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アイリス・アプフェルの、ドキュメンタリーを見て


アマプラで何か映画を見ようと物色していた時、このドキュメンタリーを見つけた。

私は、ファッションや音楽を楽しむための洋画、ストーリーを楽しむなら邦画と勝手に区別していて、今日は明日の服を決めるきっかけになるようなファッショナブルな映画を見たいと思った。

そこで見つけたのがアイリス・アプフェル94歳のニューヨーカーだった。

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彼女は94歳にして、これまで収集した好きな服を着続けている、まさに理想のお婆様だ。

もともとインテリアコーディネーターのような仕事をしていた、らしい。

そんな彼女は今でも、各ブランドのデザイナーと繋がり、テレビや雑誌のインタビュー、ショーウインドーのスタイリングに、ひっぱりだこな生活を送っている。

彼女のファッションは私の本当に理想で、好きなものを見に纏い、彼女の個性を前面に出している。
エイジレス、ジェンダレス、シーズンレスで、流行にのるのではなく、本当に好きなもの、いいと思ったもの、思入れのあるものを見に纏っている。

中には、旅行先のアフリカで買った伝統的な布、中国の祈祷師が着るジャケットなど、ストーリーがしっかりあるものもある。

さらに、ディオール、サンローラン、グッチなどのハイブランドはもちろん、市場で買った安いアクセサリーや服も、同じように大切に着ていた。

ときめくものに対して、値段に関わらず向き合う姿勢が本当に素敵だと感じた。

私も、今気に入っている服をおばあちゃんになっても着るつもりで服を買い、大切に扱うことを心がけたいと思った。

彼女が作品中で言った
政治、経済、ファッションは繋がってる。その時のファッションを見たらどんな時代か分かるのよ。

と言うセリフにドキッとした。

10年後、20年後に今のファッションを振り返ったら、どう思われるのだろうか、と。

みんながこぞってユニクロをはじめとする安いを着て、イッセイミヤケはメンズラインを辞めたように値が張るブランド物を着る人が少なくなり、同じような流行り物の服ばかり。

だれもがファッションを自己表現と捉える必要はないと思うけど、それでもやっぱり消耗品ではなく、自分の気持ちを高める、生活を豊かにするツールとして、良いと思う物を身につけて欲しいと思う。

そうすることで、他人と自分の区別が一目でわかり、多少の意見や価値観の違いも許容できるようになるのでは無いか、と。

さらに

美人でなくて結構よ、だれがなんと言おうと

と彼女は最後に言う。

顔が綺麗で世の中を渡り歩いてきた女の人をたくさん見てきたけど、最後歳を取った彼女たちに残るものが少なくてかわいそう、私は努力して魅力をつけてきた。そうして培った個性は歳をとっても、無くならないのだ、と。

最近私がとても感じていたことで、ハッとした。

私の周りの30代の女性は、みんなそれぞれ味、個性があって、好きなものに正直で、本当に魅力的だ。

世間一般ではマイナスとされがちな、そばかすも、わし鼻も、一重まぶたも、本当に魅力的だと感じている。

私も10年後、20の小娘にそんなふうに思われるような女性になりたい。

とりあえず、死ぬまで欲望に正直な服ジャンキーでいたいと思う。

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