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【#1】海外現地ラジオの超メリット・地元が見える!?

こんにちは。ラジオと地理です。
これから「海外の現地ラジオ事情」についての内容を進めて参りますが、
まずは概要を説明申し上げます。

  1. 背景は?
    コロナ禍が去り海外との往来も元に戻りつつあって、海外に長く滞在される方々が増えていると思います。
    地元(現地)を理解する手段は数多くありますが、ラジオが活用されているケースは少ないのでは?と勝手に考えているのです。
    ラジオ局は世界の津々浦々にあるものの、日本国内で海外の現地ラジオに関する情報は得にくいのが現状です。特定の国に詳しい方は居るでしょうが、概観出来る日本人は非常に少ないからです。

  2. どのような情報が得られるの?つまりメリットって何?
    現地でより幅広く情報収集が可能となる手段として、ラジオの聞き方や日本との違いが分かります。
    単なる旅行だけでは見えてこない、いわば「普段着」の地元が手軽に味わえる手段ですから、共感して頂いて、独自の情報収集を目指しておられる方なら、お役に立てると思います。

  3. 想定している海外の現地ラジオって?
    中波(AM/MW)、FM、デジタルラジオ等で現地から送信され、地元のリスナー向けに放送している局でして、日本でいうこところのNHK(国内向け放送)民放AM(ニッポン放送、文化放送、TBSラジオとか)や県域FM (TOKYO FMとかJ-WAVEとか)に相当するものです。
    ネットラジオにも触れる場合がございますが、地上波を主体に展開いたします。
    なお、ネットやスマホも無かった昭和の時代に流行した、短波放送や中波による国際放送は含めません(BCLと呼ばれる趣味の対象)今は既にマニアックな領域と化しており、局数も少ないので。

  4. なぜ地上波ラジオ局を主体とするの?
    国にもよりますが、日本より海外の方が人口の割に地上波ラジオ局数は多くて、様々な局がオンエアしています。ですので、バラエティーに富んだ地域密着型のコンテンツが期待出来るからです。
    地上波ラジオは、一般的に送信地から遠くには電波が届きませんが、多少なりとも地理的なセンスが必要とされるからです。

  5. 高価なラジオ(受信機)が必要になるの?
    手のひらサイズで小型の、数千円~1万円前後のラジオがあれば可能かと思います。

  6. ぶっちゃけ実際どうなの?
    例えばこんな点ですかね・・・
    ・特に先進国や中国では、数え切れないほど多くの局がオンエア
    ・FMは殆どの国で日本と周波数帯が異なり、日本向け機種では聞けない
    ・中波は一部の国々で周波数ステップが日本と異なり、やはり日本向け
     機種では聞けない
    ・欧州や一部のアジアは(シンガポールとか)既に中波を廃止
    ・地上波デジタルラジオは欧米を中心に普及段階(日本では頓挫)

【はじめに】
「なぜ日本のFMラジオ帯は76〜95MHzなのか?」
5年くらい前でしょうか?英国人のラジオ友達から、こんな疑問をぶつけられたことがあります。
他にも「なぜ日本のNHK第2放送は、こんなにも多くの英語教育番組があるのか?」といった質問も・・・確かに言われる通り!
日本で独自に進化して、グローバル標準からかけ離れてしまうことを「ガラパゴス化」と揶揄されるようになってから、随分と経ちますね。
我々日本人にとっては当たり前過ぎて、全く気に留めないことであっても、外国人からみると奇異に映ることは結構多いでしょう。
インバウンドがこれだけ盛況なのも、日本独自のモノ・コトが多いことに他なりません。
そこで、主にFM放送をグローバルな視点で見てみると、どんな状況なのか?日本と何が違うのか?から、最初に触れてみましょう。
コロナ禍も去って海外旅行が改めて身近になりましたが、その一方で短波放送や中波放送は世界的に減っているのです。(詳細は改めて触れます)
言葉の壁は確かにあるのですが、現地で簡単に聞ける地元のFM放送から最初にトライしてみるのも、一興ではないでしょうか?

【1】FM放送の概況
まずFM放送の視点からみた、日本と海外の違いを整理してみました。



日本と海外のFM/デジタルラジオの相違点

最初に周波数帯ですが、何と言っても日本では76〜90MHz(ワイドFMが90〜94.9MHz)が使われていることが、他国との一番大きな違い!!!

これは是非覚えておいてください
私自身、これまでに南米と南極以外の各大陸、多くの国で現地の受信を楽しんで来ましたが、日本以外でこの周波数帯をFM放送に使っている国は聞いたことがないですし、現実に大半の国では87〜108MHz前後が使われています。
ただし、現在でも旧ソ連圏や東欧諸国では65.8〜74MHz(欧米ではOIRTバンドとも呼ばれる)が使われていますが、今は減っていると聞いています。

【2】FMの文字情報
文字情報ですが、実は日本でも「見えるラジオ」の愛称で1994年からTOKYO FMでスタートし、他局にも広がりましたが2014年に終了してしまったのです。

私もソニー製の「SRF-DR1」を持っていました。
今でもメルカリとかに出品されることがあるようですが、既にサービスは停止していますので表示はされません。
また、日本独自で海外でも表示されません。

この機種ですが、次URLの「1995」にありました

ところがどっこい!
実は日本とは違って海外ではRDS(Radio Data Systemの略)が結構広く普及しているのでございます・・・
局名の確認にはとても便利な機能ですから、利用しない手はありません。
RDSは元々欧州から始まりましたが、韓国などの近隣諸国でも利用局があって、北米では似たシステム(名称は「RDBS」)が採用されており、互換性があります。

次回に続きます

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