかった。ぜひ足を運んでほしいし、ライブこそより楽しめるアーティストだと思う。

2023 mybest5<Movie編>

基本劇場でしか映画を見ることのなかった1年。それもあって去年よりも鑑賞本数が減ってしまった。配信も面白そうなのは結構あったが、あまり見れず・・・。大体50本~60本程度見た映画の中からベスト5をご紹介します。

第5位 終わらない週末/サム・エスメイル

ネットフリックスシリーズ制作のこちらの作品。ジャンルとしてはディザスターパニック系映画といえばいいだろうか?ネットフリックスでは近年、ドント・ルック・アップなどの終末系映画が数多く配信されているが、特にこの映画は緊張と緩和のバランスが絶妙で、最後まで飽きずに見れたし、なにより真実味が凄かった。エグゼクティブ・プロデューサーにオバマ夫妻が入っているいう事実も衝撃。フレンズを軸にしたストーリー展開も粋だった。

第4位 市子/戸田彬宏

トレーラーからかなり気になっていたこの映画。杉咲花を中心に、出演している俳優陣も素晴らしく、ラストまであっという間。何より感じたのは「編集の上手さ」だった。川辺市子を取り巻く複数人の登場人物と、時系列がいったりきたりを細かく繰り返す。そのため、一歩間違えば大混乱してしまうところを、丁寧かつ巧みに構成することで、最後まで息をのむ展開を維持している。深い社会問題もテーマの根底にはあり、元気がある時に見ないと持っていかれてしまう作品。


第3位 ザ・キラー/デヴィッド・フィンチャー

待ちに待ったデヴィッド・フィンチャー最新作。不朽の名作「セブン」以来、実に28年ぶりに脚本家アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーとのタッグを組んだという触れ込みの本作。(とはいえ、ノンクレジットでちょこちょこリライト作業などを手伝っていたらしいが)絶対に劇場で見たくて、限定上映に足を運んで鑑賞した。こちらも緊張と緩和が絶妙で、あっという間だった。殺し屋は一喜一憂に左右されてはいけないというモノローグから始まりつつ、結局感情に支配された判断を行うという構図をシニカルに表現する部分は「大衆」に関しても考えさせられる名作だった。色々考察が読みたくなって読んでいたが、一番こちらの記事が読みやすかったのでぜひ。


第2位 BLUE GIANT/立石譲

大名作コミック、BLUEGIANTのアニメ映画。基本2Dながらもプレイの時は3Dになるというチャレンジングな演出をしている。ストーリーは言わずもがな最高で、JASSのラストライブシーンは落涙必須だった。演奏を爆音で聞くためにも、とにかく劇場で見てほしい。映画自体は原作の4巻以降から始まるので読まなくても大丈夫ではあるが、より感情移入するためにも1~3巻を読んでから鑑賞することを激奨します。

第1位 AIR/ベン・アフレック

かなり迷ったが2023のベスト映画がこちら。あらすじは以下。

1984年、人気がなく業績不振のナイキのバスケットボール・シューズ。ソニーは、CEOのフィルからバスケットボール部門の立て直しを命じられる。競合ブランドたちが圧倒的シェアを占める中で苦戦するソニーが目をつけたのは、後に世界的スターとなる選手マイケル・ジョーダン――当時はまだド新人でNBAの試合に出たこともなく、しかも他社ブランドのファンだった。そんな不利な状況にもかかわらず、ソニーは驚くべき情熱と独創性である秘策を持ちかける。負け犬だった男たちが、すべてを賭けて仕掛ける一発逆転の取引とは…!?

AIR 公式サイトより

一言でいうと、最強のお仕事映画。自分も小さなことから頑張ってみようと思えるし、リスクとって勝負しなきゃと真逆なことも思わせてくれる。(そのふり幅の大きさがこの映画の素晴らしいところかもしれない)特にラストのラスト、マッドデイモン演じるソニーが、マイケルジョーダンを口説き落とすための勝負のプレゼンのシーンが最高すぎた。これでは到底だめだという場の空気を感じてから、台本にはない熱い言葉を紡ぎだすソニー。ここだけでも何度も見返したほど痺れる場面だった。史実に基づきながらも程よいフィクションも入っており、飽きずに最後まで見れて、活力もわいてくるという最高の映画。ベン・アフレックはプロデューサーとしても優秀なんだなと感じた。

2023 mybest5<TV series編>

昨年度に比べて一番鑑賞数が減ってしまったのがこのジャンル、特に配信系のテレビシリーズを見ることができず、地上波のものをそのまま見ることが多かった。結果的に日本のドラマシリーズのほうが多めになったが、2023年はなかなか名作ばかりだったと思う。

第5位 だが情熱はある

まずこの企画が発表された際にマジか!と大興奮。でもキャストがすぐに発表されて「日テレっぽいな・・・」と思ってしまった。結果的にその気持ちを謝罪したくなるほど素晴らしい作品だった。特に主役の二人を演じた森本慎太郎と髙橋海人の再現度は半端なかった。ラジオをひたすら聞いたり、山里&若林両人に言葉のイントネーションなども含めて、徹底的に聞いたというから凄い。また、春日役の戸塚純貴もハマり役だった。圧巻だったのは第八話のM-1 2008年敗者復活戦のオードリーの漫才の完全再現。正直に申し上げるとナレーションは、たりふたの古市さんか山下さんにやってほしさもあったが、それにしても素晴らしい作品だった。


第4位 ガン二バル

こちらは2022年に話題になった作品。原作も大人気だがなにより「さがす」の片山監督の制作ということで楽しみにした。これを見るためだけにDisney+に加入するぐらい期待値があげていたが、それを上回る面白さ。世界を確実に狙いに行っているクオリティとストーリー展開。ジャパニーズホラー系の金字塔になり得る作品だと思う。なかなかグロテスクな描写も多いが、ぜひぜひ見てほしい。

第3位 VIVANT

言わずと知れた2023年の最大ヒットドラマ。「GOOD LUCK」や「華麗なる一族」「半沢直樹」などを生み出した福澤監督の初原作作品。結局ベタが一番面白いことを体現しているドラマだった。ただそのベタをやるのにもどれくらいの塩梅なのか、そこが本当に絶妙だったと思う。本編とは全く関係ないが、キンタローの一人VIVANTモノマネが面白すぎるので、何かしらの手段でぜひ見てみてください。

第2位 ブラッシュアップライフ

主演:安藤サクラ×脚本バカリズムというタッグの作品。ある意味、面白いことが確定していたようにも思うが、タイムリープものというジャンルとしては非常に難しいものを逆手にとって、連ドラで描き切るのという非常に高度なことをやっていた。それだけでなく、1990年代~2000年代を学生で過ごした人達にとってエモーショナルな場面がちょこちょこあってよかった。(実際は少し上の年次だが)特に第8話ラストの、もう一度やり直しするかどうか葛藤する場面が個人的には一番好きでした。

第1位 Succession

今季ついにファイナルシーズンが配信されたこの作品。シーズン1からラストまで息をつく間もなく、めちゃくちゃ爆走してラストまで最高すぎた。とにかく見てほしいというのが率直な感想。登場人物が全員悪人かつ誰一人まともな人がいないのに、誰かしらを応援したくなる構図なのが凄い。とにもかくにもシーズン1の途中くらいまで見ると、シーズン4まではあっというなのでぜひ見てほしい。これを見るためだけにユーネクストに入っても十分おつりがくるくらい楽しまセもらえることを保証します。「人は何のために働くのか?」みたいなことも含めてハラハラドキドキしながらも、じっくり考えさせられる最高のエンタメ作品でした。

ということで2023年の各コンテンツのベスト5をまとめました。どれも自信をもってお勧めできるコンテンツです。余裕があれば最高だったラジオの放送回(sndのフワちゃんゲスト回、上坂あゆ美のANN0等)やバラエティ番組(かまいガチの仕事終えたら即帰宅するねん初回、ガキ使ザ・マミィ酒井の七変化等)もまとめたかったが今年はここまで・・・。皆さんのおススメコンテンツもぜひぜひ教えてください。ここまで読んでくださった方々ありがとうございました!皆々様にとって素敵な1年になりますように!


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