見出し画像

「やまだひさしのタク(宅)アンリミテッド」第1回 まとめ

顔見せ系リモートチャンネル「RADIO 9」がお送りする、
「やまだひさしのタク(宅)アンリミテッド」第1回が、
4月25日(土)、無事配信できました!

累計視聴者数は1万6千人以上、また、急遽、GLAYのTERUさんが合流して下さるなど、スタッフの想像を超える展開となり、
ご出演いただいた皆さま、またご視聴いただいた"9サポーター"の皆さまに、心より感謝申し上げます。

この記事では、ご出演いただいた皆さまの言葉をまとめましたので、
当日、ご覧いただくのが難しかった方も、もう一度振り返りたいという方も、お楽しみいただけますと幸いです!

■ 阿部真央(シンガーソングライター)

阿部真央さん_

本来だったら今はツアーの真っ最中。
コロナの影響でライブ活動は一切できる状況ではなく、ツアーは1年延期しました。ゲネプロまで終わっていたツアーが止まってしまい、今の時間は、ただただ悲しい。それは私だけじゃなくて、関わってくれている全てのメンバーがそうです。

(YouTubeからの質問に対して)
チケットを買ってくれたファンの皆さんが、それを返金しないという選択は、ミュージシャンにとってある種のサポートになります。
私自身の生活も大事だけど、活動の母体となっているレーベルや事務所はもっと大切。
そこへお金が還元されれば、バンドメンバーやツアースタッフ、さらに向こう側にいるライブハウスやイベンターに、お金が渡る事になります。

■ 社長(SOIL & "PIMP" SESSIONS)

画像2

僕たちも3月の東京公演が延期になり、海外ツアーも全て中止になりました。
人前で演奏してお金をもらう人たちは、いま何もできる事がない。

ライブを実施できなくても、場所と人は動いてしまっているので、準備だけでも、かなりお金はかかります。
イベントが実施されて、初めて収支が立つので、開催されないと損失は大きい。誰かが泣かなきゃいけない状況。
半年後、1年後にライブを延期しても、その場所が、そこに残っているのか?という怖さもある。

この状況をポジティブに捉える事によって、アーティストにとって、今まで無かった新しい手法だったり、新しい発信方法だったり、全く今まで考えていなかった事が生まれてくる期待があります。
大きく時代が変わる転換期なので、コロナの収束後に、また全開で表現活動ができるような、そんな準備をするべきだと思います。

■ 団長(NoGoD)

団長さん_square

今の状況はズタボロ。YouTuberになるしかないとも思っている。
15周年のツアーの後半飛んでしまって、ライブハウスで、無観客の有料ライブを計画していたが頓挫。。
結局は、スタッフさんがいないとライブがつくれないので、お客さんを招かなくても、3密ができてしまうんです。

そんな中、家で出来ることを探していたら、ヤマハの「NETDUETTO」というアプリを見つけました。
ネット環境さえ、しっかりしていれば、リモートでリアルタイムセッションができます。
これは素晴らしいですよ。今後「RADIO 9」で、投げ銭ライブをやりましょう!

この時間、止まっているのは無駄だなと思っていて、初めて配信機材を揃えたり、色んなツールを使って、弾き語りとか、ゲーム実況とか、色々取り組んでいます。
アコギで弾き語りをやって、「また1週間乗り切れます」とコメントをもらった時は、音楽をやっていて良かったと、改めて感じる事ができました。
まだ自分は、音楽の力・エンタメの力を信じています。
一緒にみんなで乗り越えていきましょう。

■ 瀬川あやか(現役看護師シンガーソングライター)

瀬川あやか_square

場所によっては既に医療崩壊が起こっています。
自分が勤めている病院は、感染症病棟はなく、そこまで切迫していませんが、物資は不足している状況。
衛生上マスクは、こまめに替えたいですが節約しながら使ったり、
三か月前に発注したアルコールが、まだ病院に届いていなかったりします。

私は、看護師として仕事があるし、曲を書いているので、いくらかは印税もありますが、この状況が長く続く事は厳しいです。
新しい音楽を作ろうと思っても、私は宅録ができないので・・。
やはり外に出て、いろんな人の力を借りるしかありません。

■ 対馬芳昭(origami PRODUCTIONS)

対馬さん_square

テレビなどで活躍しているミュージシャンではなく、ストリートレベルのミュージシャンや、PAエンジニア、舞台監督など、技術がある人達を今救えないと、この業界が終わってしまいます。
その為に自己資金2000万円を救済の為に使いました。
この状況で僕がただ貯蓄していても死に金です。
生きたお金に変える事が、後々意味があると思っています。
ただ、誰に投資するか?というのが本当に難しい問題。

決して良いことが起きたわけじゃないが、ポジティブに考えて、プラスの方向に持っていく事が大切。
産業が一時的に止まった事によって、環境問題が改善されたり、そういう面もあります。
資本主義で、みんな切磋琢磨していくと、どこかに富が集まってしまったり、どうしてもバランスが崩れてしまう。
これからの時代は、切磋琢磨しつつも、譲り合いの精神が重要だと思います。

■ タカハシコーキ(「青山 月見ル君想フ」店長)

タカハシコーキさん_square

ライブハウスは、営業補償がほとんどない。
東京都の拡散拡大防止協力金の50万円だけでは、月の人件費にもならない。
一月何もしないでいるだけで、250~300万くらいかかってしまう。

私たちは、お客さんを入れてライブができない状況になって、すぐに有料のライブ配信を始めました。
クラウドファンディングに頼るよりも、それがライブハウスとして健全だと考えました。
ですが、ただ配信していても飽きられてしまうので、配信ならではの工夫をいかにしていくか?というのが今後の課題です。

今は、耐え忍ぶだけでなく、前向きに何かをクリエートしていきたい。
今後も配信ライブの方向を模索していきながら、
コンサートに関わる人が、ちゃんと食べていける体制を目指したいです。

■ シライケイタ(劇団温泉ドラゴン代表、劇作家、演出家)

シライケイタさん_square

いま完全に時間が止まってます。
朗読とか即興をやっている人はいるが、ライブ配信で、演劇は難しい。
ソーシャルディスタンスを保って公演を行ったとしても、客席の事を考えたら、採算が全く取れない。
ただ何も出来ない状況に、演劇人として価値観がひっくり返ってしまった。

演劇界は、今みんな危機を感じていて、大先輩や、世界中の表現者たちと、これまでにない程コミュニケーションをとっています。
何か新しいモノを生み出さないと生き残れないので、配信で作品を表現する事も、本気で考えていかなくてはならない。

これまでは、作り手として自分の作品に向き合う事が、一番大切な時間だったが、そうではなくなりました。
「作れなくてつらい」「人に会えなくてつらい」「作品を発表できなくてつらい」という想いはあるが、業種を超えて、国を超えて、みんなと連帯して乗り越えたいと思っています。

■ 土田康彦(ヴェネチアン・ガラス・アーティスト)

土田康彦さん_square

イタリアでは、許可証がないと外出できません。
罰金や逮捕もあるので、ロックダウンの厳しさを感じています。

幼稚園から大学までの教育機関は9月の半ばまでストップしたまま。
世界の近代史でもこんな事は無かったと思う。
1日の死亡者数が700人、800人、900人を超えた時には、もう国家の滅亡が迫っているのではないかと異様な緊張感が漂っていました。

偶然にも、今は「国際読書週間」なんです。
こんな時ですが、好きな本でも読んで、充実した時間を送る事も大切。
芸術の歴史を振り返ると、第二次世界大戦中にダリが作った作品は、その後の美術界を大きく左右しました。
今ここで、モノづくりに携わる者が、ただ家に待機しているのではなく、
すぐそこまで来ている「新しい時代」に、ワクワクしながら 「新しい価値観」を見出したいと思っています。

■ 菊地崇(日本ミュージックフェスティバル協会 会長)

菊地崇_square

去年の台風被害で中止になった、フェスを救済するために、日本ミュージックフェスティバル協会を立ち上げたものの、コロナの流行を受けて、支援対象を広げて活動しています。
今おこなっている、クラウドファンディングは4/29で終了するので、
今後、寄付なり支援なり、広くできるカタチを模索している状況です。

すっかり断絶の時代になってしまったが、その事によって、会えない人を想う気持ちが芽生えたと思います。
来るべき時に、今みんなが想っている事を共有して、次の世界を創造していきたい。
今は、その時の為の時間だと思っています。

■ 藤村俊秀(株式会社ショウワ 代表取締役)

藤村俊秀さん_square

普段は洗浄機を作っている会社なので、
今はマスクを作り始めて一か月くらい。試運転の段階です。
費用としては、設備投資以外の色々な先行手配などの費用も含め約1億円かかっています。
今月末くらいに、やまださんに2500枚、マスクをお送りします。
助ける人は選べません、まずは隣人から支援していきましょう。

■ TERU(GLAY)

TERUさん_square

ドーム公演の中止は、僕たちにとっても大きい事です。
でも、ファンの子たちの安全を守る為には必要な措置。
何年もかけて、協力し合いながら、取り返していくしかない。
イベンターさん、照明さん、音響さん、
色んな人が関わってできるコンサート事業なので、
僕たちは運命共同体。全体を見渡す必要があると思います。
これは乙武洋匡君が言っていた事なんだけど、障害のある方は、
自由に外出ができなかったり、常にこういう状況で世界を観ていたんだそう。
そういう想いを知る事にも意味があって、
コロナが収束した後は、そんな社会の問題にも目を向けていきたい。

■ 木村真理(シャララカンパニー ロンドン)

木村真理さん_square

イギリスにはマスクをつける文化はなかったですが、ロックダウンを経て、ここ2週間くらいで根付いてきました。
ただ日本みたいなガーゼマスクじゃなく、ガスマスクとか工事現場で付けるようなモノが多いので驚き。
早くもマスクが足りない状況になっているので、最近では、ハンカチやマフラーを使って予防する流れになっています。

日本でいうJASRACにあたる機関「PRS for Music」は、3月に緊急事態基金を立ち上げ、既に3000人の音楽家をサポートしています。
その他「Help Musicians」という慈善団体も活動していたり、日本に比べてミュージシャンへの支援は早いという印象。

イギリスは今、ミュージシャンが自宅から演奏を配信して、募金を語りかけるなど、ライブ配信が盛んになっています。
これまでイベント情報を掲載していた所が、各ミュージシャンのストリーミング情報をのせていたり、変化が生まれています。

番組後記

中曽根さん_square

構想2週間で生まれた「RADIO9」
テクニカルな課題は少しあったが、
なかなか画期的な「新しいコミュニティの場」となった。
ゲストが顔見せ参加した分割画面は個性的で、
それぞれの背景画像から想像も広がり親密感が生まれた。
同時に、画面に登場したゲスト全員の連帯感も生まれた。
アーティスト、プロダクション、ライブハウス、ラジオ制作、
プロモーター、皆がフラットに繋がり想いを重ねた。
コロナに翻弄されている当事者たちの言葉は、何よりもリアルで、心を動かす。
「RADIO9」でやりたいことは、誰もがフラットな関係の場で
業界の生態系を知り「共生、共創」できる世界へのヒントを掴むこと。 
皆さまのおかげでポジティブな1歩が踏み出せました。感謝です。

シャララカンパニー 中曽根勇一郎

いいなと思ったら応援しよう!