大腸閉塞症を疑うCT画像所見とは?
腸閉塞は、小腸に起こる場合と、大腸に起こる場合があります。
大腸の腸閉塞を疑うCT画像所見にはどのようなものがあるのでしょうか?
まず拡張している腸管に着目しましょう。
・小腸のみの拡張→小腸腸閉塞
・大腸にも拡張がある→大腸腸閉塞
と考えることができます。
※麻痺性イレウスのケースは今は除外します。
実際の症例を見てみましょう。
【症例】60歳代男性
【主訴】心窩部痛
腸管の拡張像および液貯留、ニボー像を認めています。
腸閉塞を疑う所見です。
よく見ると拡張所見は、小腸だけでなく、上行結腸や下行結腸にも認めています。
大腸にも拡張がある→大腸腸閉塞
の可能性があることがわかります。
閉塞機転を探すべく、下行結腸をさらに追っていきましょう。
すると急に拡張がなくなり、下行結腸の壁が全周性に肥厚している部位にたどり着きます。
このように層構造が失われた壁肥厚を見た場合に考えるべきは結腸腫瘍です。
つまり、下行結腸癌がありそれが閉塞機転となり口側の結腸及び小腸に腸閉塞を来していると考えることができます。
この様子を冠状断像でみてみましょう。
冠状断像でより明瞭で、下行結腸に腫瘍を疑う閉塞機転があり、その口側の結腸及び小腸が拡張していることが分かります。
診断:下行結腸癌による大腸閉塞
※下行結腸に憩室があってちょっとわかりにくいですが、壁肥厚は漿膜側に不整であり、漿膜外浸潤(SE)を示唆する所見です。
Twitterでのみなさんの正答率は6割でした。
大腸閉塞症については、こちらにもまとめています。
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