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【テネット解説】カーチェイスシーンを画像付きで徹底解説!カーチェイスシーンで一体何が起こったか?

恐らく映画内において一番混乱させられる高速道路でセーターと主人公たちがアルゴリズムを奪い合うシーン。この一連の流れを時系列を明確にしながら説明します。長くなりますがお付き合いの方お願いします🤲

登場人物の表記方法

このカーチェイスシーンでは人物の把握だけでなくその人物が回転扉に入った後なのか前なのかも把握する必要があります。
通常時間は前に進んでいきますが、回転扉に入ると時間が遡っていくことになるので回転扉に入らずに時間が前に進んでいる状態の人物の前にはA。
回転扉に入って時間が遡っていく状態の人物の前にはBをつけます

例)回転扉に入って時間が遡っているセイター→Bセイター

人物がどちらの状態なのかはガスマスクをつけてるかどうかで判断できます

  • ガスマスク無し 通常の状態

  • ガスマスクあり 時間を遡っている状態

回転扉に入るとどうなるのか

そもそも回転扉に入るとどのようなことが起こるのか?

この映画の根幹となるギミックについて見ていきましょう

ここでは例としてセイターについて見ていきます
カーチェイスシーンの途中で主人公が高速道路で男たちに捕まり、赤い部屋に連行されてセイターに尋問されるシーンがあると思うのですが、尋問の途中で応援部隊が到着したことによりセイターは回転扉の中に逃げ込みますよね。
分かりやすくするためそこの時刻を仮に14時だとしましょう。
14時に回転扉に入ったセイターは14時から時間が前に進んで行く、通常の世界ではなく、14時から逆再生のように時間が巻き戻っていく世界を生きていくことになります。

なので回転扉に入ったセーターからすると自分以外の人やモノは全部逆再生のように見えているということになります

そして回転扉に入ったことにより、14時より前の時間には、14時に回転扉に入る前のAセイターと、14時に回転扉に入ったことで時間を逆に遡っているBセイター両方が同時に存在しているということになるのです。
同じ時間に同じ人物が二人登場してもこの映画では自然なことになります。

映画の映像の順に解説

それでは一連の流れを映画で流れる映像の順番通り確認していきます。

❶セイターとキャットの動向

まず最初はセイターとキャットがフリーポートに行くところからスタートです。
分かりやすくするためここのシーンの時刻を仮に12時とします

①AセイターとAキャット、シルバーのベンツに乗ってフリポートへ

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シルバーのベンツでフリーポートに行くキャットとセイター

②車から降りるとAキャットがフェンスの向こう側に黒のアウディーに乗ったB運転手(ガスマスクをつけている)を目撃。

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黒のアウディにガスマスクをつけた運転手が乗っている

③AセイターはAキャットを脅迫後、奥の部屋で待機

④BセイターはAキャットをB運転手が待つ黒のアウディーに乗せて高速道路へ連れて行く(映画内では描かれていない)

ここでのBセイターはAセイターが14時に回転扉に入ったことにより現れたものです。

   ④は映画では描かれて無いのですがその後ガスマスクをつけたセイター(Bセイター)とつけてないキャット(Aキャット)が後ろ向きに走っている黒のアウディに一緒に乗っていることが分かるので、この時点でBセイターがAキャットを車に乗せたということになります。

⑤Bセイターの乗った黒のアウディーがA主人公たちが乗っている黒のBMWと接触し、二台は互いに並走状態になる

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黒のbmwとアウディ

⑥Bセイター窓を開けてA主人公に向けてカウントダウンのジェスチャーをしてAキャットに銃を突きつける

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⑦二台の間に転がっていたシルバーのサブ(スウェーデンの車メーカー)が復活して二台の間をバック走行し始める

後でわかるのですがこのシルバーのサブはB主人公が運転しています

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⑧A主人公空のケースをBセイターに渡して、アルゴリズムをシルバーのサブの中に投げ込む

⑨BセイターとB運転手右側に走らせていたシルバーのベンツに乗り移る

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⑩黒のアウディーに置き去りにされたAキャットをA主人公が助ける

ここでセイターの手下が来てA主人公とAキャットは拉致されます。

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❷フリーポートでの尋問

拉致されたA主人公とAキャットは赤い部屋と青い部屋に連れて行かれ尋問が始まります。分かりやすくするためA主人公が赤い部屋に入った瞬間を仮に13時55分とします。

①13時55分にA主人公は赤の部屋へ。AキャットはBセイターに連れられて青の部屋へ

②BセイターによるAキャットを利用した尋問が始まる。BセイターはAキャットの腹を逆行弾で撃つ。

③A主人公はアルゴリズムを黒のBMWに置いてきたと嘘をつく

④赤い部屋に主人公サイドの部隊が入ってきたため赤い部屋にいたAセイターは14時に逆行扉の中に入る。

この解説では分かりやすくするためセーターが逆行扉に入った時間を仮に14時としておきます

Aセイターは14時に逆行扉に入り時間を逆行させたので14時より後の時間にはセイターは登場しません

❸逆行扉に入ったセーター

セイターはここで逆光扉に入りましたが、逆行扉に入ることによってセイターの身に何が起こるのか確認しておきましょう。

セイターは、主人公たちがカーチェイスを行なっている間ずっとフリーポートの部屋の中にいましたが主人公の応援部隊が来たことによって逆行扉に逃げざるを得なくなってしまいました。

14時に逆行扉に入ったセーターは扉を出た後、14時からどんどん時間が巻き戻っていく世界を生きていくことになるのです。

そしてこの後映画では逆行扉に入って青い部屋に出たセーターが見ている赤い部屋の様子が映し出されます。このときセイターは時間に逆行していますので、Bセイターは14時から時を遡っていきます。

なのでBセイターが青い部屋から赤い部屋を見ると14時までに赤い部屋で尋問を受けていたA主人公たちの様子が逆再生のように動いて見えるのです。

そしてキャットについてですがA主人公が赤い部屋で尋問を受けている時、青い部屋にいるBセイターが逆行弾でAキャットの腹を撃ちます。
時刻でいうとF主人公が赤い部屋に入った13時55分とAセイターが逆行扉に入った14時の間の時間です。
なので14時に逆行扉に入り青い部屋にBセイターが出現した時にはもう既に腹部を撃たれたAキャットが青い部屋にいることになります。

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すでに腹部を撃たれたキャットがいる

青い部屋に出たBセイターが最初にやる事はAキャットを利用して、赤い部屋にいるA主人公からケースの居場所を聞き出す尋問を逆の手順で行う事です。赤い部屋のA主人公は通常通り時間の進みに従っているので逆にやらないと尋問になりません。なのでBセイターが青い部屋でやる事を順番通り書くとこうなります。

----ここから時間が逆行している----

①Bセイターすでにお腹に被弾しているAキャットの頭に銃を突きつけ頭を撃つぞと脅迫

②逆行弾でAキャットの腹を撃つ。するとAキャットの腹部の傷が治る

③Aキャットを外に連れていく

ここからは映画では描かれてません

④Bセイタープルトニウムを探しに高速道路へ向かう

⑤Aキャットはセイターの手下たちによって高速道路へ連れて行かれる

⑤は先ほどの通常の時間軸で説明した、黒のアウディに残されたAキャットをA主人公が助けた後にセイターの手下たちがAキャットを黒のアウディからフリーポートに連行した一連の流れの逆再生です。
つまり逆行した時間軸で見るとセイターの手下たちがフリーポートからAキャットを高速道路に止まってる黒のアウディに連行するという風に見えます。

❹赤い部屋でA主人公と応援部隊が合流

セイターが逆行扉に入った後赤い部屋に応援部隊が到着します。

①応援部隊青い部屋からお腹に被弾したAキャットを赤い部屋に運び込む

②Aキャットを救うためA主人公たちはAキャットと一緒に逆行扉に入る

逆行扉に入った時刻を仮にセイターが入った14時の10分後として14時10分とします

❺逆行扉に入った主人公たち

主人公は車に乗り高速道路へ向かおうとします。逆行した主人公がフリーポートから外に出て乗った車がシルバーのサブ(スウェーデンの車メーカー)です。

----ここから時間が逆行している----

①B主人公ケースについていた発信機を頼りにケースのもとへ行く

②BセイターA主人公が白状した通りA主人公たちが乗っていた黒のBMWの車内を探すがそこにアルゴリズムは無い

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③B主人公ケースの中に恐らくマイクを仕掛けてシルバーのサブに戻って待機

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④B主人公が待機していると、BセイターとB運転手が乗ったシルバーのベンツの車内に、道に落ちていたケースが吸い込まれる。

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このベンツを運転しているセイターの手下は順行状態である。(B主人公から見てベンツは後ろ向きに動いて見えているため)

⑤B主人公シルバーベンツを追いかけて高速道路へ

⑥Bセイターの乗ったシルバーベンツ高速道路に入り、BセイターとB運転手はAキャットが乗っている黒アウディに乗り換える

⑦Bセイターケースを窓の外に出したところで、シルバーのサブにB主人公が乗っていることに気づく

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この時点でBセイターはA主人公がアルゴリズムをサブの中に投げ入れたということに気づきます。

⑧BセイターケースをA主人公が乗っている黒BMWに向かって投げる。それと同時にシルバーのサブにあったアルゴリズムもBMWの元へ移動する

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⑨Bセイターアウディのハンドルを右に切ってB主人公が乗ってるシルバーのサブを横転させる

⑩Bセイター横転したシルバーのサブに火を放つ

ここまでが映画の中で映像として描かれている要素です。分かりやすくするためBセイターたちのこの後の動きも補足として説明します。

❺サブに火を放った後のBセイター

サブに火を放った後のBセイターの動きは映画内では全く描かれてませんがBセイターは時間に遡っているのでこのまま時間を巻き戻していくと最後にはAセイターとAキャットが一緒にフリーポートまで行った場面まで遡ることになります

時間は逆行しています

①AキャットとB運転手が乗っている黒アウディに戻る

②フリーポートへ戻る

③B運転手だけ車内に残りAキャット、Bセイターは降りる

④Aキャット倉庫内に戻される

一番最初にAセイターとAキャットが一緒に倉庫に行ったあの場面まで遡ってきました

結局プルトニウムは誰の手に?

これだけ必死に奪い合っていたプルトニウムですが最終的にどうなったのかは映像で示されません。ここがノーランらしいところなんですが、ノーランは「そんなの見せなくても自分で考えたら分かるだろw」と思ってるんでしょう。

注目すべきはこのカットです。

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BセイターとA主人公が車の間で奪い合いをしてるシーンなんですが、このカットでBセイターは目を見開いています。

このときセイターが見てる方にはシルバーのサブが後ろ向きで走行しており、その中にはB主人公が乗っています。
ノーランはこのさりげないカットを見せることで、この時点でBセイターは、A主人公がB主人公が乗っているシルバーのサブにアルゴリズムを投げ入れたことに気づきましたよ。ということを観客に分かってほしかったんだと思います。(そんなの初見で分かるわけ無いじゃんw)

なのでBセイターはその時点で手下にアルゴリズムはシルバーのサブにあることを報告するでしょう。

そしてフリーポートの外に停めてあるシルバーのサブから手下が回収して結局プルトニウムはセイターの手に渡ったわけです。


最後に

図を使って説明するのが一番なのですが何とか文章で説明してみました。これでも混乱するとは思いますが少しは分かりやすくなれば幸いです。



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