保護猫について
日本の保護猫の殺処分について、10年前から今までの状況を少し調べてみました。
環境省の統計資料によると、令和2年度(2020年度)の保護猫の殺処分数は 19,705頭 でした。これは、10年前の平成22年度(2010年度)の殺処分数 152,729頭 と比べると、約 87%減少 しています。この間に、保護猫の引取り数も 51,964頭 から 44,798頭 に減少しています。
保護猫の殺処分数が減少した背景には、以下のような要因が考えられます。
民間の動物愛護団体が直接ペットを引き取る数が増加したことにより、保健所が引き取るペット数が減少したこと。
2012年に動物愛護法が改正されたことにより、「終生飼養の責務」という趣旨に照らして、保健所は「可愛くなくなったから」「引っ越しで飼えなくなったから」などの安易な引き取りの申し出を拒否できるようになったこと。
行政と民間団体が協力して、保護された猫を返還や譲渡する活動を積極的に行ったこと。例えば、神奈川県動物保護センターはボランティアと協力した取り組みによって、ここ数年間連続して猫の殺処分ゼロを達成しています。
しかし、依然として、年間約2万頭近くの猫が殺処分されているのが現状です。今後取り組むべき課題は以下の点です。
引き取られるペットの数を減少すること。飼育放棄や高齢者飼育、あるいは迷子等の問題を防ぐために、責任を持って飼育できる人のみがペットを飼い始めることができる環境や、迷子対策(マイクロチップやウェアラブルデバイス等)を普及させることが必要だと言われています。
そして、地域によっても状況がかなり違うようです。
日本全体の状況を知る事も必要だと思いました。
参考とした資料は下記にリンクを貼っておきます。
・環境省_統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html.
・犬猫の引取り数と殺処分数 - 公益財団法人動物環境・福祉協会Eva. https://www.eva.or.jp/data.