RADWIMPS WORLD TOUR 2024 “The way you yawn, and the outcry of Peace” [Asia] -ぴあアリーナ Day1
ライブレポートというより、自分の記憶のための記録。
RADWIMPS
ぴあアリーナmm
中南米ツアーを終え、いよいよアジアツアーがスタート。
日本では代々木と横浜それぞれ2公演。
横浜ぴあアリーナMMでの初日のライブ
開演前の会場はオーディエンスの期待に
満ちた熱気とこれから目の前で
起こるであろう特別なステージを待つ
独特の緊張感に包まれていた。
開演前のBGMはマリリン・マンソンや
AspyerのSaving Graceなどのビートの
効いた四つ打ちのダンスミュージックなど幅広い選曲。
Red Hot Chili PeppersのStone Cold Bushが
流れると
何かを察知したのか
会場からは歓声と拍手が起きる。
場内が暗転。
ステージにはRADWIMPSのメンバー3人と・・・
ん?いや、すごい数のダンサーが
ステージにいる!曲に合わせてコンテンポラリーなダンスを披露する。
(一曲目は「人間ごっこ」)
30人ほどのダンサーが歌詞や音に合わせて前衛的な踊りを魅せる。
大量のスモークと共にダンサーは
一塊となりステージセンターへ。
そして、スモークの中を上から一筋の
ライトが野田洋次郎を照らす。
その光景はミケランジェロの天地創造を
思い出させた。
一曲目からただならぬ演出にオーディエンスから大きな歓声が上がる。
「ホホホーッ!」という奇声のような雄叫びを上げながら会場のレスポンスを見る洋次郎。
2曲目はオーディエンスのコーラスも加わり
一体感を高めていく。
「NEVER EVER ENDER」
RADWIMPSの地元である横浜。
「行けんのか横浜?」という煽りに
「ぅおおおおーっ」と答える。
3曲目はギターの歪んだような、
ひしゃげたサウンドから始まる。
洋次郎とギターの桑原彰(クワ)が向き合うようにギターを弾く。
この心を掻きむしるような、
ざわつくようなフレーズは・・・
「おしゃかしゃま」
ドカーン!!!!
ライブではお馴染みのキラーチューンが早くも
炸裂。
ステージバックのスクリーンにはカラフルな
メキシコの伝統的アートを思わせるような絵が
映し出されている。
アートを手掛けたのは80歳を超えてなお
情熱的な作品を生み出し続けるアーティスト
田名網敬一さん。
メンバー、センターステージに移動。
MCでは武田裕介が多感な10代を過ごした
横浜でのエピソード。
駅近くの楽器屋さんによく行っていた。
ベースも買うわけでもないのに、すみません!と、会場に笑いが起きる。
洋次郎もようやくワーキャー騒ぎながらライブが出来るようになったね。
この数年間を振り返り、そして、今の偉い人たちに対して不満もぶち撒ける。
恋愛も政治も同じ目線で語れる日本では稀有な
アーティスト。
「この会場の中から総理大臣が出ることを願っている!頼む!」という
シリアスとユーモアを交えたMCに大きな拍手。
次の曲はぜひ、日本でのライブだからこそ一緒に歌って欲しい、と声をかけ始まった「正解」
オーディエンスの声は今まで聞いた「正解」の
どんなコーラスよりも美しかった。
ギターのクワが会場の様子を見ながら、
「今日、長袖か半袖で迷ったけど、半袖にしてよかった!」
と熱く盛り上がっている会場に感謝。
そして、洋次郎のズボンのチャックが代々木に
続き空いていることが発覚。
1万2千人の前でチャックを上げる。
迫るようなドラムのイントロが叩かれる。
これはインディーズ時代のライブの定番。
ステージでは炎がガンガンに上がる。
相当熱そうだ。「なんちって」
畳み掛けるように「DARMA GRAND PRIX」
ライブハウス叩き上げバンドの真髄を改めて見た気がした。
ライブは中盤から後半へ。
スクリーンに星が降るような映像。
そして、一音一音鳴らされるピアノに
反応するかのように
雫のような模様がスクリーンに映し出される。「涙袋」からの「スパークル」
オーディエンスのスマホの光が
ぴあアリーナを宇宙空間へと変える。
久しぶりにアリーナで観るRADWIMPS
だったが、その存在は近く、
ライブハウスでの距離感のように感じた。
会場に集まった人たちも曲間で
「神戸から来ましたー!」「アメリカから来ましたー!」などと声を上げる。
いろんな人の思いが重なっているライブ会場。
そこからの「夢番地」
「セットリストを決めるときはみんなが
どんな歌を聴きたいのか考え、
とても悩む。でも、僕達が今、
一番歌いたい歌を歌ってます」
というMCから懐かしいギターのフレーズと
「ラララ」という歌。
その後も懐かしい曲が続く。
大合唱するオーディエンスの声を聞きながら
「声と声が求め合っているような夜」だと感じた。
もちろん海外でのライブも間違いなく盛り上がる。
事実、昨年観に行ったヨーロッパツアー初日の
ロンドン公演もめちゃくちゃ盛り上がった。
ただ、日本ならでは母国語という
お互い遠慮のいらない
関係性とでも言えば良いのか、
言葉にしなくても伝わることも、
あえて言葉に出して確かめ合うような
RADWIMPSの音楽を真ん中に
伝え合いたい関係性のようなものを感じた。
その後もライブは「Wake Me Up Wake me up」から始まる曲や、
「大好物は鳥の唐揚げ」と、来たら歌ってしまう。
半径5mくらいの距離から
銀河宇宙生命をも感じる
大きく深いテーマの曲まで
自由に行き来出来ることが
ラッドの強みであり、魅力だと改めて思う。
「次が最後の曲なんだけど」
という驚きのMCに会場がどよめく。
でも、結構やってるよ。
授業の50分は長く感じたけど、
ライブの50分はあっという間だよね。
という話から相対性理論の話に持っていく
洋次郎。
会場からは「どういうことーー??」という
声に笑いが起きる。
洋次郎も戯けながら、
ライブでしか得られない喜びと
興奮と楽しさを味わっている、と。
そして、ソーシャルメディア全盛の世の中で
言葉というものが簡単に人を傷つける、
顔も知らない人の言葉に癒されさない
傷を負うことも。
出来れば優しい世の中になりますように、
とラストの曲を披露。
「針と棘」
アンコールを含めて2時間と少し。
あっという間ではあるけど、奇跡のような時間でした。
なんなら会場に入る前にバッタリ懐かしい人に
遭遇した。
二人とも名古屋に住んでいる時からお世話になっている人たち。
しかも、RADWIMPSを名古屋のラジオ局に
大プッシュプロモーションをしていた人と
RADWIMPSに惚れ込み、ラッドの番組に心血を注いだディレクターさんと。「縁」というものは科学では証明出来ない不思議な引力だ。
RADWIMPSというバンドが持つ引力が引き合わせてくれたのだと思う。
これから向かう海外アジアツアーでもきっと奇跡のような瞬間や
生涯忘れられないような光景がきっと起こるだろう。
遠く離れた国でもこの空は繋がっている。
アンコール最後に披露された「俺色スカイ」を聴きながらそんなことを
思っていた。
言葉も文化も違う人たちが暮らす街ではどんな人たちがRADWIMPSを
待っているのだろう?
それを想像するだけでなんだか幸せな気持ちになる。
さぁアジアの国々へ、いってらっしゃい!
そして、6月には金沢での追加公演。
いってらっしゃいとお帰りなさいが言えるツアーって良いね。
あー、韓国とか観に行きたいなー!
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