ドボクなイラスト#6 大搦堤防と象の鼻
土木にかかわる好きなモノをイラストで紹介します⑥
佐賀平野の土木遺産「大搦(おおがみ)堤防」と「象の鼻」
土木にかかわる好きなモノをイラストで紹介していきます。
明治以降の佐賀平野の干拓地開発により設けられた旧東与賀村の石積みの堤防群で、明治前期の有明海沿岸の干拓堤防としては最大規模です。大搦干拓地(西大搦、70数ha)、授産社搦干拓地(東大搦、66ha)の外周に築造され、高潮被害を防いできました。現存する石積み堤防の延長は、大搦堤防:1,425m、授産社搦堤防:1,325mとなっています。
現在も道路や二線堤として機能しており、石積み部分の保存状態は良く、その景観は築造当時の面影を残しています。
石井樋は、江戸時代初期、成富兵庫茂安が嘉瀬川に築造した日本最古の取水施設です。
この石井樋は平時においては、佐賀城内の飲料水と川上川の下流一帯の用水を確保し、洪水に際しては嘉瀬川、多布施川流域一帯の被害を防ぐことを目的として構築されたものです。嘉瀬川の谷を流れ下った水勢をここで受けとめ、水勢をやわらげて下流に流すというその工法には大変な苦心が注がれるとともに、精緻を極めていて成富兵庫茂安の名を不朽ならしめています。その構造は、象の鼻、天狗の鼻などの石造りの水制群で水流を弱め、兵庫荒籠(あらこ)、遷宮荒籠により土砂の流入を防ぎ、きれいな水を多布施川に導入するものでした。
(了)
文責・イラスト:ラジヲマサル
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